『JFW-JC、東京でシンポジウムを開催』 (2009/12/14)
JFWジャパン・クリエーションは11日、東京・青山のTEPIAでシンポジウムを開きました。これはJFW-JC2011Spring/Summerの開催に向けて、テキスタイルビジネスの今とこれからを考える、をテーマにしたもので、経済産業省の間宮淑夫繊維課長による「日本経済の展望と繊維産業の未来」と題する基調講演の後、間宮課長をはじめ堀肇氏(三陽商会素材開発チーム課長)、松井智司氏(松井ニット技研代表取締役)、島田浩司氏(事業開発研究所代表取締役)、貝原良治(カイハラ会長/JFW-JC運営委員長)をパネラーに迎え、「これからの日本、これからの繊維産業」をテーマにしたパネルディスカッションが行なわれました。
同シンポジウムは、「JFW-JC2011Spring/Summer」の開催案内に併せて開かれたもので、当日は雨天にもかかわらず100人を越す関係者が訪れました。
基調講演で間宮課長は、詳細なデータを紹介しながら内外の経済状況について解説し、「世界経済は上向きに転じはじめている」と述べ、少子・高齢化が進む日本では「輸出をはじめとした外需に左右される」と語りました。また、繊維ファッション産業においては「価値観の多様化に対する対応が重要であり、消費が冷え込んではいるが、消費マインドは上昇機運にある」として、潜在需要の掘り起こしによって消費は浮上する、と述べました。
パネルディスカッションでの主な発言は次の通りです。
【日本の素材について】
・素材はコストも重要だが、品質基準、素材力、新しさなどの相対的な魅力がもっとも重要である。(堀氏)
・物づくりは文化であり、独特の文化をもつ日本では他国ができないモノづくりがある。(松井氏)
・日本の素材は、品質の安定性、開発力、サービスなどでの差別化が十分可能である。(貝原氏)
・テキスタイルは再現性、つまり継続させる安定力が大事であり、日本にはその点で秀でたものがある。(島田氏)
【JFW-JCについて】
・魅力のある出展者の数が展示会の魅力につながる。(堀氏)
・「やる気のある企業が出る」がJFW-JCの原点。それとともに展示会が継続することも重要。(松井)
・日本の産地は実力があるのに自信がない。JFW-JCはアジアの最高峰の見本市である、とのアピールをすべき。また、重要なポイントは「お客様の目線」「コラボレーション」「国際化」である。(間宮氏)
『ビエッラ・ザ・アート・オブ・エクセレンス財団』 (2009/11/17)
ハイエンド市場での地位堅持へ
ビエッラ・ザ・アート・オブ・エクセレンス財団とピエモンテ州、イタリア貿易振興会は11日、セミナー「ビエッラの創造性—メードイン・イタリー成功の源」を都内で開催しました。
同財団は2003年に地域商標として「ビエッラ・ザ・アート・オブ・エクセレンス」を設け、ビエッラ製品の普及と振興を進めています。原産地証明や企業倫理、品質、創造性、プロモーションなどにより、ハイエンド市場でのポジションを守ることを目標にしています。イタリア・ビエッラ産地は、繊維企業が2,000社あり、1万7,000人を雇用、40億ユーロの売上高を上げています。同財団の参加企業は産地のトップ企業30社です。
同財団のマルコ・デッラ・クローチェ副会長は、「金融危機の後は、実体経済への回帰が必要だ」と述べ、消費者はブランドだけでなく、本質的な価値パフォーマンスの有無を重視すると指摘。「繊維アーカイブを活用して、歴史的背景のある時代を超えた製品を今後も打ち出したい」としています。
市場では現在、ファストファッションや期中企画期中生産の商品が席巻していますが、「本質的なバリューを生み出せる企業は売上高を伸ばせる。不況のときこそ打開のために、積極的に投資する勇気が必要だ」と、クローチェ副会長は強調しています。
また、同財団の「ビエッラ・ザ・アート・オブ・エクセレンス・アワード2009」を伊勢丹が授賞。表彰式は11日、東京六本木の六本木ヒルズ森タワーで行われました。同賞は今回で第3回目です。
同社の授賞理由について、同財団は「伊勢丹はビエッラ製品の良さをいち早く認めた日本におけるショーウィンドー的な存在で、イタリア素材や仕立ての良さを愛する文化とテーストを生み出し、メードイン・イタリアならではの革新的な姿勢を広めた」と説明しています。
同アワードは「ビエッラの繊維製品に格別の厚情を示し、一過性の流行を超えた最上級のアパレル製品として、ハイエンド市場での上質な製品を愛する嗜好と文化を広く伝播させている小売業界全体への感謝を表する意味も込めている」としています。第1回アワードは2007年にニューヨークでオスカー・デ・ラ・レンタ、2回目は昨年香港でレーン・クロフォードとスワンク・ショップが授賞しました。
『intertextile上海(中国国際紡織面料及輔料博覧会)』 (2009/10/27)
21日10:30-11:15
トレンドセミナー
22日16:00
プロモーションコーナーでのプレスブリーフィング
「intertextile上海(中国国際紡織面料及輔料博覧会)」が、10月20日から4日間、上海新国際博覧中心で開催されました。展示面積は前回と同じ11万5000平方米で21カ国から、2,400社以上が参加しました。日本は昨年に続きW2ホールに「Creative Japan」を設置し、38小間と138平方米の日本展庁を設けました。この中に「JFW-JC in 上海」が8社20小間の規模で参加し、日本のテキスタイルトレンドをプロモーションしました。この展示会の特徴の一つは、テキスタイルを基幹産業とする国々が、独自のパビリオンを構え、自国のテキスタイルトレンドを発信していることです。世界のトレンドが一同に見ることのできる展示会はこの展示会のほかにないでしょう。主催者のプログラムしたセミナーも、イタリアをはじめとする各国のトレンドセミナーが構成されています。今回は日本を代表し、2010Autumn/WinterトレンドセミナーをJFWジャパン・クリエーショントレンド委員長の井上佐知子氏が講演しました。JFW-JC2010トレンドに合わせ、日本の素材&品質を紹介しました。Intertextile主催者からの報告によると、各国のトレンドの中でも今回は、日本、イタリア、台湾の評価が高く来場者の注目が集まったとのことでした。
JFWジャパン・クリエーションでは、会期中に中国メディア、欧米メディアに向け、日本の素材をプロモーションする記者会見を実施し約20のメディアが参加しました。JFW-JCプロモーションコーナーでは、感性、技術ともに優れたデザイナーコラボレーションの製品が注目を浴びました。同コーナーへは4日間で約3,500名が来場しました。
『新人デザイナーファッション大賞最終審査会が開かれました』 (2009/10/26)
今年で26回目を迎える「2009 新人デザイナーファッション大賞」(主催:日本ファッション・ウィーク推進機構、共催:東京都)の最終審査会が24日、東京・六本木の東京ミッドタウンで開かれました。今回は世界51カ国から1万2300点のデザインが寄せられ、1次審査を通過した29点がショー形式で発表されました。
審査の結果、大賞はウィメンズウェア部門の糀泰佑さん(杉野服飾大学)が、部門優秀賞はメンズウェア部門から船戸大揮さん(エスモードジャポン東京校)、ウィメンズウェア部門から大貫洋平さん(フリーランス)が選ばれました。このほか秀作賞は5人が受賞しました。
『JFW DESIGNER’S EXHIBITION & LUXE by PLUG IN』 (2009/10/26)
「ライフスタイル提案がパワーアップ」
Japan Fashion Week in Tokyo期間中には、東京コレクション会場であるミッドタウンから徒歩5分のベルサ—レ六本木にて、JFWデザイナー合同展とLUXE by PLUG INの合同展示会が開催されました。従来のアパレルに加え、今回は靴やバッグの革製品も充実。また新設された「ライフデザインゾーン」にはアロマグッズ、タオル等のホームプロダクツ、コスメ、インテリア雑貨、自転車と幅広い製品の展示となり、ライフスタイル型を標榜する小売店への提案力を増したものとなりました。
『Happy Anniversary SNOOPY!!』 (2009/10/26) 「有名デザイナーの衣裳でドレスアップしたスヌーピー」
スヌーピーで有名なコミックが2010年に60周年を迎えるということで、先日開催されたJapan Fashion Week in Tokyoで、スペシャルイベントHappy Anniversary SNOOPY!!展が催されました。会場ではJFW参加ブランドのG.V.G.V.がデザインしたオリジナル衣裳の他、シャネルやジバンシー、ドルチェ&ガッバーナなど世界の著名ブランドが手掛けた衣裳を身にまとい、ガラスケースの中で3頭身のボティがやや恥ずかしげな印象ですが、おすまししたスヌーピーがお披露目されました。
『JFW-JC2010A/Wを終えて』 (2009/10/14)
10月の開催は昨年からで、予想だにしなかった台風の直撃に、一時はどうなるものかと心配されましたが、2日目も午後から天候が回復し、最終日には終了時間を延長するほどの賑わいとなりました。かつてに比べれば出展数は少なくなっていますが、コンセプトが変わり、出展企業のレベルはかなり高くなったと思います。何とかしてお客様に来てもらいたい、という意気込みが回を重ねるごとに強くなっています。また、今回はJFWの事業間連携をプログラムに盛り込むことが新機軸となりましたが、この連携事業は意義がありました。なかでもテキスタイルだけの評価だった「テキスタイル・コンテスト」が、アパレルとして作品化されるようになった「Best of TA・KU・MI」も、JFW-JCの新しさを物語っています。今後については、やるべき課題がありますが、まずはJFWが大同団結したように、JFW-JCも素材産業が結集して、さらに魅力あるものにしていきたい、と念じています。
JFWジャパン・クリエーション運営委員長 貝原 良治
『JFW推進機構の記者会見 馬場理事長と貝原運営委員長が語る現状と今後』 (2009/09/17)
日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW推進機構)が9日に開いた記者会見で馬場彰理事長は、同機構の現況と今後の活動について次のように語りました。
「ファッションは景気に左右されない文化ですが、今回のリセッションでは大きな波をかぶりました。それだけにJFWは“元気”をアピールすべきであり、活動内容もB to Bだけでなく、B to Cにも広げ、ファッションに関連する幅広い催しの受け皿としての基盤が整ってきました。これまでもJFWの活動は、さまざまな形でインパクトを与え、そのことが今回の参加申し込みの増加につながっています。日本のファッションを世界にアピールしていくJFWの活動を今後も大切に育てていく所存です」
また、JFWジャパン・クリエーション運営委員会の貝原良治委員長は、10月7日から9日まで開催される「JFWジャパン・クリエーション2010A/W」について次のように述べました。
「このところの景気低迷によって(繊維ファッション業界における)モノづくりにも大きな打撃を与えています。そうしたなか10月開催の2010A/W展では、皆様のご尽力によって昨年を上回る出展数となりました。日本のファッションを素材でサポートするJFW-JCは意義のある見本市だと自負しています。今後もアパレル並びに小売店にしっかりアピールしていける内容に心がけてまいります」
『パリの服地展が相次ぎ開催 不況の中、チャイナマネーに脚光』 (2009/09/17)
テックスワールド(TW)が14日から17日まで、プルミエール・ヴィジョン(PV)が15日から18日までパリで開催されました。
PVには31カ国から、682社が出展しました。最も多いのはイタリアの328社、次いでフランスが89社、トルコ44社、イギリスとスペインが32社ずつ、日本27社、ポルトガル25社と続きます。東アジアからは韓国20社、台湾7社、中国3社、タイと香港が1社ずつでした。
PVは今回、会場レイアウトを変更。各タイプ別エリアは、入り口から軽衣料の出展者、次いで重衣料と順番に目にすることになりました。4つのタイプエリアも、場所を変更し、出展者のサンプルを紹介する各フォーラムは各ホールの外周に設けられました。
また、出展者の優れたテキスタイルを表彰するPVアワードを創設したり、エコ素材とメンズの出展者に焦点を当てて紹介する資料を作ったりと、大きくテコ入れしています。
ジェネラルフォーラムには天井に大きな心臓のモニュメントを吊るし、心臓音まで響かせて、来場者の注意を引いていました。これは心臓から身体全体へ新鮮な血液が供給されて初めて生命を維持できるように、ファッション業界もクリエイティブ性溢れる素材が供給される必要性を訴えるものです。
カラーではマットとブライトの2タイプの黒が提案され、注目色の一つです。同色のイメージを喚起するために、大きなタイヤがテーブル代わりに活用されていました。また、会場の各所にいつも配置される花の代わりに、今回はトマトなどの野菜やハーブが植えられていました。
素材では、バルキータイプの提案が久々に増加したのが大きな特徴です。複合などで、軽量・ソフトに進化しています。
一方、TWの出展企業は29カ国から763社。中国や台湾を筆頭にアジアからの出展が多いのが特徴で、最も多い中国は278社に上りました。次いで韓国の90社、台湾とトルコが共に75社ずつ、インドが74社、香港45社、タイ32社、パキスタン31社と続きます。日本からは9社・団体でした。
リーマンショックから1年が経過した今も欧米が不況を脱せない中で、発展著しい中国の購買力はとくに注目度が高く、ブランドや繊維企業のM &Aを含め、存在感を急速に増していました。
『JFW-JC2010A/W トレンド&インデックスコーナー素材編集レポート』 (2009/09/02)
『トレンド&インデックスコーナーへの展示準備進行中/井上トレンド委員長の所感』
来月に迫ったJFW-JC2010A/Wに向けて、各段階での準備作業も慌ただしさを増しています。8月30・31日には、トレンド&インデックスコーナーに応募のあった150社1450点、エコ・テキスタイルコーナーに寄せられた42社266点の応募の中から、会場に展示する素材、ガイドブックに掲載する素材の編集作業が行われました。
今回集まった素材傾向と、これからのJFW-JCに関して、井上佐知子トレンド委員長は次のように述べています。
『私がJFW-JCのトレンドに携わるようになって、3回目のA/Wになりますが、トレンド・カラーリングの先行発表に対して理解が深まり、寄せられる素材からは色や商品に対する思い入れを強く感じるようになりました。以前より、各テーマへの応募数に偏りがなく、バランスが取れてきたというのも印象的です。
今回はトレンドでも、色が重要な要素になっていて、自然な心地良い透明感、香り漂う奥深い色合いに、ゴールド、エナメル、グロッシーなど艶感がプラスアルファされているのが特徴です。エコ・テキスタイルは、ピュアな感じのものと、化学的なものとに傾向が分かれました。
現在、繊維業界も厳しい状況下ではありますが、だからこそ地に足を着けつつも、前に出ていく強さを持って、時代と共に進化していくことが大切だと思います。出展者の方々には、何をプラスしていくべきか常に新たな強い思いを持つことを、そして来場者の方々には自社のポジショニングを再度意識してJFW-JCに臨んでいただけることを期待しています。』(井上トレンド委員長談)
毎回好評を得ているトレンド&インデックスコーナーのイメージですが、次回は「ナチュラルさとダイナミックさを意外な素材の組み合わせで表現する施工」になるということですので、展示商品と共にご期待ください。
トレンドテーマ&カラー
http://www.japancreation.com/2010aw/trend/
『JFW-IFF 前回上回る出展者数に』 (2009/07/29)
JFW-IFFが7月22日から25日まで、東京ビッグサイトで開催されました。20回目を迎えた今回の出展者数は807社で、前回の09年1月展(736社)、前々回の08年7月展(793社)を上回りました。
このうち、海外からは欧州や中国、インド、タイなどから134社が出展しました。特に今回はインド企業が44社と過去最高の出展数となりました。不況の影響で、欧州での展示会は総じて出展者・来場者共に2〜3割減少していると言われており、日本市場への期待感の高さが伺われます。
また、会場アトリウムでは、新興デザイナーブランドで構成する「クリエーターズビレッジ」をはじめ、日本ファッション・ウィーク推進機構の「新人ファッションデザイナーブース」、服飾系専門学校の作品展「スクールコーナー」が設けられた。
『繊維ファッション産学交流会議が開かれる』 (2009/07/15)
JFWジャパン・クリエーションも参加している繊維ファッション産学協議会の「繊維ファッション産学交流会議」が9日、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷で開かれました。産業界と教育界の交流を深める目的で開かれる同会議は、今回が16回目を迎え、基調講演とシンポジウムに多くの産学関係者が訪れました。
「産学で日本の魅力を発揮する」をテーマにした今年は、新進デザイナーとして注目されるmatohuの堀畑裕之、関口真希子両氏が「日本の美意識と新しいクリエーション」についての講演を、このあと行なわれたシンポジウムでは、テキスタイル・デザイナーの梶原加奈子氏、カイハラ産業執行役員業務管理室長の宮澤清人氏、ワールドストアパートナーズ人事部長の井上康仁氏が「日本の魅力を発揮するには…」をテーマに意見を交わしました。
堀畑氏は、ファストファッションが注目される状況について「低価格と高額品の2極化と言われるが、それだけでなく『着る人が心豊かになる価値』が台頭しつつある」と語りました。またシンポジウムでは、人材育成の中で「テキスタイル(素材)に関する知識や技術を修得する機会を増やしてほしい」との要望が出されました。
『JFW-JC 2010 Spring/Summer アンケート結果報告 』 (2009/06/24)
JFW-JCでは、2010S/S展について、来場者及び出展各社を対象にアンケート調査を実施しました。ようやくその集計が出ましたので、来場者の意見等を中心に主だったものを報告させていただきます。
◆ 来場者の業種別分類ではアパレルメーカー、企画会社の合計が73%と最も多いものの、百貨店、量販店、専門店の合計(11%)が、これまで多数を占めた商社、生地卸商の合計(6%)を上回っています。アパレルメーカーと小売企業の増加は今回の特徴の一つともなっています。
取り扱い品目ではレディスが39%、メンズ20%、アクセサリー11%、キッズ8%、スポーツ、インナー、インテリア、ユニフォームと続きます。数字からも分かるようにメンズとアクセサリーが目立ちます。これとともに、「ボタンやレースなどの付属」「合皮・付属関連」「裏地を含む付属の企業」「ファスナー、金具等のアクセサリーパーツやワッペン、刺繍」など、副資材・服飾資材メーカーの出展増加を望む声も多く寄せられました。また「日本を代表する帝人、クラレといった一次メーカーの出展」「過去に出展していない地方の中小企業」の出展を望む声もあがっています。
◆ プロモーションゾーン、ビジネステキスタイルゾーン区分への意見も多く寄せられました。総じて来場者からは意図や意味が曖昧だとする意見が多かったようですが、出展者サイドがなぜビジネステキスタイルゾーンを必要としているかには「小さい企業なので2〜3組しか対応できない」「じっくり見てもらえる」などの理由があげられています。会場内のゾーン区分に関しては上記以外にも素材、コンバーター、紡績、メーカー、アクセサリー、フェアトレード、ECOなど様々なカテゴリー名があがっています。今後は来場者、出展者双方の意見を考慮し対応していくことが重要と考えています。
◆ 興味を持たれたブースでは、2位以下に大きく差をつけた大正紡「夢工房」が1位です。その理由としては、「楽しさと明るさが伝わってきた。ファッションをライフスタイルとして捉えているところ。迫力があり充実していた」などがあげられています。2位のスワロフスキー・ジャパンは「グループ展示によって使用方法の広がりが判った」点が評価されました。3位以下は、久山染工、宇仁繊維、協和レース、イノクチ・ファッション・アート、しょうざん、広撚、モンドです。少数意見としてその他にも様々な企業があがっていますが、「そのブースに対して即座に、扱う商材の特徴が連想できる企業」というのが、共通事項となっています。しかしながら、来場者の多くは出展者の熱意・意欲といったものを強くし意識し、それが製品以外の取引判断材料の一つにもなっているということもアンケートから伺えました。
アンケート全体を通して言えることですが、主催者・運営についてまで深く真剣に考えていただけている、と判る意見が多数寄せられ、見本市は運営側と出展者・来場者のパートナーシップによって成り立っているということをあらためて強く実感させられました。ご協力いただいた方々に深く感謝するとともに、ご意見を真摯に受け止め取り組んでいきたいと思います。
『デニム・バイ・PV』 (2009/06/17)
−日本企業2社とも盛況−
クロキ
「デニム・バイ・プルミエール・ヴィジョン」2010秋冬展が3日と4日の両日、パリ・サンドニのレ・ドックで開催されました。日本から出展したのはコレクトとクロキの2社だけでしたが、両社ともに群を抜いており、ブースには数多くの来場者がみられました。クロキは契約高も前回を少し上回ったとしています。
出展企業は昨年の6月展に比べ13%増え、12カ国から68社。国別ではイタリアの17社がトップで、チュニジアとトルコがそれぞれ14社、モロッコ7社、スペイン5社と続き、地中海沿岸諸国が存在感を発揮していました。
会期中、日本企業の2社に限らず、来場者の多いブースと少ないブースが目立ちました。人気のブースは総じて、展示方法においてもセンスが評価されたようです。
コレクト
中国企業も出展し、盛況
『JFW-JC2010S/Sを終えて』 (2009/04/15)
不況の影響でヨーロッパなどの見本市が低調に終わる中、JFW-JC2010S/Sは活気に満ちた会期を終えることが出来ました。この要因は、染色クリエーション・ヴィレッジやクリエーターズ・ヴィレッジ、エコ・テキスタイル/デザイナー・コラボレーションなどの新企画をはじめ、フォーラムの刷新などが奏効したものと判断しておりますが、それにも勝って出展していただいた企業の多くが、自信をもって製品をアピールしていただいたことが最大の要因となりました。
また、今回はアパレルや小売業からたくさんのデザイナーやバイヤーの方々に来ていただき、これも会場に活気をもたらす要因となりました。お陰様で、出展ならびに来場された多くの方から「これまで以上に良くなった」との評価をいただきましたが、これも皆様のご協力をいただき、それがステップ・アップにつながったものと受けとめています。関係された皆様のご尽力に厚く御礼を申し上げます。
次回のJFW-JC2010A/Wでは、さらに幅の広い提案を集積できるものと確信しておりますが、出展者ならびに来場者の皆様方のご意見を反映させ、さらに充実したJFW-JCに発展させていく所存です。つきましてはご意見、ご提案がありましたら、是非とも事務局にお寄せください。今後も引き続き、ご協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
JFWジャパン・クリエーション
運営委員長 貝原 良治
JFW-JC事務局 info@japancreation.com
『JFW-JC2010S/S 記者会見レポート』 (2009/04/15)
−JFW-JC2010S/Sの来場者数、前年を上回る−
JFWジャパン・クリエーションは10日に閉幕しましたが、来場者数は3日間で2万1041人に達し、前年(2万885人)を上回る内容となりました。ヨーロッパのテキスタイル見本市では不況の影響で、出展者数、入場者数がともに減少しているだけに、いずれもが昨年実績を上回ったJFW-JC2010S/Sは、繊維・ファッション業界におけるJFW-JCへの期待の大きさを裏付ける形になりました。来場者の内訳では、アパレル企業や小売企業、商社・問屋の来場者が増加し、海外からの来場者は、韓国、中国、ドイツ、台湾などが上位を占めました。
来場者数一覧
http://www.japancreation.com/2010ss/news/
−記者会見 国際化に向けて競争力を強化−
JFW-JCは10日の記者会見で、今年度の国際化推進活動計画を発表しました。「インターテキスタイル上海」や「インターストッフ・アジア・エッセンシャル」などにおける、JFW-JCブースへの出展者と来場者の誘致を促進するため、
1)JFW-JCのトレンドコーナーを海外でも積極的にアピールする
2)多種多様な日本の固有技術を柱にしたコンテンツを海外に発信する
3)JFW-JCの英文のメールマガジンやプレスリリース、リーフレットなどを発行する
…などプロモーションの強化を検討していく意向です。また、10月に開催される「インターテキスタイル上海」では、ジャパン・パビリオンの中に、選りすぐりの企業を集積した「ジャパン・クオリティ・イン・上海」ブースを開設する計画です。
『Shinmai Creatorも参加したリュクス・バイ・プラグイン』 (2009/03/31)
「mifrel」のブースより
第8回東京発 日本ファッション・ウィーク(JFW)期間中は、東京コレクションの他にもファッションデザインシンポジウム、ジャパン・ベストニット・セレクション、合同展示会ホワイトなど様々な関連イベントが行われましたが、その中の一つ繊研新聞社主催の「リュクス・バイ・プラグイン」には、JFW推進機構が催す「シンマイ・クリエーターズ・プロジェクト」に選出された5ブランドを含めた89社が参加しました。
東京コレクション開催中のミッドタウン、Bホール会場での展示のため、プレス、報道関係の来場者が多かったがバイヤーは少なめ、継続により結果がついてくるのではないかという出展者の声も聞こえました。
『Interstoff ASIA essential Spring 2009』 (2009/03/25)
2009年、不穏な経済状況下にありながら高品質繊維の認識と需要が引き続き高まっています。その中、香港で最新のファブリックの展示の場を提供するインターストッフ・アジア・エッセンシャルが2009年3月18日〜20日、香港コンベンション&エキシビション・センターで開催されました。
今春のフェアには、国際的最先端の持続可能なデザインが多数登場しました。
今回のIAE Spring 2009の入場者数は約7000名(国別 で42ヶ国)
入場者数の多い国はTOPの順から:
Hong Kong
China
Taiwan
United States
Indonesia
Australia
South Korea
India
Japan
Thailandand
出展者数は163:
国別で:
China, France, Hong Kong, Italy, Japan, Korea,Macau, Netherlands, Pakistan, Singapore, Taiwan, Thailand, United Kingdom, the USA.
主な出展者は以下のとおり(一部)。
A&A、Akko、BASF、Cotton Inc.、Ishinco、Fabrix Plus、Flourish Textiles、GCC Group、JFWジャパン・クリエーション、K and F、Mozartex、Samsung Fashion & Textiles、Sapphire Textile Mills、Silk Tech、Taiyo-Sen-I、Teijin、Union Knopf、Wellen、Yuen Hing Cottonなど。
日本の出展者は以下の通り。
一心行㈱、ジョイント尾州、京セラ㈱、太陽繊維㈱、帝人ファイバー㈱
日本の出展企業はFine Japan Galleryとして、今回の展示会の主力出展企業として紹介され、バイヤーからも注目を集めました。
■アジアのトップバイヤー協会の来場
また、今回のショーにはカジュアルウェア、スポーツウェア、スイミングウェア、アンダーウェア、メンズ・レディースファッションにおける中国のトップ衣料ブランドのバイヤーも招待されました。
招待された主なバイヤー団体は以下のとおり。
ベトナム−the Association of Garment-Textile-Embroidery-Knitting(服飾・繊維・刺繍・編物協会)、インド−Apparel Export Promotion Council(アパレル輸出振興会)、バングラデシュ−バングラデシュ縫製品製造輸出業者協会。
トップの製造業者から高品質繊維の調達ができるだけでなく、インターストッフ・アジア・エッセンシャル春では、持続可能性と環境を題材にした情報豊富な様々なセミナーが開催されました。エコ繊維フォーラムのほかに、2010年春夏の繊維トレンドについて紹介するトレンドフォーラムが開催されました。
■香港のトップデザイナーを紹介するDesigner’s Corner
Hong Kong Fashion Designers Associationのトップデザイナーを紹介する、デザイナーコーナーでは、個性あふれる若手デザイナーのガーメントが展示され、プロフィールが紹介されました。
参加デザイナー
Wines Chan(Winzchan Design)、Barney Cheng(Yenrabi Ltd.)、Bonita Cheung(Tassels Ltd.)、Meiyi Cheung(Paragon Design Ltd.)、Michael Lau(Darkwater Denim Company Ltd.)、Florence Tang(Lbiza Company)、Lucy Sih(NoahArt Ltd.)、Kevin Yeung(Gobelins Company Limited)
■JFWジャパン・クリエーション(JFW-JC)ブース
JFW-JCブースでは、アジアの有力バイヤー誘致を目的に、この展示会で「2010Spring/Summer」 のトレンドプレヴューを行いました。36平方メートルのコーナーに、JFW-JC2010S/S出展社の素材を、4つのシーズンテーマ「Innocent Temptation(無邪気な誘惑)」「Waltz for Debby -Drifting Timbre- (Waltz for Debby−漂う音色‐)」「Continent of Vibrancy(情熱大陸)」「In the Mood for >> ING(今日気分・ING)」と、エコ・テキスタイルのテーマで約200点を展示し、プロモーションしました。
ブースには約2000名の来場者があり、完成度の高い日本の素材は注目を浴び、それを一堂に会した展示会「JFW JAPAN CREATION」の認知度も高まりました。JFW-JCブースの来場者は、海外に本拠を持つSPAアパレルの香港支店のバイヤーが中心。特に主催者が力を入れプロモーションする“エコ素材”に興味を持つバイヤーやマスコミ関係者が多数来場しました。(JFW-JCに興味のあるバイヤーにはバイヤー登録をお願いしました。)
JFWジャパン・クリエーションへのバイヤー登録者は以下のとおり
3月18日 香港172名、中国40名、その他34名(台湾、韓国、USA、タイ、フランス、ドイツ他)
3月19日 香港201名、中国38名、その他32名(台湾、韓国、USA、インド、フランス、イタリア他)
3月20日 香港151名、中国15名、その他7名(台湾、韓国、USA他)
3日間合計 690名
主なバイヤー登録者は以下の通り(一部)
Ann Taylor, BCBG Maxaria Group, Burberry, bossini, Carole Hochman Design Group HK, COACH, Christian Dior, Columbia Sportswear Company, Diesel, Donna Karan New York, Etam, Evisu, Gap Inc., Hanes, Guy Laroche Paris, H&M, LAFAYETTE148 NEW YORK, Laura Ashley, Levi Strauss&Co., Macys,
Marc O’Poro, Manhattan beachwear LLC, Nike International Ltd., Polo Ralph Lauren, Underarmour, VIVIANE TAM, Wal-mart, World Cat Ltd.
『第8回東京発 日本ファッション・ウィーク(JFW)ニュース』 (2009/03/24)
『日本の匠と新進クリエーターの出会いSHINMAI Creator's Collection』
第8回東京発 日本ファッション・ウィーク(JFW in TOKYO)が23日から始まりました。同事業の一環として、昨年の春から取り組みがスタートとしたのがシンマイ クリエーターズ プロジェクトです。世界17ヵ国34校より、総勢52組の応募から最終選出されたのが日本人2名を含む5ブランドです。このうち4ブランドは昨年10月のJFW-JC2010A/W展に来場し、コレクションのための素材を選びました。
そしてJFW in TOKYOの初日、ようやく、40社以上にのぼる素材協力企業による、優れた日本の素材を用いたSHINMAI Creator's Collectionが披露されました。冒頭、ステージにはロボットが登場し、ショーの開始を宣言するという意外な演出も注目されました。
第1回SHINMAI Creator's Collection参加ブランド <NIMA>
中世にインスピレーションを得たコレクションは、シャンブレー・ジャカードやサテンなど、軽やかで豪華な素材と、袖口や衿もとに施したギャザーやリボンなどで女性の美しさのワイルドな面を引き出し、上品なパワーを表現。
<donna sgro>
Octopus's Gardenと題し、深海の世界に生息する生物の色や形の変化から着想したデザインを披露。色の閃光や光の屈折、液体のようなぬめり感をコーティング素材や半透明のメッシュ素材で表現。ユニークでガーリッシュなスタイルを提案。
<aéthéré(e)>
リリン・ヴィライザンヌとアドリアン・エスカラヴァージュの二人から成るブランド。シンプルな形、縫い目のない袖はキモノからの発想。制服を思わせるジャケットがバッグに変わるなど、ルールと変容を表現した。
<SHIDA TATSUYA>
パイルやニット、布はく、ファーなど様々な素材と色をミックス。巻き物か着るものかが判然としないボリュームフォルム。カラフルで実験的なコレクション。
<SACHIO KAWASAKI>
Steve ReichのMusic for 18 Musiciansがインスピレーション源。曲中で終始繰り返される音の波動のビジュアル化を試みた。フォルムと生地、線描プリントのバランスが良く考えられたコレクション。
◇JFW公式ホームページSHINMAI Creator's Project
http://www.jfw.jp/jp/shinmai/
◇第2回SHINMAI Creator's Project 公募概要と問い合わせ先
http://jfw-o.jp/
『JFW-JC2010S/S トレンド・コーナー編集レポート』 (2009/03/10)
『目立つグリーンファッションと各社のオリジナリティ』
JFW-JC2010S/Sがいよいよ来月に迫り、各段階の準備も着々と進んでいます。2月27日には、トレンド・コーナーに展示される素材のテーマ別分類作業が行われ、ガイドブック作成のための撮影や、Interstoff Asia Essential展でのプロモーションへ向けての荷造りなどへと続いていきます。
今回のトレンド・インデックスコーナーには、61社から829点の素材が寄せられましたが、井上佐知子トレンド委員長は、その傾向に関して次のように述べています。
「エコの括りも浸透し、天然100%だけでなく、繊維段階でのミックスや染料の工夫など、レベルアップしています。エコでファッションをリードするのは難しいことですが、心地良い生き方を実現するための進化が見えるようになってきています。秋冬とはまた表情の違うエコに注目し、上手く使いこなしていって欲しいです。
また、機屋の個性・特性が以前よりもはっきりと表れてきていることも特徴的です。そういったトレンドの奥にあるオリジナリティを伝えていくことができるトレンド・コーナーを作っていきたいと思っています。展示方法も毎回工夫。今回は白いキューブをイメージしたギャラリー風で、新しい陳列方法も考えていますので、それも楽しみにしていてください。」
2010SSトレンドページへ
http://www.japancreation.com/2010ss/trend/
『JWFの21年度事業が発表されました』 (2009/02/24)
有限責任中間法人日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW推進機構)は19日、第4回理事会を開催し、平成21年度の事業計画を審議、決定しました。
また同機構では、各事業間の連携を促進し、繊維・ファッション情報発信のプラットフォーム機能を強化していく方針です。今後の主な事業は次の通りです。
◇第8回「東京発 日本ファッション・ウィーク(JFW in TOKYO)」を3月23日〜29日に、東京ミッドタウンと原宿クエストホールを主会場に開催します。
東京コレクション・ウィークには39メゾン・39ブランドが参加します。
また、SHINMAI Creator's Projectのショーは23日、JFW合同展示会(7メゾン・7ブランド)は24〜26日、それぞれ東京ミッドタウンで開かれます。
◇第2回SHINMAI Creator's Projectの応募受付は、2月20日から開始しています。
詳細はSHINMAI Creator's ProjectのHPを参照してください。
http://jfw-o.jp/shinmai/
◇第9回JFW in TOKYO(2009年10月19日〜25日 東京ミッドタウンほか)
◇新人デザイナーファッション大賞最終審査会(10月24日 東京ミッドタウン)
◇第10回JFW in TOKYO(2010年3月22日〜28日 東京ミッドタウンほか)
◇JFWジャパン・クリエーション(JFW-JC)2010S/Sは、4月8日〜10日、東京ビッグサイトで開催します。
◇JFW-JC2010A/W(10月7日〜9日 東京ビッグサイト)
◇JFWインターナショナル・ファッション・フェア(JFW-IFF)7月展(7月22日〜24日 東京ビッグサイト)
◇JFW-IFF1月展(2010年1月13日〜15日 東京ビッグサイト)
JFWホームページ
http://www.jfw.jp/
『TEXTILE SPIRITの「アーカイブとデザイン展」が開かれました』 (2009/02/24)
日本のファッション・クリエーションを底上げするために検討されている繊維アーカイブの関連事業となる「アーカイブとデザイン展」(主催:中小企業基盤整備機構)が11〜12日、東京・青山のスパイラルホールで開催されました。
繊維アーカイブは、各地に散在するテキスタイル資料を整備し、製品開発のときに活用しやすくするよう、同機構が一昨年から調査・研究しているもので、昨秋から「テキスタイル・スピリット〜原点との再会」と銘打った、新人クリエイターと繊維産地のワークショップが行なわれてきました。同展は、この成果を発表したもので、新人デザイナーのワークショップによる作品のほか、日本を代表するデザイナーの作品が展示されました。2日間と限られた会期にもかかわらず、来場数は671人に上りました。来場者からは「テキスタイルの製造工程を理解できた」「テキスタイルに直接触れられた」など評価が高く、短い開催期間を惜しむ声もありました。
同事業では、産地ツアーを今月16日と17日に実施。応募者から選出した10人の学生を尾州産地へ招き、工場見学を通して紡績工程や製織工程ほかを学びました。同展に参加したデザイナーは下記の通りです。
梶原加奈子氏(テキスタイルデザイナー)
須藤玲子氏(NUNOテキスタイルデザイナー)
皆川明氏(ミナペルホネンデザイナー)
皆川魔鬼子氏(イッセイミヤケ取締役企画技術ディレクター)
宮本英治氏(みやしん代表取締役、文化ファッション大学院大学教授)
次世代へ技術を継承する狙いで実施したワークショップでの作品ほかを展示
『パリの服地展 価格で難航も、まずまずの出足』 (2009/02/10)
テックスワールド
「テックスワールド(TW)」が9日、「プルミエール・ヴィジョン(PV)」が10日に開幕しました。出展者数は両展とも減少し、TWは前回の900社から650社に、PVは同700社から684社へ縮小。来場者の減少が懸念されていましたが、出足はまずまずでした。
会場内では「真剣にビジネスを成功させたいと思っているバイヤーが多い」といった声もあり、熱のこもった商談が繰り広げられていました。ただ、日本や中国といったアジアからの来場者は、先週にイタリアで開かれた「ミラノ・ウニカ」と同じく、
大幅に減っている模様です。欧州域内では、英国向けの落ち込みが目立ちました。
トップブランドといえども、初めから生地値を設定して商談にはいる傾向が顕著で、価格面で契約が難航するケースが目立ちました。不況の影響が色濃くなる中、出展企業によって価格対応に違いが出ています。価格を維持して高級ゾーンに的を絞る企業もあれば、低価格路線で新規顧客の開拓に取り込む企業もありました。
日本企業ではセカンドラインに力を入れる傾向が見られました。このほか、価格ありきの顧客を切り捨て、取引先を絞り込む動きも加速しています。円高の影響を理解してくれるところにまとを絞り、素材力だけでなく、在庫リスクを抱えるストック販売などのサービス力で、対抗策を模索する動きが見られました。
プルミエール・ヴィジョン(1)
プルミエール・ヴィジョン(2)
『「ミラノ・ウニカ」開幕 新たな会場構成で来場者に魅せる』 (2009/02/04)
新たに追加された「HITS」エリア。
ここで各社のサンプルをじっくり見ることができます。
イタリアの合同テキスタイル展「第8回ミラノ・ウニカ(MU)」が3日、ミラノ市内のフィエラミラノシティ・ポルッテッロで開幕しました。イタリア繊維業界に直撃する不況の波とともに天候不順が重なり、会場内は閑散とした出足でしたが、少しずつ各ブースでの商談は熱気を帯びつつあります。
出展者は前年同期実績の659社から543社に減少。会場の総面積も5000平方メートル減り、2万2000平方メートルと不況の影響が如実に出ています。出展者の内訳はイタリア国内の430社(前年同期551社)をはじめ、フランス、スペイン、英国、ドイツ、ポルトガルの順で113社(同148社)。クラレ・ヨーロッパやYKKイタリアS.P.Aなどの現地日系企業も参加しています。
ミラノ・ウニカは「イデア・ビエッラ」「イデアコモ」「モーダ・イン」「プラート・エキスポ」「シャツ・アヴェニュー」の5つの合同展ですが、今回はレディース部門が、見本市を構成する各展示会同士の区別を行わず、完全に一つに統合。発進力を強化しています。
また、MUは3日、パオロ・ゼニア氏が会長を辞任し、新たに会長として「イデア・ビエッラ」会長のピエル・ルイジ・ロロ・ピアーナ氏が、運営代理権を持つ副会長に「モーダ・イン」会長のアルベルト・イエルミーニ氏が就任することを発表しました。
ゼニア前会長は経済危機について「始まったとき限定的だと思っていたが、世界的な危機になった」と述べ、実経済にも影響が及び「心理的なインパクトが大きく、消費の冷え込みはしばらく続き、回復を望めない」と懸念を示しています。とくに繊維業界は「雇用が多く、国内経済にとっても重要な業界」として、雇用維持に対する政府への対応策を求める必要性を強調しました。
新たに会長になったロロ・ピアーナ氏も「イタリアの繊維産業を支える企業は中小企業が中心で、今後政府の柔軟な支援策が不可欠」と述べています。さらに「コスト削減は大事だが、若い人や技術者など人材面での投資はノウハウを継承していくためにも削減できない」ことから、公的支援の必要性を示しました。
会見に同席していた経済発展省のアドルフォ・ウルソ副大臣も両氏の発言を受けて、繊維業界だけでなく業界全体への景気刺激策として「今後3年で340億ユーロ(約5兆4400億円)の予算を組んでいる」と述べ、政府としても対応策を打ち出していることをアピールしていました。