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photo_JFW-JC 2011 A/W

INDEX[1]デザイナーコラボ

 JFW-JC 2011A/Wのトレンドテーマに沿って、出展者と東京コレクションウィーク参加デザイナーがコラボレーションした製品展示を行っています。各社のもの作りへの想いとデザイナーの発想力がぶつかり、刺激しあって生まれ出た現代の「日本のこだわり」をご覧ください。

photo_Beautiful people デザイナー 熊切秀典
Beautiful people デザイナー 熊切秀典
テーマは「日本の社長」

 今回のテーマは「日本の社長」です。知っている社長が、いつもゴブラン織りのベストを着ています。それがすごくカッコイイ。ブランドでは20〜30代の男性がターゲットですが、産地には2代目、3代目の若い社長もおられるので、来場される社長さんもそう違和感はないでしょう。

 1体はカシミヤのPコートで、深喜毛織さんの生地を使いました。昔からカシミヤが好きでした。普段はイタリアなどの生地を使っていますが、今回、それよりも上質の生地提供を受けました。このベストは京都の丸幸織物さんの生地です。シャツ地はカゲヤマさん。もう1体は日本ホームスパンさんのツイードにムートンを裏打ちしました。このツイードの生地が大変軽く、正直驚きました。ベストは桐生のミワさんの生地です。合わせたマフラーは久山染工さんです。

 ベストはジッパーがポイントになりました。朝日ファスナーさんのジッパーは存在感があり、力もある。ぜひ、このジッパーも見ていただきたい。パンツは細め、ネクタイも細めでプレッピー風にしました。

 企業とのコラボレーションはこれまでも行ってきました。工場に入ることもあり、職人さんの苦労も知りました。こうしたコラボレーションはこれからも続けていきたいですね。

●日本ホームスパン B-68
 ファーを部分使いするアパレルさんはおられましたが、ムートンを全面に使われたのは初めてで驚きました。ウール80%/シルク20%のクラシックヘリンボンツイードです。手つむぎの糸を手織りで表現した手作り感が好評です。

●カゲヤマ B-08
 綿100%のシャツ地ですが、ボーダー部分はトップ染め+起毛しました。これにより、ボーダーに立体感が生まれ、見る角度によってボーダー部分の濃淡が変わります。また、ジーンズのヒゲ加工風のシャツ地(シェイキーマジック加工)もブースで人気です。


photo_SOMARTA デザイナー 廣川玉枝
SOMARTA デザイナー 廣川玉枝
「難しい生地だからこそ向き合いたい」

 以前から使ってみたい素材があり、そこをコラボ先に選ばせていただきました。素材を優先して形はシンプルに仕上げることを心がけました。久山染工さんは現場も訪れ、たくさんの資料の中から、オリジナルのプリントを起こしてもらったり、また加工も工夫してもらったりと、素材作りに時間がかかりました。栄レースさんのリバーレースも多くのサンプルの中から、選ぶことができ、展示会だけでは判らない技術力が見えて非常に興味深い経験でした。

 今回のコラボレーション・テーマである「日本のこだわり」についてですが、例えば和紙に塩縮加工を施し、色を入れるなど、特に加工技術力の高さを痛感しました。天池合繊さんは超極細繊維を織るために機械を改造したということですが、一つの技術を貪欲に追求するからこそできる技だと思います。デザイナーとしては、難しい生地だからこそ挑戦したい、生地の美しさを出したいという試みでした。

●天池合繊 B-14
 今回使用されたのは、当社オリジナルの超極薄素材「天女の羽衣」シリーズの新作で、裏表で色の違うチタンコーティングのものです。従来はなかった、このコーティングシリーズは今後増えていく予定です。縫製に関しては縫えるミシンが限られるので、確かに扱いは難しいのですが、今までにない素材ですので見に来て欲しいです。

●栄レース C-76
 常時200種の柄のストックがありますので、新たにということではなく、そのストックの中から使うものを選んでいただけました。ただ色に関しては、廣川さんの希望はあったのですが、時間不足で結果、黒になりました。ブースでは、前回好評だったレースのニューバージョン、新柄も多数出品しています。

●久山染工 C-23
 廣川さんが考えた図案から型を作り、新しいプリントを起こすことは、時間がない中での作業だったので大変でしたが、デザイナー・コラボレーションは刺激もうけるし、反響もあって面白いです。今回は新作として通常のスクリーンでは出せないような滲みのプリントをウール、コットン、シルクといった天然素材にのせ提案しています。様々な表情を持つ加工も含め、今後もどんどん新しいことにトライしていきます。


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Takumi Hatakeyama デザイナー 畠山巧
素材特性生かした「ミックス マックス」

 今回のテーマは「ミックス マックス」。ミックスしたものをマックスに表現することが狙いです。生地提供企業の素材の特徴を、服として最大限に表現することに力を入れました。

 通常は自分の表現したいことを7とするなら、面白い素材でも3くらいしか重きを置きません。今回は5対5、あるいは逆に3対7くらいまで素材の特徴を出すことに専念してみました。デニムのサロペットドレスは、1枚のデニムのように見えながら、カイハラさんの3種類のデニムを使っています。宮下織物さんの生地によるロングジレドレスは、独特な光沢感を生かしました。美希刺繍工芸さんの生地は工場に行って選びました。デザイナーの今日的な役割には、いろんな意味があることを感じました。

●宮下織物 B-34(富士吉田織物協同組合)
 ロングジレドレスに使われたのは、ポリエステル100%の先染めです。畠山さんが、「虹をイメージして作りました」とおっしゃっていましたが、できあがった作品を見て驚きました。カラーフォーマル用の生地ですが、使い方でイメージも変わるものですね。富士吉田産地が使う水は、富士山にしみ込んだ水が80〜100年かけて湧き出したもの。この水を使用した染色糸は、独特の上質な光沢が出る。また、冬の乾燥した気候にも影響を受けています。この地でしか、この光沢は出ないということが、産地の強みでもあります。

●美希刺繍工芸 C-02
 バイヤステープ状にした素材をパンク刺繍によって1枚の生地にしました。様々な色柄を組み合わせた表現と、仕上げ加工によるフリンジ効果が特徴です。デザイナーコラボには何回も参加しています。加工業のため、実際の最終製品を見ることはあまりないのですが、ここでは自分の素材がどこに、どんな風に使われるかを確認できます。それも楽しみのひとつです。


photo_Ujoh デザイナー 西崎暢
Ujoh デザイナー 西崎暢
生地作りの想いをデザインに反映させたい

 これまで見知ってはいても取引きのない生地メーカーとの、新しい出会い・取り組みでした。生地メーカーさんのもの作りに対する想いというのは、展示会などでは考える機会は少なかったのですが、今回のコラボレーションでは、一点一点の素材に対しての取り組み方、情熱を感じ取ることができ、贅沢かつ有意義な時間を過ごせたと思っています。

 6社の生地を用いましたが、各社とも私自身のこだわりに対して、熱意を持って対応していただき、生地作りへの想いが存分に伝わってきました。今後はそういった想いを反映させたいと感じるようにもなりました。このコラボを皮切りに今後のコレクションのイメージが広がっていきそうです。

●アビリン A-66
 今回3ブランドとのコラボレーションがありましたが、デザイナーの方のリクエストに対して、こちらで何パターンか用意し提示するというやり方でした。もう少し時間があれば、新しい素材でこれまでとは違う提案もできたのにと、少し残念です。当社は羽を中心にした服飾資材メーカーですが、ショールや帽子など製品OEMにも対応しています。羽といえばアビリンと言われるように頑張っていきたいです。

●山政テキスタイル A-04(丹後織物工業組合/丹後ファッションウィーク開催委員会)
 和装文化の中では、丹後は京都の下請け的・白生地の産地というイメージだったと思います。また特色であるちりめんは=和・年配という印象も強かったのではないでしょうか。今回、西崎さんとのコラボレーションで、使い方によっては今までとは違う若い層にも対応できることを印象付けられたのが嬉しいです。こういった機会からも丹後ちりめんが全国的に広まり、より多くの方に使っていただけるようになればと思います。


INDEX[2]海外出展企業

門戸開放、4カ国6社が出展

photo_TAI ERHエンタープライズ
 JFW-JCの国際化第2ステージとして、今回から海外企業出展がスタートしました。台湾からDJICリミテッドとTAI ERHエンタープライズが、中国からHLCリネングループとMOZARTEXが、韓国からヨンド・ベルベットが、トルコからオータ・アナドールが出展しました。

 TAI ERHエンタープライズはストレッチや吸湿発散素材など水着や下着、スポーツウエア向けの生地が得意です。また、竹繊維や再生繊維も出品しました。「ロットは1色200kgから。サンプルなら40kgから応じます」と話す。すでに日本に輸出しているが、「新しい顧客を増やしたい」と出展しました。

 HLCリネングループも日本とは長く取引きしています。「JFW-JCには2年前から出展を希望していました。今回、許可が出てようやく実現できましたが、準備期間があまりなかったのが残念」と。「日本のユーザーに通る品質なら、世界のどこでも通用する」と考えています。リネン100%を中心に、リネンシルク、リネンコットン、リネンストレッチ素材などを出品しています。

 水洗いできるベルベットを提案するヨンド・ベルベットは、日本向けに20年以上の輸出実績があります。「JFW-JCは日本で最大の展示会。毎年出展できないかと問い合わせをしていましたが、今回ようやく出展できました」と語っていました。インターテキスタイル上海やパリのテクスワールドにも出展していますが、「韓国では大手バイヤーを無料で招待します。日本ももっと世界にアピールした方がいい。韓国ではJFW-JC向けの出展補助金を次回から検討するかもしれません」と積極的でした。

photo_オータ・アナドール
 オータ・アナドールは、欧州の有力デニムメーカー。「JFW-JCは毎回、本社の技術開発部門が見学に来ていました。新商品開発のインスピレーションになるからです」と評価していました。今回のジーンズ・ビレッジについて「すばらしい。学生との連携を支援するというのは、実際は面倒なことです。しかし、ファッションとはあこがれ。アパレルを目指す人に、ジーンズ業界の素晴らしさを伝える意味は大きい。それが次の時代を作っていくことにつながるから」とコメントしていました。同社はリーバイス501の生地生産権を持つデニムのコアを有する一方で、服から発想したデニム作りも行っています。それがイタリアの有名ブランドが生地を採用する理由でもあるようです。


INDEX[3]PIGGY’S SPECIAL〜ピッグスキン・ファッションショー〜

オリジナルプリントによる新しい表現の試み

 日本で唯一自給できる革素材で、全国の7割が東京で生産されるピッグスキンのファッションショーです。JFW-JC内での開催が8回目となる今回は、東京を代表する若手クリエーターとしてNo,No,Yes! とAGURI SAGIMORIの2ブランドがピッグスキンに取り組み作り上げた製品が披露されました。

 No,No,Yes!は「人類補革計画」をテーマに、マットでしっとりした質感の極薄ピッグスキンを用い、まるでカットソーのようにボディにフィットするフォルムと、ジャパニメーションを代表するエヴァンゲリオンをフィーチャーしたプリントで東京の今を発信。

 AGURI SAGIMORIは真っ白なピッグスキンをキャンバスに見立て、鉛筆で描いたクロッキーのようなプリントと、シワ加工や箔加工など様々な加工を用い独自の世界観を表現しました。

photo_PIGGY’S SPECIAL〜ピッグスキン・ファッションショー〜 No,No,Yes! AGURI SAGIMORI


INDEX[4]エコ特集

すっかり定着した感のある“エコ”

photo_エコ特集 WoolStreet
 シーズンを重ねるごとに広がりを見せているのが“エコ”への対応です。トレンド&インデックスコーナーに設けられた「エコ・テキスタイル」では、服地だけでなく、染色や加工における環境対応が増えたほか、ウール素材が集結した「ウールストリート」には、設営された什器類にリサイクルが可能な紙のボードを使うなど、エコ対応が多様になっているのも今回の特徴です。

 これまでエコといえば、オーガニックコットンや再生ペットボトルによるテキスタイルが主流を占めてきましたが、前回あたりから染色や加工分野をはじめ、不用品の再生など「循環対応」に関する裾野が広がってきました。

 そうしたなか、「エコドリーム」のテーマで、さまざまなエコ対応商品を総合的に展示したのが東レです。原材料から製品、使用済み製品にいたるリサイクルを、独自の技術によって製品化した商品を幅広く提案しています。

 また、デニムの生産時に生じる“デニムの耳”のリサイクルでは、デニムの耳プロジェクトがドレスをはじめバッグやアクセサリーなどアイテムを広げていました。どれも、とても廃棄物とは思えない出来栄えです。

 さらに環境対応で注目されるのが「ウールストリート」。会場に使われたパーテーションや什器のほとんどが段ボールに似た紙製で、使用後にリサイクルが可能というエコブースになっていました。さらに使用済みのアパレルを回収し、これをバイオエタノールなどに再生する「FUKU FUKUプロジェクト」も、これまでになかった「回収・再生」という新しい環境対応の一つです。

photo_エコ特集 デニムの耳 エコドリーム


INDEX[5]企業紹介

丹後織物工業組合/丹後ファッションウィーク開催委員会 A-04
『丹後の羽衣—匠の美技』

photo_丹後織物工業組合/丹後ファッションウィーク開催委員会
 丹後織物の新規販路開拓、新規用途開拓及び生産連携の推進、経営能力などの向上を図るため「JFW-JC 2011A/W」会場内で、丹後産地のトップランナーである16企業が集結し「TANGO FABRICS COLLECTION 2011」を開催しています。

 昨年、世界初となるシルク100%デニムを岡山の企業と共同開発した大江。帝人グループのバイオフロントを使って共同開発した、これも世界初のバイオフロント100%の丹後ちりめんやエコ素材を出品する田勇、吉村、大善の3社。また今回のデザイナー・コラボレーションにも参加している丸幸、山政など、オリジナリティー溢れる高品質素材を数多く展示しています。シルクの和装生地産地のイメージが強い丹後ですが、合繊も含めたアパレル素材を提案する、総合力ある産地を目指して行きたいと頑張っています。

 また一方、丹後産地の40歳以下の若手組合員から成る絹友会(きゆうかい)では、京都の下請けといったイメージからの脱却を図るため、現代のライフスタイルの中で生きる新しい和の提案を行うなど、伝統と革新の融合によるオンリーワンのもの作りに取り組んでいます。


タナベ刺繍 C-73
『さながら「ミュージアム」』

photo_タナベ刺繍
 タナベ刺繍はJFW-JCに出展して10年。「マンネリに陥らないように今回は提案の仕方を変えてみました」と、美術館風のブースにしました。

 入り口正面には「アンケートに答えてデジカメを当てよう」と大書きしています。「どんな商品が良かったか、来場者の声を聞きたかった」と、マーケティングを行っています。また、「モコモコ刺繍体験コーナー」を設置。サガラチェーンモチーフ手法「MoCo-MoCo」は、手作業で特殊ミシンを使って製作したサンプルを、高精度なスキャニング画像処理を施し、刺繍データ化してモチーフを製作。ハンドメイド風の優しさと柔らかいフワフワ感を実感してもらうため、モチーフを服に合わせる作業を体験するものです。

 さらに昇華転写プリント手法「アート転写」は、グラフィカルでユニークな柄をアップリケ表現や、モード感のある柄をスパンコール刺繍との融合で表現したものです。こうした提案が、いかにもミュージアムというテーマに合致していました。


INDEX[6]記者会見が開かれました

次回は来年6月1日からTEPIAなどで

 JFW-JC運営委員会は13日、会場内で記者会見を開き、次回の「JFW-JC2012春夏 ビジネス商談会」展を来年6月1日から2日間、東京・港区のTEPIAとスタジアムプレイス青山で開催すると発表しました。両会場を使うことで、100小間(1小間6平方m)を確保。出展者も審査し、ビジネス中心の商談会を行います。

 貝原良治JFW-JC運営委員長は、「来年にJFW-JCの灯はつながった。経費を切り詰めながら、自立化を目指す」と話しました。また、来年の「JFW-JC2012秋冬」は10月12日から3日間、東京ビッグサイト西ホールで、従来通りの繊維総合見本市として開きます。春夏展の詳細は来年1月、秋冬展は同6月に発表する予定。

 さらに、会場にはJETRO海外バイヤー招聘により、バレンシアガ社(パリ)、ロベルト・アヴォリオ社(ミラノ)、マックス・マーラ社(ミラノ)の3社が訪れ、天池合繊、イチテキ、一村産業など30社とビジネス・マッチングを行うことも発表しました。


INDEX[7]3日目スケジュール

10月15日(金)
10:00     開場
11:00   フォーラム<イベント会場>
「海外市場開拓Part-Ⅱ『変わりゆく中国マーケットの今』」
14:00   フォーラム<イベント会場>
「ジャパン・ジーンズの進化〜強みの発揮と国際化への道」
17:00     閉幕
※最終日は17時までです。

※フォーラムの詳細と参加申込み http://www.japancreation.com/forum/2011aw/
※3日間のスケジュール http://www.japancreation.com/2011aw/overview.html#schedule

 
 
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