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グランプリ/経済産業大臣賞
山西 盛隆さん(山西整経)「円」
工場では整経しているので、真面目にまっすぐまっすぐなのです。「曲げてみたい。曲がるはずだと、ある時思ったのがきっかけですね。平面の円ではなく、立体の円柱を思い描きながら作りました。送り出しと巻き込みの長さを同じにすればできるだろうと思ったんです。機械の工夫も必要ですけど、単純に円を織り上げるだけならまだまだアプローチの方法はあると思います。価値があるかどうかはわかりませんが、アイデアだけならたくさんあるので、新たな挑戦をしていきたいと思いました。現場の人間は、新しいことにチャレンジするのが難しかったりもしますが、JFW-JCはすごいですね。こんなこともあんなこともできるという発見がたくさんあって、刺激と励みになりました。
優秀賞/製造産業局長賞
渡部 孝さん(藤井整絨(株))「レッジェーロ」
ものを作っていると、工場の中で廃棄されるものが多く、なんとかできないかと思っていました。原料・糸から作るのが初めてでした。カシミアの毛羽を集めて糸を作るまでは試行錯誤で、もっとも苦労した点です。そう簡単には、糸にならないのです。会社には新商品開発のためのプロジェクトチームがあり、私を含め4名が参加しています。いただいた賞金はグループの新開発のために使うのかな。
優秀賞/製造産業局長賞
加藤 千夏さん((株)ティスリー)「コットンニット」
機屋さんでゴミとして廃棄される、生地耳の部分の素材感が面白いと思っていて、何かにできないかと思ったのが、このコットンニットを作るきっかけになりました。超長綿の生地耳を用いたことで、非常に柔らかい質感になりましたが、まとまった耳をほどきながら、糸として編み上げていく作業は、ひっかかりやすく非常に大変でした。受賞は賞金も含め、今後の開発につなげていきたいと思います。
新人賞
相川 恵さん「cocoon」
真綿を題材に考えたのは、美術大学の大学院で真綿に関する研究をしたときからで、真綿をそのまま布にするには、どうしたらいいのか。いろいろ試していくうちに、ミシン刺繍の方法にたどりつきました。繊維が細い真綿を布にするためにミシン、それも家庭用ミシンを使って刺繍のように縫うのですが、大きな作品になるだけに、制作の過程が大変でした。制作期間は半年ぐらいです。これからも自分のペースで作品をつくっていきたい、と思っています。
スチューデント賞
秋山 紫織さん(文化服装学院)「私のボーダー」
専門学校でテキスタイルを選考しているのですが、まさか自分が受賞するとは思っていませんでした。テーマとなった「ボーダー」は、もともと着る機会が少なかった柄のひとつで、自分なりのボーダーを考えていくうちに、緯糸を抜きとる方法が生まれました。作品となった基布は学校の購買部で買ったものです。今後については、クリエーターというよりは、国内外のテキスタイルを扱うような仕事がしたいです。
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