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INDEX[1]Premium Textile Japan 2018 Spring/Summer

   開催レポート - Part 1 -


97件の出展者が4ゾーンで活気あふれる商談


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日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)主催の「Premium Textile Japan 2018Spring/Summer(PTJ2018SS)」が5月9日~10日の2日間、東京・有楽町の東京国際フォーラム・ホールE-1で開催されました。PTJは今回で13回目を迎えました。17SS展から会場を2000㎡から3000㎡へと1.5倍に広げ、今回も過去最大規模の97件/129.6小間(PTJ2017SS実績:94件/122小間)となりました。出展者は4つのゾーンで活気あふれる商談を行いました。


 

[会  期]

2017年5月9日(火)~10日(水)(10:00~18:30/18:00)

 

[会  場]

東京国際フォーラム ホールE-1

 

[主  催]

一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構

 

[出展者数]

97件129.6小間(内 海外出展9社)

 

[来場者数]

5,813人(前年比97%)


PTJ2018SSの開催レポートを2回に分けてお届けします。


Part.1

 

・出展者の声 ~新素材を探す機運があった~

・来場者の声 ~テキスタイル全体の姿が見える~

Part.2

 

・有力アパレルバイヤー招致
・「Textile Workshop~日本の素材を学ぼう!~」京都プリント/トリコット
・今後の海外出展について




■出展者の声 ~新素材を探す機運があった~

「織物短繊維ゾーン」では、渡辺パイル織物が昨年設備投資して開発したパイル織機で織ったパイルのない平織物を提案しました。また、杢糸を開発し、シャーリングや起毛で表情を変えました。「この糸を基軸に、様々な産地企業が使えば、トップス、ボトム、インナーまでセットアップのスタイリング提案ができる」と語っていました。初出展のKBツヅキは新商品「ラブリーゼ」を会場で発表しました。ナイロンを芯糸に、天然繊維を特殊紡績(MFTS紡績)でカバーしたもの。空気をたくさん含み、かさ高で独特のソフト感と膨らみのある素材です。軽量化率は従来の綿糸に比べ20~25%。今回は綿糸を中心にしましたが、テンセル、シルク、リネン、カシミヤ、ウール、キュプラもあります。会場では同じTシャツを計測。通常綿のTシャツ199gに対し、ラブリーゼTシャツは160gでした。

 

クロキもPTJには初出展しました。同社は海外輸出も盛んですが、国内新規顧客開拓を目的に出展しました。ハイブリッドストレッチデニム、天然藍でロープ染色したデニム、軽く柔らかいデニムなどを出品しました。カイハラはハイストレッチ素材「EX FIT」使いのソフトではきやすいデニムなどを提案しました。

イチメンは2年ぶりの復活組です。綿シャツ地が主力ですが、天然風合いの細番手ポリエステル・レーヨンシャツ地なども展開。「トレンドに合わせてカラフルな色を」ブースで表現し、その色に魅了されてブース前のトレンド&インデックスコーナーから来場者が呼び寄せられていました。


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クリスタルクロスも初出展です。「個展は開くが、新規顧客開拓のため出展した。2日間の出展で顧客も増えた」ようです。国内生産と欧州生産が半々ですが、企画はすべて同社のオリジナル。在庫をリスクし、1反から販売しています。

播州産地からはカゲヤマが平織りのラメ糸使いボーダー、切り替えパネル綿麻グレンチェックなどをアピール。はニット調織物「メッシュクロス」を提案しました。これは変わり織りを縮ませたナチュラルストレッチのほか、イージーケア、通気性、速乾性などの機能も有し、布帛とニットの長所を兼備した素材です。価格、小ロット、短納期対応といった側面も訴求しました。

 

古橋織布は自社のシャトル織機の特徴を打ち出しました。同織機は糸の断面をつぶさずに織れるため、糸と糸の間に空気を含みやすく、膨らみのある生地に仕上がります。福田織物は細番手の糸を使った高密度織物を生産します。140番単糸の綿糸使いのブロードは軽さと薄さが際立ち、「究極の織物」としてチャレンジしたものです。オフィスくには、感性とデザイン性を重視し、独特な表情感のある素材を提案し、新規顧客開拓に注力しました。鈴木晒整理は綿や麻の衣料品着用時のシワを軽減する「クリーズケア加工」など新加工を披露しました。


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「織物長繊維ゾーン」では東レが「新しい素材を探す機運を感じた」と話していました。会場ではナチュラルで清涼感のある麻調合繊「リランチェ」、吸水速乾性に吸放湿性を備え、マットな表情で上質な素材感を実現したナイロンテキスタイル「サラコナ」、透け防止の「ボディシェル」などを出品。また、今回初めて裏地も訴求しました。「オンビーム」は吸放湿性に優れ、さわやかな肌触りで、ドレープ性や滑り性があります。表地にもフィットし、美しいシルエットを演出します。

 

丸井織物は自社ブランド「ノト・クオリティー」を前面に打ち出しました。「生活者の視点から使う人が便利になるようにというコンセプト。モノ作りも、使う人が心地よいと感じるものを目指す」という考えです。同社はIoTも実践。このほどアパレルのオールユアーズの第三者割当増資を引き受け、5月から始めたオールユアーズのクラウドファンディングによる販売型プロジェクトに連携事業として取り組んでいます。「洗濯を繰り返しても色のあせない黒パンツ。消費者は黒パンツが好きだが色があせやすい。黒い色を黒のままずっとはいていたいという要望がある。この生地は塩素をかけても変色しない」。生活者視点からのモノ作りです。

第一織物はナイロン100%タフタ「キューブテックス」、ポリエステル100%タフタ「ディクロス エアロ」などを出品しました。超高密度織物を得意とする同社は海外での評価も高く、訪問したアパレルは「すばらしい」と感嘆の声を上げていました。輸出比率の高い同社は、「国内比率を再度高めるために出展。春夏の婦人服分野の拡充という目的に手応えを得た」と、満足していました。ケイテー・テクシーノは複合仮撚糸や撚糸など加工糸をメインに出品しました。


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宇仁繊維は18春夏のテーマを「ルーセント バルーン」とし、ほどよいハリ・コシ、軽量、透け感、微光沢、プリントなどの新作を出品しました。カラーも豊富にとりそろえ、華やかな色が目を引きました。サンコロナ小田はポリエステル割繊糸「ミストロン」のバリエーションを広げた特別展示コーナーを設けました。「プルミエール・ヴィジョンで評価の高かった素材も注目」されました。

クレッシェンド・ヨネザワは「春夏展なので、160番の麻糸使いのストールを出品」。また、「消費者はストーリー性にも関心が高い」とし、希少繊維のギチャシルクで野蚕の色合いと風合いをアピール。出羽木綿もスカート向けに提案しました。糸の音は今回、西桂織物産地の槙田商店、山崎織物、権守織物、武藤、滝口織物の5社に、北欧デザインを手掛ける堀田ふみ氏が加わり、コラボレーションしました。「メーカーだけでは顧客を呼び込みにくいが、堀田さんの北欧デザインを前面に出すと、来場者は興味を持って見てくれた」ようです。

 

「染色・後加工、プリント、刺繍・レース、皮革」ゾーンでは野崎染色が天然繊維用反応インク、ポリエステル用分散インク、ウール・ナイロン用酸性インクをそろえるインクジェット体制を訴求しました。「前工程から仕上げまで一貫生産する。最近はナイロン素材の注文が多い」とも。東海染工は「生地自販の拡大を目的に出展」しました。今回は綿100%タイプライタークロスに洗い晒したような加工を施した生地が人気でした。「服飾資材、ニットファブリック、撚糸、パイルファブリック」ゾーンでは川田ニット/ケーシーアイ・ワープニットが「婦人向けトリコットが多かったが、PTJ出展で紳士向けも増えた」と話していました。八田経編では「トリコットのビジネスジャケット・シャツ地に反応が良かった」ようです。


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■来場者の声 ~テキスタイル全体の姿が見える~

来場されたアパレルの方々からは「面白い。日本の産地の技が出ている。個展と違って、日本のテキスタイル全体の姿が見える」「今回は華やかさが増した。カラーの打ち出しが増えている」「新しい素材を見つけることができた。楽しかった」「デニムを探しに来たが、いいデニムを見つけた」といった声が聞かれました。PTJも13回目となり、産地でも世代交代が進んでいます。「今回は出展者の若返りを感じた。ブースでは若い人が対応。素材も新鮮なものがあった」(アパレル)という声もありました。

「レースがたくさんあった。着物でも使ってみたい」(呉服商)。副資材関連が一堂にそろうのもPTJの特徴です。とはいえ、「前回はテープがあったが、今回はなかったのが残念」(婦人靴問屋)、「もっとニットを見たかった」(商社)、「リビング向けの快適素材を求めて来た。今後はもっと増やしてほしい」(小売業)、「もっと変わったものが見たい。糸からの開発でないと難しいのかな」(デザイナー)という指摘もありました。来場者のニーズは年々、多岐にわたっていきます。


photo_Premium Textile Japan 2018 Spring/Summer 06




INDEX[2]Next JFWテキスタイル事業 今後のスケジュール

【国内展】

Premium Textile Japan 2018 Autumn/Wineter
JFW JAPAN CREATION 2018

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“同時開催”

 

会 期

2017年11月28日(火)~29日(水)

 

会 場

東京国際フォーラム ホールE

 

※出展募集は締め切りました

 


【海外展】

The Japan Observatory at Milano Unica 2018AW


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会期:2017年7月11日(火)~13日(木)
会場:Rho Fieramilano

開催概要 >>>



Japan Pavilion 2017 Autumn Edition

Intertextile Shanghai Apparel Fabrics


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会期:2017年10月11日(水)~13日(金)
会場:中国 国家会展中心(上海)

開催概要 >>>


 





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