JFW-JC 2010 A/W 特集号 Part3 2009/10/08(木)
 
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  JFW-JC JFW Japan Creation 2010 A/W 鮮度がアップした会場に活気
  photo_鮮度がアップした会場に活気
 

 雨天で出足が心配された初日ですが、オープニングから受付けには長蛇の列ができ、終日会場は活気に包まれていました。「違和感と独創性」をメインテーマとしたトレンド・インデックス・コーナーには、アパレルや小売店のデザイナー、マーチャンダイザーをはじめ多くの来場者が、ここから来年の秋冬トレンドを吸収していました。
 今回初めての大型出展となった「JEANISM JAPAN QUALITY」(日本ジーンズ協議会)、日本絹人繊織物工業会の「シルク&シンセティック」、丹後織物工業組合/丹後ファッションウィーク開催委員会による「Material Adventure」、さらには東京製革業産地振興協議会の「ピッグスキン・コーナー」などのブースにも多くの来場者が訪れました。
 出品された製品は、これまでにも増して技術力やオリジナリティーが高まっていました。例えば、光ファイバーをマクラメ、刺繍などのテクニックを使った“光る素材”の(株)フィルノットや、1年を通して使える高密度な麻織物を提案する(株)林与、試織生地とカラーシミュレーションで打ち合わせしながら、客先とオリジナル生地を作り上げる(有)クロスジャパン、新製品を含めて約20,000種の製品を展示し、サンプルカット(10cmまでのスワッチを提供)を行う(株)木馬、さらには1940年代から50年代までのビンテージの“ZIPPER”を復刻した朝日ファスナー(株)など、ブースの大小を問わず話題を集める出店企業が目立ちました。
 また、小規模ながら個性が光るブースも注目されていました。たとえば注目されている染色・加工のブースでは、さまざまな加工方法が提案され、来場者は展示品を手にとり、メモをとりながら説明を受ける光景が見られました。
 一方、「JEANISM JAPAN QUALITY」では、来場者を対象に「藍染め体験コーナー」を設け、思い描いたデザインをハンカチに染め上げていましたが、島精機製作所でもオーダーメードが実演されました。これは用意されたバラエティー豊かなデザイン・サンプルと、さまざまな素材の中から好みの糸を選び、自分だけのニットウエアを無縫製でつくりあげるというもので、こうしたデモンストレーションも会場を盛り上げていました。


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  Best of TA・KU・MI「JFWジャパン・クリエーション大賞」
 
photo_Best of TA・KU・MI「JFWジャパン・クリエーション大賞」
photo_Best of TA・KU・MI「JFWジャパン・クリエーション大賞」

最終受賞作品は会期中の投票で決定!

 感性・技術ともに優れたテキスタイルを認定し、日本のテキスタイルの素晴らしさと可能性を開拓し、優れたテキスタイルデザイナーの育成と、ものづくりを後方支援し、国内外にプロモーションすることを目的に設置されたのが、Best of TA・KU・MI「JFWジャパン・クリエーション大賞」です。先ごろ行なわれた一次審査、二次審査を通過した60点の作品が会場内に展示され、会期中にJFW-JCコーディネーターやSHINMAIクリエーター、特別招待バイヤーによる最終審査が投票によって行なわれています。
 審査員の人たちからは「最新織機を使ったものは、やはり斬新に見える。学生作品も含めはみ出た感じはなく、非常に現実感がある」「展示方法がとても良い。照明の効果で生地の陰影や立体感がよく見えて、平面よりも生地が見やすい」「最終が5点しか選べないというのは、選ぶのが非常に難しい。もっと増やすべき」など様々な意見が聞かれ、じっくりと見入り悩む姿も目に付きます。
 最終的な受賞作品は、11/4開催の「ビジネス交流会」の中で発表・表彰されます。


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  SHINMAI Creator's Project
 
photo_SHINMAI Creator's Project

 「東京発 日本ファッション・ウィーク(JFW in Tokyo)」は世界の新進デザイナーの登竜門になることを目標の一つに掲げています。その具体策として、平成20年度から、特別企画“SHINMAI Creator’s Project”をスタートさせました。
 第2回目の本年度は、世界11カ国から37組が応募し、7月16日の最終選考会を経て以下の4ブランドを選出しました。

  天津憂〔A DEGREE FAHRENHEIT〕
  宇都宮茜〔AKANE UTSUNOMIYA〕
  ファビオラ・アリアス〔FABIOLA ARIAS〕
  ルイーズ・シュワルツ/フランク・プシュラン〔THE INDIVIDUALIST(S)〕

 JFW-JC初日の7日、会場でSHINMAI Creator’s Projectの記者会見を行いました。4ブランド5デザイナーはJFW-JCで、素材をセレクトして来年3月のSHINMAI Creator’s Projectコレクションショーで作品を発表します。
 同会見で、天津氏は「クオリティの高い日本素材を使って、3月のコレクションに向け頑張りたい」、宇都宮氏は「1年前にロンドンから帰国。新しい世代に向け、自分たちの感覚で発表したい」、アリアス氏は「米国はベーシックな素材しかなく、日本素材を使えるのは大きなチャンス」、シュワルツ氏とプシュラン氏は「日本素材を過去3コレクションで使用した。来日し、多くの日本素材をセレクトできることが嬉しい」と、それぞれ抱負を述べました。


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  PIGGY'S SPECIAL〜ピッグスキンファッションショー
 
photo_AKIRA NAKA / MIKIOSAKABE
photo_PIGGY'S SPECIAL〜ピッグスキンファッションショー

 東京都・東京製革業産地振興協議会主催の、東京産のピッグスキンによるファッションショー「PIGGY’S SPECIAL」が7日の13:30、15:00からの2回開催されました。東京を代表する若手デザイナーを起用することでも注目を集める同コレクションですが、今回はAKIRA NAKAと、MIKIOSAKABEの2ブランドが登場。AKIRA NAKAは「CROSSGENDER」をテーマに黒のストレッチ素材と光沢加工を施したピッグスキンのコンビネーションをメインに、マスキュリンテイストがかもし出すフェミニティーで現代のエレガンスを表現。MIKIOSAKABEは90年代にいたようなロックやヘビメタフリークの女のコをイメージした「TWILIGHT」をテーマにし、つや消しと光沢、ハードとソフト、分量感とフィット性など様々なピッグスキンの表情を、シンプルな切りっぱなしのTシャツを組み合わせることで際立たせていました。
 10/8(木)の13:30〜と、15:00〜は、東京都専修学校各種学校の学生らによるショーが行なわれます。

[インタビュー PIGGY’S SPECIALを終えて]

MIKIOSAKABE
 これまでは革といえば牛というイメージがありましたが、今回ピッグスキンでも全てができると分かったことが嬉しかった。加工の上手い業者が多く、自分で思った通り、あるいはそれ以上のことができました。軽さとフィット感を出すためにストレッチ素材と組み合わせたので、縫製工場を探すのは大変でしたが、ファーストサンプルから思った以上の出来でした。

AKIRA NAKA
 ピッグスキンは重く、毛穴が目立つのではないかというネガティブイメージが完全に払拭されました。各企業の工夫によって、そういったイメージはとうにクリアされていて、最初の段階からこのままでは使えないというものはなかった。逆にこれがピッグスキン?と驚くことが多かったです。これまでラム、フォース、カウなど使ってきましたが、今後はピッグスキンでいろいろ試したみたくなる良い出会いでした。バッグや小物ではなく服で良いということを関連企業の方にも感じて欲しい思い、今回はよりリアリティを重視しました。


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  フォーラム「変容するアパレル消費」
 
photo_フォーラム「変容するアパレル消費」

 7日から始まったフォーラムでは繊研新聞社の編集局本社編集部長である中村善春氏が、ファッション・ビジネスの過去10年の変化と、今後の消費パターンについて講演しました。1998年が“カジュアル元年”とする同氏は「従来の小売業が低迷する中で、ネット通販が台頭するなど、この10年でファッション・ビジネスは様変わりした」と語りました。また、今後の消費については、「草食系男子と呼ばれる20代や行動派といわれる40代女性の存在が注目される」と述べました。発言の要旨は次の通りです。

1997年から08年にかけて百貨店の衣料品売上高は2兆7000億円減少、量販店でも5割以上も減少している。08年の百貨店売上高は7兆3800億円で、ショッピングセンターの販売額(7兆8500億円)に追い抜かれている。
また、インターネット販売も、各種データを累計すると百貨店と同じ水準となり、アウトレットも5000億円を売り上げている。
このように1998年を境に日本のファッション・ビジネスは大きく変容している。こうした変化は、小売市場だけでなく、少子高齢化や豊かな中流層が崩壊するなど、かつてない様変わりを見せている。
今後については、さらに消費の変容が進むと思われ、エコなど社会的な意識による「持たない気持ち」、いわゆる過小消費や節約・合理的消費が進展する一方で、確かな投資価値を求める女性たち(メンテナンス・リゾート)や日常生活の幸せを求める…などの傾向が強まる、と予測される。

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  JEANISM JAPAN QUALITY 価値あるジーンズとは…を提案
 
photo_JEANISM JAPAN QUALITY

 このところ800円台のジーンズが発売されるなど、低価格旋風が巻き起こっている中で、日本ジーンズ協議会では「JAPANISM JAPAN QUALITY」のテーマで、ジーンズにおける“真のクオリティー”を提唱しています。
 ここでいうクオリティーとは、品質にとどまらず、モノづくりの背景にある伝統やこだわり、さらにはエコやCSRを含めた安心・安全の水準を示すものです。会場では素材や加工、服資材、製品などが紹介されたほか、“藍染め体験コーナー”が設けられ、来場者が好みのデザインで染め上げていました。
 JFW-JCでは400m2と広いブースには、素材、製品、副資材、エコ、インディゴのコーナーが設けられ、素材コーナーでは綿紡績や再生繊維、最新素材が、製品コーナーではナショナルブランドの最新作が、副資材コーナーでは各社の開発製品や環境対応など、エコ・コーナーでは環境に配慮した加工やエコジーンズなどが紹介されていました。

【参加企業】アズマ(株)、伊藤忠商事(株)、(株)エドウイン商事、カイハラ(株)、倉敷紡績(株)、グンゼ(株)、タカヤ商事(株)、テンタック(株)、東京吉岡(株)、東洋紡STC(株)、ナクシス(株)、日清紡テキスタイル(株)、日本綿布(株)、(株)ビッグジョン、(株)フクイ、(株)ベティスミス、豊和(株)、三菱商事(株)、(株)ミツボシコーポレーション、モリリン(株)、リー・ジャパン(株)、レンチングファイバーズ、YKKスナップファスナー(株)、YKKファスニングプロダクツ販売(株)。


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  Company 企業紹介
 
photo_宇仁繊維

宇仁繊維(プロモーションゾーンC-13)
『千円切る国産のシルク綿混プリント』
 宇仁繊維は今回、国内で捺染したシルク綿混で1メートル当たり1000円を切るプリントが大きな話題です。織り組織はシフォンやチュール、サテン、揚柳など6マーク。宇仁繊維のプリント柄といえば水玉が有名ですが、新たに注目トレンドのアニマル柄を積極的に打ち出しました。今回展では約60柄を紹介しています。
 また、同社は個展を15日と16日の両日、東京・表参道のラ・コレッツイオーネで開催します。


 

広撚(ビジネステキスタイルゾーンE-43)
『会場で欧州ブランドから引き合い』
 広撚は前回のJFW-JC展で、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)繊維「ソロテックス」のわたを染色した「カラーボール」をダウンに使用した提案が特に好評でした。日本企業だけでなく、会場で同商品を見た複数の有名な欧州ブランドから引き合いがあり、商談が現在進行中です。同商品はファッション性に加えて、鳥を殺さない「アニマルフリー」の視点からも高い評価を得ています。
 「展示会は新しい提案が求められているし、さらにそれが実際のビジネスにつながることが大切だ」と、同社の鈴木雅博執行役員東京支店長は述べておられます。
 今回展では、カラーボールを使用したストレッチ性のあるダウン、レギンス向けナイロン「メリル」の2ウエートリコットで柔らかさと機能性が特徴の商品などを新たに提案しています。

photo_広撚(1) photo_広撚(2) photo_広撚(3)
「ソロテックス」わたを染色した
「カラーボール」のダウン
カラーボールを使用した
ストレッチ性のあるダウン
レギンス向けナイロン「メリル」
の2ウエートリコット

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  Press Interview 記者会見
 
photo_Press Interview 記者会見

 JFW-JCは7日に記者会見を行いました。
 厳しい経済環境にもかかわらず、今回展の出展は279件/393小間で、2009AW展の277件/482小間と比べ、出展件数で上回りました。新規・復活出展は72件/75小間で、通常の2倍に上っています。これらの数字について、貝原良治実行委員長は「JFW-JCの意義が認められている」との認識を示しました。
 また、これまでは会期中に行っていた「ビジネス交流会(レセプション)」と「産学交流会」を、会期後の11月4日(火)に東京・青山のTEPIAで行うことを発表しました。交流会では、「Best of TA・KU・MI」の各賞表彰式と「FORM PRESENTATION」優秀賞の表彰式を行います。
 記者会見も予定しており、今回のJFW-JCと10月20〜23日開催の「JFW-JC in 上海」の結果を報告します。


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  Schedule 3日目(10/9)のスケジュール
 

  10:00〜 開場 
  11:00〜 フォーラム
        『世界が注目するジーンズの“ジャパン・クオリティ”』
  14:00〜 フォーラム
        『トレンドの波を創る』
  17:00  閉幕

◇フォーラム詳細
http://www.japancreation.com/forum/2010aw/


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