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INDEX[1]Premium Textile Japan 2019 Sprng/Summer-


INDEX[1]Premium Textile Japan 2019 Spring/Summer

   開催レポート - Part 2 -



5月9日~10日に東京国際フォーラムにて開催されましたPTJ2019SS開催レポートのPart 2をお届けします。



photo_Premium Textile Japan 2019 Spring/Summer開催レポート - Part 2 - 01

日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)主催の「Premium Textile Japan (PTJ)2019Spring/Summer」が5月9日~10日の会期を終えて無事閉幕いたしました。今回、ミラノ・ウニカ(MU)のエルコレ・ボット・ポアーラ会長が会場を視察されました。また、「Textile Workshop~日本の素材を学ぼう!~」も開かれました。


 

[会  期]

2018年5月9日(水)~10日(木)(10:00~18:30/18:00)

 

[会  場]

東京国際フォーラム ホールE-1

 

[主  催]

一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構

JFWテキスタイル事業運営委員会

 

[出展者数]

94件125.1小間(内 海外出展7社)

 

[来場者数]

5,987名(前年5,813名)



Part.2

 

・日本に期待する(エルコレ・ボット・ポアーラ ミラノ・ウニカ会長)
・「Textile Workshop~日本の素材を学ぼう!~」デニム/ニットファブリック
・今後の海外出展について

Part.1(配信済み  ⇒記事ページへ

 

・出展者の声 ~麻の提案増え、機能訴求も~

・来場者の声 ~差別化ニーズに応える~




■日本に期待する(エルコレ・ボット・ポアーラ ミラノ・ウニカ会長)

ミラノ・ウニカ(MU)のエルコレ・ボット・ポアーラ会長が10日、PTJ会場を視察しました。


photo_ミラノ・ウニカ(MU)エルコレ・ボット・ポアーラ会長

ボット・ポアーラ会長はPTJに出品された日本素材を見て「クリエーション力が高い。メード・イン・ジャパンにもっと誇りを持ってアピールすることが大事」と感想を述べました。MUでは「サステイナビリティ(持続可能性)とテクノロジー」を重要視していますが、「今後もこの方向性は変わらない。とくにサステイナビリティを強調していく」という考えを示しました。

メーカーは「商品や技術の説明といった従来の売り方だけではいけない。ストーリーテーリング。商品の後ろにある生産背景やサステイナビリティといった見えない価値をどう訴求していくか、が重要な時代」と指摘しました。

ボット・ポアーラ会長が経営するスーツ生地製造販売のレダ社ではフェイスブックでメリノ種羊の飼育から原毛選別、紡績、製織まで一貫生産し、環境保護などに取り組む姿勢を映像でアピールしています。「ストーリーや価値をデジタルの力を借りて消費者に伝えるデジタルトランスフォーメーション(ITによる業務の置き換え)を進めていくべき」と、より消費者に直接アプローチする手法を勧めました。

 

2月の「The Japan Observatory at Milano Unica 2019SS」には日本企業が34社・団体(460平方m)が出展しました。イタリアやフランスのラグジュアリーブランドなど多くのバイヤーが来場しました。ボット・ポアーラ会長は「日本の出展はMUにとって重要なポジションにある。ハイレベルで、新しい素材を作るクリエーション力に優れるからだ。加工も多様。日本が出展することでMUはより完成されたものになる」とコメントされました。

7月10日からは「The Japan Observatory at Milano Unica 2019AW」が始まります。MUが9月展から7月展に早期化されたことについては、「出展者、来場者の双方にいい結果が出ている。紳士だけでなく、婦人素材メーカーにも。世界の展示会は苦戦しており、ファッション・ウィークも短くなっている。展示会は同じことをしていてはいけない。来場者が新しい体験ができるような企画も現在検討している。今後も実験的なトライ&エラーを繰り返しながら、リスクをとってでも新しい試みに挑戦していく」と語りました。


photo_Premium Textile Japan 2018 Spring/Summer 開催レポート - Part 2 - 02



■「Textile Workshop~日本の素材を学ぼう!~」

     デニムと丸編み生地の背景を知る


PTJ第11回目からスタートした「Textile Workshop~日本の素材を学ぼう!~」。PTJでは商談だけでなく、さらに一歩踏み込んで、その素材が持つ背景も知ってもらおうと、このワークショップを開催しています。アパレル・服飾雑貨メーカー、小売り、デザイナーメゾンなどの若手社員(職歴5年未満)を対象に、日本の素材産地レクチャーを行い、日本製素材への認識を深めていただくものです。今回の素材テーマはデニム(備後産地)とニットファブリック(和歌山産地)。9日にはカイハラの貝原良治会長、10日には紀南莫大小工場の南方敏伸氏が講演されました。


< 構成 >

 

第1部

「日本の素材産地とは」

【講師】JFWテキスタイルコーディネーターの井上佐知子氏/久山真弓氏

 

第2部

「産地レクチャー」

 

9日

〔備後産地 デニム〕

【講師】カイハラ株式会社 代表取締役会長 貝原 良治 氏

 

10日

〔和歌山産地 ニット〕

【講師】有限会社紀南莫大小工場 取締役副社長 南方 敏伸 氏

 

第3部

「テキスタイル合同展示会 来場のノウハウ/Q&A」
【講師】JFWテキスタイル事業事務局


photo_Premium Textile Japan 2018 Spring/Summer  開催レポート - Part 2 - 03


□「日本の素材産地とは」 22の繊維産地の概略を説明


日本の素材産地として22の繊維産地の概略を紹介するとともに、春夏シーズンのため、とくに遠州、湖東、播州、備後、和歌山産地の生地幅、価格、ロット、納期、アップチャージなどついてもアンケート調査による情報を提供した。

遠州産地は綿織物を中心に綿/ポリエステル複合織物などのプレーンな布帛生地が6割、特産の別珍、コール天が4割を占める総合綿織物産地。生地幅は112~150cmで、1反が50m。価格はバルクで1000~1500円/mで、納期は45~60日です。

滋賀県の湖東産地は、麻の製織、染色、仕上げ加工に最適な多湿気候。これは琵琶湖がもたらす恩恵です。近江上布、近江ちぢみでも知られ、着尺、紳士・婦人服地のほか、近年は寝装・インテリア製品にも用途を広げています。生地幅は112cmが中心で、1反が50m。1000~1500円の価格で、納期は45~50日。アップチャージは500~3000円と様々です。

兵庫県の播州産地はシャツ・ブラウス用途を中心にした先染め織物産地。綿・麻、レーヨンや混紡糸を使い、ギンガムなどのチェック、ドビーやジャカードもあります。先染め綿織物の国内シェアは約7割を占めます。生地は112cm幅で、納期は60~70日、別注も可能。アップチャージは20%アップです。



□「産地レクチャー:備後産地 デニム」 ユーザーの声を開発に生かす

   【講師】カイハラ株式会社 代表取締役会長 貝原 良治 氏


「皆さんはデニムを何本お持ちですか」。カイハラの貝原良治会長はそう切り出しました。3900円から2万円、3万円と、ジーンズの価格帯は広がりました。ジーンズ市場は「国内のNBは苦戦。SPAの攻勢のほか、ジーンズショップだけでなくネットでも売られている」とチャネルの変化が著しい状況です。

備後産地は広島県の東部一帯(福山市、府中市)に集中しています。江戸時代は、藩主水野公の奨励で綿の栽培と縞木綿(しまもめん)の製織が盛んでした。備後絣(バッチ染色)は江戸時代の末、福山市芦田町に住む富田久三郎氏が考案。現在、同産地は綿デニムの5割以上のシェアを有します。

貝原会長はこの備後絣(バッチ染色)とデニム(ロープ染色)の違い、インディゴは酸化して初めてグリーンからブルーになるといった話題にも触れました。同社が糸から一貫生産する理由、水の大切さやメーカーの基準が決められている背景なども紹介しました。

同社は縫製工場の現場を見て回り、その要望を入れたモノ作りを進めています。「いかに縫製工場でロスが出ないかに腐心して開発。海外では社員が現地の人にプレゼンするのも、そこから次のヒントが出てくるから」と語っていました。


●参加者は
「常に新しいものを作るのが使命という話だった。デニムに興味が沸いた」「染めるという字がサンズイに九十八でできており、それだけ染色には水が重要という話が印象に残った」「時間があれば、二極化する市場での今後の戦略といった話も聞きたかった」と感想を述べていました。


●貝原会長は
「時間が短く、もっと話したかった。ジーンズメーカーのスペックがなぜ決められているか、その背景の説明をした。生地の剛軟度で裁断のしやすさ、生産性が変わる。世界との競走では価格面で負けるが、だからこそ新しい商品開発を進めていく」と、講演後に話しておられました。


photo_Premium Textile Japan 2018 Spring/Summer  開催レポート - Part 2 - 04

 

□「産地レクチャー:和歌山産地 ニットファブリック」 裏毛ブームで産地拡大

   【講師】有限会社紀南莫大小工場 取締役副社長 南方 敏伸 氏


ワークショップ2日目は、紀南莫大小工場の南方敏伸副社長と同社の井上拓也氏が登壇し、20人の受講者を前に、カットソーについて講義しました。

南方副社長は「和歌山ニットは今から110年ほど前の明治42年に、楠本藤楠(くすもと ふじくす)氏が、スイス製丸編み機5台を導入して事業を開始したのが始まり」と述べ、大正時代に紀州ネルの起毛加工方法を応用して発展したと産地を紹介しました。昭和56年の裏毛ブームで産地はさらに拡大しました。

また、日本のメリヤスの始まりは明治5年で、東京・本所の武家屋敷がメリヤス工場になったという歴史を紹介。メリヤスを「莫大小」と書きます。「莫」は「無い」という意味です。これは明治10年に上野公園で開かれた「第1回内国勧業博覧会」で、三条実美太政大臣がメリヤス商品を見て「大きくもなく、小さくもなく、良い」と、伸び縮みによるフィット感を褒めたことに始まったという説もあると話しました。

井上氏は自身が大学のテキスタイルコースで学びましたが、講義ではメリヤスの説明が少ないと述べ、糸の番手、撚り、混紡と交撚の違いから、シングルニットとダブルニット、インチとゲージの意味、染色加工工程を丁寧に説明しました。


●参加者は
「資料が充実していた。仕入先の会社だったが、勉強になった」「基礎的なことをレクチャーしていただいた。メリヤスの知識が少なかったので役立てたい」と参加者はコメントしていました。


●南方副社長は
「どういう方が来られるのかわからず、いろんな準備をした。講義するので、改めてメリヤスの歴史を調べ直したが、新しく知る知識もあり、自分自身の勉強にもなった」と語っておられました。


photo_Premium Textile Japan 2018 Spring/Summer  開催レポート - Part 2 - 05


■お知らせ

JFW テキスタイル事業運営委員会 貝原良治委員長は、2018 年6 月22 日、一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進委員会 理事会におきまして、理事及びテキスタイル事業運営委員長を退任いたしました。このPTJ2019SS 展が委員長としては最後の参加となりましたこと報告いたします。




■今後の海外展示会について

「Milano Unica(MU) 2019AW」が7月10日~12日まで、イタリアのミラノ市内のロー・フィエラ・ミラノで開催されます。この展示会にJFW、日本貿易振興機構(ジェトロ)が主催する「The Japan Observatory at Milano Unica 2019AW」が27社・団体(432平方m)の規模で出展します。

また、9月27日~29日には中国・上海の中国国家会展中心で「インターテキスタイル上海(アパレルファブリック)Autumn Edition2018」が開かれ、同会場にジャパン・パビリオンを出展します。31社88小間の予定です。


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INDEX[2]Next JFWテキスタイル事業 今後のスケジュール

【海外展】 <Japan Pavilion>

ジャパン・パビリオンは、各展示会場内のベストロケーションに日本の企業を集積し、日本のテキスタイルトレンドを発信するとともに、日本の優れた企業が集結し、ジャパン・クオリティーをプロモーションします。


The Japan Observatory at Milano Unica 2019AW


photo_logo_JAPAN Observatory

会期:2018年7月10日(火)~12日(木)
会場:Rho Fieramilano

開催概要 >>>



Intertextile Shanghai Apparel Fabrics

Japan Pavilion 2018 Autumn Edition


photo_logo_JAPAN PAVILION

会期:2018年9月27日(木)~29日(土)
会場:中国 国家会展中心(上海)


 



【国内展】

Premium Textile Japan 2019 Autumn/Wineter
JFW JAPAN CREATION 2019


photo_logo_PTJ

photo_logo_JFWJC


 

“同時開催”

 

会 期

2018年11月21日(水)~22日(木)

 

会 場

東京国際フォーラム ホールE

 

※出展募集は締め切りました

 




 

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