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「出展企業ジョイントコレクション」が8日、イベントスペースで開催されました。刺繍やレース、箔プリント、ベロアなど出展企業が提供した注目素材を使って、文化服装学院の学生が大胆な発想で作品を発表しました。テキスタイルを提供した出展企業はオガワテキスタイル、狭山ホームワーキング、妙中パイル織物、敦賀繊維、丸安毛糸、山崎ビロード。


「ILIAD」野田源太郎の作品

「シアタープロダクツ」武内昭、中西妙佳の作品

11校の専門学校によるコレクション

東京製革業産地振興協議会主催によるPIGGY’S SPECIAL FASHION SHOW 2007が6日、7日の両日開催された。6日は野田源太郎のILIAD、武内昭、中西妙佳のシアタープロダクツの二部構成からなるデザイナーショー。7日は、11校の服飾系専門学校が制作した学生ショー。
軽やかで薄く仕立て易いピッグスキンによるコレクションは、皮革製品と布帛製品の中間に位置するユニークな服飾材料の可能性を余すところなく表現していました。

 

JC実行委員会コーディネーターとして、3日間JC会場に詰めながら感じたことをお話したいと思います。
今回初めて、「プロモーションゾーン」と「ビジネスゾーン」を区分しました。欧米等の見本市はビジネス目的が主流ですが、これまでの日本の展示会はプロモーションを目的とするものが主流でした。しかし、欧米のビッグブランドが直営店戦略を強める中で、次第にプロモーション目的の展示も増えています。反対に、日本では問屋の支配力が低下し、メーカーが直接ユーザーに商品を販売するケースが増え、商談目的の展示会が求められています。
その意味で、「プロモーション」と「ビジネス」を区分するという考え方は、来場されたヨーロッパや中国の人にも新鮮に映ったようです。出展者の一部には、今回のシステムが浸透していなかったことで若干の混乱も見られましたが、全体的には良い結果につながったと思います。
ここ数年、中国生産が主流であり、現在も中国での素材現地調達の動きが進んでいます。その一方で、中国生産の商品は価格競争に陥り、関連企業も収益をあげるのが困難になっています。また、欧米向けの輸出志向が強まるなど、日本企業にとってはより厳しい状況になることが予想されます。

そうした市場の動きもあり、静かな日本回帰が起きているような印象を受けました。また、売場主導のファッションビジネスの中で、生産の重要性、素材の差別化の重要性も再認識されつつあります。
時代の変化の中で、顧客も変わっていきます。当然、JCに対する要望も変わってくるでしょう。
当然の話ですが、JCという展示会は主催者だけのものではありません。出展者と来場者双方が積み重ねてきたイベントであり、主催者からすれば彼らこそが顧客です。現在のマーケティング戦略で、「顧客満足」が優先されているように、JCもまた「顧客満足主義」を貫く必要があると思います。
国際化を強めるビジネス環境の中で、我々は日本だけでなく、海外と日本の関係、それぞれの役割分担を踏まえた上で、日本の製造業のあり方とそれぞれの企業戦略を考えなければなりません。JCだけがその重責を担うものではありませんが、JCは業界に対して常に問題を投げかけ、新たな提案をしていく責務を負っていると思います。それには、既存のつながりだけでなく、新しい出会いやコミュニケーションを常に仕掛けていく必要があると思います。
単に現状維持を志向するのではなく、「顧客満足」と「次代への挑戦」を両立させながらJCを充実させ、JCが日本の繊維ファッションビジネス活性化の契機となれば幸いです。

(JC実行委員会コーディネーター坂口昌章)

株式会社エスシーネットワーク 東京支社長 島田浩司

中国ビジネスコンサルティングを手がける株式会社エスシーネットワーク東京支社長の島田浩司氏による分かりやすいファッションマーケテンィグ講座。

マーケティングとは、「企業が消費者にブランド・商品・サービス・情報をいかに伝えるか」、また、「企画に反映させないのであればマーケティング調査をする意味はない」など、明解な切り口でファッションマーケティングを語っていただきました。また、中国市場の実例を挙げながら、実践的なマーケティングノウハウを説明すると、受講者の多くは興味深げに頷いていました。

島田氏は、ファッションという感性の世界を構造的に理解することの重要性を指摘し、ロジカルなファッションビジネスのあり方を具体的に提唱しました。

 



 

 

狭山ホームワーキング
刺繍のようなフロッキー C区−21

薄地織物にインクジェットプリントで、ソフトな風合いを損なわないまま上から下までグラデーションで色を変えて着色したり、刺繍を思わせる繊細なフロッキー加工を施したり。あるいは、箔プリントした生地とオパール加工の生地を組み合わせた二枚重ね。シリコン樹脂を固めて宝石状にしたものを生地にのせる「ジュエリー」など、今回も様々な後加工の技術を駆使したテキスタイルを提案していました。

 
 

木馬
本物の銀を使ったレース B区−06

リボン、レース、パスマントリー(紐やブレード)など取扱商品を一堂に揃えています。
レースは今回、新作1500点をはじめ、約3000点を展示しました。欧米でのレース販売は今年秋から本格化したばかりですが、非常に順調だと言うことです。
今年の新作レースはヨーロッパ調のアンティークなイメージが特徴。なかでも、本物の銀を蒸着させる「ソフト銀」、20色のカラー展開などが国内外ともに好評で、今後の伸びが期待されます。

 
 

天池合繊
超極薄テキスタイルを提案 F区-24

天池合繊は超極薄テキスタイルを生産しています。
今年から欧州向けのテキスタイル輸出も本格化し、パリコレに参加している大手メゾンが同社の素材を採用しました。
ポリエステル100%だけでなく、ステンレス繊維使いでも超極薄のテキスタイルを実現。そこで使われるステンレス繊維の直径は、僅か24ミクロンという細さです。後加工などで細い糸の織物を作るのではなく、細い糸を織り上げているため、なめらかで光沢があり、しかも非常に柔らかいテキスタイルが生まれます。
今回は新たに、金沢の伝統工芸である金箔技術を使ったテキスタイルを開発し、ブースで展示して来場者の関心を集めています。

 
 

佐藤繊維
原料の持っている自然の力を引き出す 5区-19

原料の紡績から編地、最終製品までを提案しています。
今回は原料の特徴、力を最大限に引き出すもの作りに特に力を注ぎました。
紡績ではカシミア80組織、モヘア52番単といった特別な糸に始まり、非常に軽くソフトな風合いを実現しています。
ウールは糸のより方、洗い方によって、様々に変化します。特殊な後加工をしなくても豊かな表情を持つナチュラルな自然の力を見に来てください。OEMにも対応しています。

 

JAPAN CREATION 2007A/W 来場者数

 

1日目

2日目

3日目

合計

アパレル

2,825 4,119 6,109 13,053

小売

643 839 752 2,234

問屋・商社・企画会社

3,478 4,810 4,395 12,683

一般

4,074 4,927 3,156 12,157

プレス

76 88 67 231

海外

35 32 96 163

特別ご招待

1,424 1,665 652 3,741
合計

12,555

16,480

15,227

44,262

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