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INDEX[1]Premium Textile Japan 2018 Spring/Summer

   開催レポート - Part 2 -


5月9日~10日に東京国際フォーラムにて開催されましたPTJ2018SS開催レポートのPart 2をお届けします。



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日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)主催の「Premium Textile Japan (PTJ)2018Spring/Summer」が5月9日~10日の会期を終えて無事閉幕いたしました。会場の東京国際フォーラム・ホールE-1には今回、中国の有力アパレルバイヤー3社を招致しました。また、「Textile Workshop~日本の素材を学ぼう!~」も開かれました。


 

[会  期]

2017年5月9日(火)~10日(水)(10:00~18:30/18:00)

 

[会  場]

東京国際フォーラム ホールE-1

 

[主  催]

一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構

 

[出展者数]

97件129.6小間(内 海外出展9社)

 

[来場者数]

5,813人(前年比97%)


Part.2

 

・有力アパレルバイヤー招致
・「Textile Workshop~日本の素材を学ぼう!~」京都プリント/トリコット
・今後の海外出展について

Part.1(配信済み  ⇒記事ページへ

 

・出展者の声 ~新素材を探す機運があった~

・来場者の声 ~テキスタイル全体の姿が見える~




■有力アパレルバイヤー招致

   元気な中国3ブランドが商談会に臨む


PTJ18SSに今回招聘(しょうへい)した中国3ブランドは「アイシクル」(上海之禾時尚実業)、「NEOEN」(上海弄影時装)、「DADINKOWA」(青島紫墨服装)です。アイシクルは、中国でも元気のある高級婦人ブランドのひとつ。高品質で天然繊維にこだわりを持つブランドです。NEOENは江蘇華芸グループの傘下で、新興の中高級婦人ブランドとして、とくに麻に関心がありました。DADINKOWAは販売チャネルがインターネット通販「タオバオ」のみというネット通販専用ブランドで、アジアの伝統文化要素を取り入れたデザインが特徴です。日本素材への関心が高く、日本との取引実績があり、元気な企業――を基準にこの3ブランドを選びました。


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3ブランドとも既に日本製生地の使用実績がありましたが、会場では「見たことがない素材があった」(NEOEN)、「特殊な染色加工に引かれた」(アイシクル)など、インターテキスタイル上海に出展する日本企業とは異なる素材が多く出品されていることに驚いていました。中国では展開していない産地企業の独自素材が人気で、超細番手の綿素材やハンドメード・プリントなどが引き合いを集めていました。

「日本素材を採用した17春夏のワンピースとシャツが売れ筋になった。海外素材はイタリアと日本製を使っているが、今後は日本の比率が高まりそうだ」(NEOEN)ということからも、今回の展示会を通じ新しい取り組みが始まることが期待されます。出展者からも「招聘バイヤーを待っていたが、残念ながら来られなかった。事前にもっと積極的にアピールしておけばよかった」という声も聞かれました。

 

一方で、中国側からは「貿易経験が乏しく、中国へのサンプルの配送方法を聞いてくるところがあった」「『プルミエール・ヴィジョン』や『ミラノ・ウニカ』のようには英語が通じない。コミュニケーション力が不足している」という指摘もありました。

 

中国の衣料市場は同質化などによる過当競争が起きています。しかし、成長市場という点での期待も大きい。素材での差別化を狙う中国アパレルに日本製テキスタイルの優位性を訴求するのが今回の狙いでした。中国の衣料市場も日本素材を扱える水準に成長しています。招聘バイヤー以外にも中国からのバイヤーは増加しており、今後はそうした海外バイヤーへの対応力強化も課題となるでしょう。



■「Textile Workshop~日本の素材を学ぼう!~」

   生産背景を知ってもらおう!


PTJは11回目から「Textile Workshop~日本の素材を学ぼう!~」をスタートしました。日本の産地企業が集結するPTJですが、商談だけでなく、さらに一歩踏み込んで、その素材が持つ背景も知ってもらおうと、このワークショップを開催しています。アパレル・服飾雑貨メーカー、小売り、デザイナーメゾンなどの若手社員(職歴5年未満)を対象に、日本の素材産地レクチャーを行い、日本製素材への認識を深めていただくものです。今回の素材テーマはプリント(京都)とトリコット(北陸)。9日には久山染工専務の久山健作氏、10日には福井経編興業の商品企画課の山本延広氏が講演されました。


< 構成 >

 

第1部

「日本の素材産地とは」

【講師】JFWテキスタイルコーディネーターの久山真弓氏

 

第2部

「産地レクチャー」

 

9日

〔京都プリント〕

【講師】有限会社久山染工 専務取締役 久山 健作 氏

 

10日

〔トリコット〕

【講師】福井経編興業株式会社 商品企画課 山本 延広 氏

 

第3部

「テキスタイル合同展示会 来場のノウハウ/Q&A」
【講師】JFWテキスタイル事業事務局


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□「日本の素材産地とは」 ~価格帯や納期なども説明~


日本の素材産地として、19の繊維産地が紹介されました。久山真弓講師は「遠州産地は綿織物を中心に、綿/ポリエステル複合織物などプレーンな布帛生地が6割、特産の別珍、コール天が4割を占める。太番手から超細番手、二重織りなどの多種の織物を生産」「新潟産地はポリエステル、アセテート、レーヨンなどの化合繊から、綿、麻、ウール、シルクなどの天然繊維まですべての素材を取扱う。化合繊のダブル幅後染め中肉織物から、綿中心の先染めシングル幅ドビー織物、さらにニットも生産する超複合産地」など、それぞれの産地特性を説明。また、今回は価格や織機幅、納期、ミニマムロットなどについても情報提供しました。



□「産地レクチャー 京都プリント」 ~JC出展が転換期に~

    【講師】有限会社久山染工 久山 健作 氏


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「京都には様々なプリント工場や加工場が点在しています」。久山染工の久山健作氏はプリントの種類から説明し、京都のプリントが手捺染、オートスクリーン、ロータリースクリーン、手描き友禅、デジタルプリントなど幅広く対応していることを強調しました。

自社の歴史では「1988年に創業。当時は京都の生地問屋1社で売上高の9割を占めていた。しかし、問屋機能の低下の一方で、アパレルからの別注依頼が増えていった。問屋依存だけでは生き残れないと、2002年のジャパン・クリエーションに出展した。それ以来、アパレルとの直接取引も増え、昨年は東京事務所も設立した」。現在、売上構成は生地会社関係が40%、アパレルが35%、その他25%です。「外に向けて活動しなければ、売上高は今の半分くらいに縮小していたと思う。展示会出展がターニングポイントだった。今では変わった加工が半分を占める」とこれまでの歩みを説明しました。

自社の加工については「友禅のひとつである型友禅を、工程すべて職人による手作業で版を使ってプリントする手捺染を行う。手捺染は染料を溶かした糊を使用するが、それに加えて様々な薬品を併用して新しい生地を開発」しています。欧州のラグジュアリーブランドが注目する「ドラゴンレザー加工」は、ウール素材に和紙を貼り合わせ、ウロコを表現したプリント。生地と生地を貼り合わせ、片面だけを薬品で溶かして柄を浮き上がらせる「ボンディングオパール加工」なども紹介しました。

 

●参加者は
 「繊維商社に入社した。デザインの学校に行ったが、素材の知識がない。産地や生地の背景を知ることができ、生地の提案をするときに役立ちそうだ。工場も見学したい」「わかりやすかった。工場の現場にも興味を持った」といった感想が参加者から聞かれました。


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□「産地レクチャー トリコット」 ~「下町ロケット」で知名度アップ~

    【講師】福井経編興業株式会社 山本 延広 氏


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「福井県にはニッタ―が100社ほどあり、生産規模は全国2位のシェアで、出荷額は全国1位」と、福井経編興業の山本延広氏は産地を紹介しました。シングルトリコット・ダブルラッシェルの企業として八田経編、富士経編、セーレンケーピー、三国トリコット、福井編織、ジェフティを、ラッシェル機メインの企業としてタケダレース、吉田産業、カズマ、SHINDOなどの特徴を語り、企業間の生産開発の協力関係についても触れました。

福井県のトリコット・ラッシェルの主な用途、経編機の種類、経編の特性と編組織を説明後、同社の会社概要を紹介。テレビで放映された人気ドラマ「下町ロケット」に登場した桜田経編のモデル工場として知られ、知名度がアップしたと話していました。現在、全国の経編生産の20%を占め、ストレッチボトムやアウターだけでなく、産業資材や自動車関係にも用途が広がっています。最後に「工場のサンプル室には創業以来の3万5000点の見本がある。工場にも来てほしい。経編の未来は明るい」と締めくくりました。

 

●参加者は
 「2日間、受講した。産地の歴史や現状を知ることができた。技術的なことも、もっと知りたい」とコメントしました。受講後に福井経編興業のブースを訪問し、商品をじっくりと学んだ人も数名いたようです。



■今後の海外展示会について

「Milano Unica (MU) 2018AW」が7月11日~13日まで、イタリアのミラノ市内の新会場「ロー・フィエラミラノ」で開催されます。この展示会にJFW、ジェトロが主催、日本繊維産業連盟の協力を得て「The Japan Observatory 」at Milano Unica 2018AWとして38社・団体(620㎡)が出展します。

また、10月11日~13日には中国・上海の中国国家会展中心で「インターテキスタイル上海(アパレルファブリック)2017Autumn Edition」が開かれ、同会場にジャパン・パビリオンを出展します。


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Photo:The Japan Observatory at MU 2018SS <ミラノ>


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Photo: Japan Pavilion 2017Spring Edition <上海>





INDEX[2]Next JFWテキスタイル事業 今後のスケジュール

【国内展】

Premium Textile Japan 2018 Autumn/Wineter
JFW JAPAN CREATION 2018

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“同時開催”

 

会 期

2017年11月28日(火)~29日(水)

 

会 場

東京国際フォーラム ホールE

 

※出展募集は締め切りました

 


【海外展】

The Japan Observatory at Milano Unica 2018AW


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会期:2017年7月11日(火)~13日(木)
会場:Rho Fieramilano

開催概要 >>>



Japan Pavilion 2017 Autumn Edition

Intertextile Shanghai Apparel Fabrics


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会期:2017年10月11日(水)~13日(金)
会場:中国 国家会展中心(上海)

開催概要 >>>


 





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