『日本の「クール・ビス」が国連に波及』 (2008/08/27)
ロンドンやパリにおける真夏の平均気温は摂氏20度くらいで、東京でいえば5月くらいの陽気です。そんな国から生まれたビジネスウエア(スーツ)を、気温30度を超える日本で着ればどうなるのか…。かつて「省エネ・ルック」で半袖にしたスーツが発表され、このときは定着せずに終ってしまいましたが、“涼しいビジネスウエア”は日本のビジネスマンにとっての願望でした。
そこに現れた「クール・ビズ」は、エコへの対応もさることながら、酷暑にへきえきしていた日本のビジネスマンにとっては涼風となりました。オフィス街の通勤スタイルでネクタイを締めている人が少数派となるほどで、すっかり定着しています。
その「クール・ビズ」が、ことしは国連でも採用されているそうで、フランスの通信社AFPは、次のように伝えています。
「ニューヨークの国連(UN)本部で1日から、エアコンの使用を大幅に削減する省エネ対策『クール国連(Cool UN)』が導入された。潘基文(パン・キムン)国連事務総長の指示によるもので、1か月間、冷房の設定温度を22度から25度に引き上げる。また、週末には39階建てのビル全館で冷房が切られる。国連では、エネルギー費削減と気候変動対策を目指すCool
UN活動が円滑に進んだ場合、実施期間を通年に延長することもあり得るとしており、年間100万ドル(約1億700万円)のコスト削減と2800トンの二酸化炭素排出量削減といった成果を見込んでいる」
一方、ノーベル平和賞の受賞者で気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の議長をつとめるラジェンドラ・パチャウリ氏は、地球環境行動会議の講演で「技術的改善だけでなくライフスタイルの変化が不可欠。クール・ビズで日本はすばらしい手本を世界に示した」と述べています。
涼しいヨーロッパに「クール・ビズ」がどれだけ浸透するかは未知数ですが、注目したいのはヨーロッパの国々が「ウォーム・ビズ」に賛同するのかどうか…。 |