JFW-JC 2010 S/S 特集号 Part2 2009/04/10(金)
来場者数 4月8日(水)= 6,376名 / 4月9日(木)= 7,653名 / 4月10日(金)= 7,012名  [合計] = 21,041名
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  JFW JapanCreation 2010 S/S JFW-JC2010S/S人気素材 薄地・軽量・ソフトに集中
  photo_JFW-JC2010S/S人気素材
   ビジネステキスタイルゾーンの出展企業に、ブース内の人気素材をアンケート調査しました。JFW-JCでも、薄地・軽量・ソフトなテキスタイルに人気が集中しています。
 ハリコシのある素材も人気です。薄地でもハリコシのある素材が人気なのは、身体にまとわりつかないシルエットが好まれているためです。
 表情(後加工)は半透明感、ナチュラル感(しわ)、縮絨、凹凸感のあるもの、マイクロパウダータッチが好まれています。オイリーなヌメリのある光沢も浮上しており、コーティング加工なども人気です。こうした傾向を背景に太さの違う糸の組み合わせ、ジャカードなどの組織変化、レースが人気です。プリントや先染めなど柄物も好調。素材は複合はじめ多様ですが、オーガニックコットンやリサイクル合繊などエコ素材を挙げる企業が増えました。
 厳しい経済環境を反映して、今回は受注率を高めるために、上手くコストを抑えて“お買い得感”を高めたり、小ロット短納期の要求に応えたりと、工夫する企業が増えています。ペーパーライクにならず、リネンのような糸切れしやすい素材を織るなどの理由から、有杼織機の機場を探す動きも出ています。

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  Voice 来場者の声「どのブースに興味を持ちましたか?」
 
photo_来場者の声「どのブースに興味を持ちましたか?」
 JFW-JCでは会期中、来場した方々にアンケートをお願いしています(ご協力いただいた方にお礼申し上げます)。その中の設問の一つに、「どのブースに興味を持ちましたか」というものがありますが、今回はその設問への回答としてあがった企業ブースをピックアップし、紹介していきます。




【企業紹介】
photo_株式会社おりひめ A-19 株式会社おりひめ A-19
 日本製オーガニック100%糸にこだわり、過去3年間以上、農薬、化学肥料、枯葉剤などを使用していない農地で栽培されたコットンの原綿を使用し、精紡、製織にも化学薬品を使用しないオーガニックコットン。同様に過去3年以上農薬を使用していない牧草地で育ち、後一切の化学薬品の投与も行われていない羊の毛を用いたオーガニックウール。それらを用いて製品化されたのが、今回出品しているOEM対応可能なマフラー、ショールです。カラーにバリエーションがありますが、湯通しすると色が濃くなる特性を生かし、全て無染色。「人にやさしく地球にやさしい」にこだわり抜いた商品です。
photo_丸枡染色株式会社 A-16 丸枡染色株式会社 A-16
 前処理から染め、プリント、仕上げまで、全て社内で一貫生産しています。都内に工場を構えているため、排水の問題なども含め、2000年より前の段階から環境問題に取り組んできました。今回は特に2種類のローインパクト捺染(環境負荷を抑えることを第一に考えたプリント技術)に注力しています。一つは染料・薬剤を限定することで環境負荷を抑えるというもの。もう一つは、新技術でもあるナノ色素プリントで、新色素の活用で工程を削減でき、細くクリアな線描ができることが特徴です。いずれもエコテックス規格100の規制物質を制限していますが、特にナノ色素プリントでは、規制物質を一切含有していない材料が用いられています。
photo_モンド株式会社 E-20 モンド株式会社 E-20
 ニット主体ですが、刺繍、レース、布帛にも対応する特殊形状意匠糸のメーカーです。常時豊富な糸、編地サンプルを用意していますが、ストックよりも別注の売上費の方が高いです。様々な要望に応えることができる企画力、豊富なストック、営業力、生産までの設備など、全てにおいてバランスが取れている企業だと思っています。秋冬ではスパークナイロンが人気でしたが、春夏用には形状変化のあるシルクが増えています。
photo_タッカ株式会社 E-30 タッカ株式会社 E-30
 綿、麻、ウールの天然繊維をメインに、流行に左右されないテキスタイルを生産しています。原料へのこだわりは強く、春夏ではベルギーリネンを、秋冬では重量感がありメンズライクなシェトランドウールと、軽量ソフトタイプのペルーのハイランドウールが主体です。また高密度コットンなどは継続した人気を保っています。比率としてはレディスアパレルが多いですが、メンズも増えてきています。昨今の傾向としてはクラシックタイプへの人気が高いです。
photo_森菊株式会社 E-13 森菊株式会社 E-13
 綿、綿麻、麻を主原料に生機の生産、先染め、塩縮特殊加工などまでを自社リスク生産・販売。今回2010S/S向けで好評なのが、軽量感と透け感のある薄地ボイルと80クラス細番ローン、80ジャカードです。またオーガニックコットンのチェックのバリエーションも人気です。シーズンに関わらず安定して売れているのが和柄プリントと三河縞で、森菊の特長にもなっていますが、こちらも従来よりも薄手のものと、ワッフル加工などで変化を与えたものを提案しています。
photo_三景 B-15 三景 B-15
 裏地から芯地、ラベルに至るまで服飾副資材全般をカバーするトータルサプライヤーです。秋冬から継続して人気があるのはナイロンの革調ボタンや、ポリエステルの水牛調ボタンなどです。春夏用にはエポキシ樹脂のラメ入りや、キャスティングなどの小ボタンを提案しています。今回とくに評価を得たのがエコ対応副資材「エコパーツ」です。この「エコパーツ」はオーガニック素材、リサイクル素材、生分解素材、有害物質の排除という4つの柱で構成され、エコロジーを意識した副資材全てが揃うことが特徴です。
photo_しょうざん C-22 しょうざん C-22
 特徴あるプリント生地と製品OEMを行っています。ここ数年製品OEMがメインでしたが、今回は特に、もともと京都の素材メーカーであるため強かったプリントを前面に打ち出しました。シーズン的には柔らかくぼやけた水彩画風を打ち出していますが、流行よりも芸術性やオリジナリティーを重視しています。OEMでも雑貨とアパレルを連動させたコーディネイト提案でオリジナリティーを出しています。
photo_シャルマン工芸 E-12 シャルマン工芸 E-12
 刺繍・レース生地の企画・製造。服地からインテリア、ファッション雑貨、小物など幅広い用途に対応しています。日本に一台しかない古い機械を使って作られるシャルマンレース(アメリカンレース)と、手わざを感じさせる立体感のある刺繍レース、紙やビニールへの刺繍などが特徴になっています。今回は合繊よりも天然素材を基布とした刺繍レースで、水玉や大柄チェックなどややラフに崩した感じのものが人気が高いようです。
photo_日本ホームスパン E-44 日本ホームスパン E-44
− リネン主力に軽量・立体感のあるツィード−
 日本ホームスパンは、ウール・シルクを主体に綿・麻・皮革・化繊など様々な素材を組み合わせたツィードを生産しており、国内外のブランドから高い評価を得ています。すべて別注。今回はリネンを使い、軽量で立体感のあるシルエットを作れるツィードを叩き台として提案しています。
 厳しい経済環境を反映して同質化を回避する意識が高まってきており、今回展では一部バイヤーから「出来合いの生地をセレクトしているだけじゃ駄目だ」という発言があったそうです。ツィードはプリント以上に目立ち、同じ柄では差別化できません。糸作りから始まる独自の製法と技術力で、個別の企業向けに作り上げるツィードは、同質化回避に最適の素材といえます。

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  Dyeing Creation Village  「技術の奥深さを実感」−染色クリエーション・ヴィレッジの反響
   今回の新企画の一つ「染色クリエーション・ヴィレッジ」は、染色・加工企業を軸にした企業間連携を目的にたものですが、ブースに出展した製品は個性溢れる技術の集大成となりました。染色技術や加工技術に特化した製品を展示したこともあって、来場者からは「いろいろな技術を見るだけでなく、触って知ることができた」「技術の奥深さを再認識した」「加工技術の幅広さを実感した」などの印象が聞かれました。
 一方、出展した企業からの評価も高く、「初日に行なわれたビジネス交流会をきっかけに連携の糸口ができた」とのコメントや「テキスタイル企業から“見積もりを出してほしい”との注文が舞い込んだ」などの反応が聞かれました。
 これら染色クリエーション・ヴィレッジに出展した企業の一部は、産学連携の「第3回JAPAN Tex-Promotion FORM PRESENTATION」における染色・加工でコラボレーションに参加する予定になっています。
photo_「技術の奥深さを実感」−染色クリエーション・ヴィレッジの反響(1)
photo_「技術の奥深さを実感」−染色クリエーション・ヴィレッジの反響(2)

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  Forum フォーラム:「素材とファッションとインスピレーション」
 
photo_フォーラム:「素材とファッションとインスピレーション」
 9日のフォーラムは講師に(株)ユナイテッドアローズの栗野宏文上級顧問クリエイティブアドバイザーを迎え、社会潮流からディレクションに落とし込むプロセスを、同社の09SSシーズンを例に紹介いただきました。
 同ディレクションは昨年11月に社内で発表されたもので、総合テーマは「ストレンジフォーク:やわらかい革命」。消費を楽しんだ1980年代、次いでストリートトレンドを大企業が戦略に落とし込み世界でショップ展開した世界戦略の1990年代。これら80〜90年代の消費を楽しんでモノを所有した時代から、昨年のサブプライムローン問題などを踏まえ、2009年は「新しいスタンダードができる時代。オバマ大統領の『チェンジ』のように、やわらかい革命が起きる」と、栗野氏は予測します。
 これまでのように、「性能や目立つことでは通用せず、人をハッピーにさせられることが大切だ」と、栗野氏は指摘します。低価格のファストファッションは消費者にとって、安いからこんなもの、あるいはモノを大事にしない意識にさせ、早く飽きられる。この動きとは対極のものとして、時間をかけて開発し、消費者にも長いレンジで着て楽しんでもらうファッションがあります。ファッションに限りませんが、今後は「お客様のハピネスといかに結び付けられるか」が大切というわけです。
 日本には「もったいない」精神や「改善」、「かわいい」という価値観があります。かわいいはグローバルに普及しましたが、欧州の個人主義、大人にならないといけないという価値観に対して、少女の心を持っていていいのだよということで、癒しを与えるものかもしれません。日本には柿渋染めなど伝統的な技術が残っていることは、ファストファッションと対極の精神があると言えます。「自国のカルチャー、目に見えないスピリットに自信を持っていい」とも述べておられました。

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  Forum フォーラム:「ファッションビジネスにおけるテキスタイルクリエーション」
 
photo_フォーラム:「ファッションビジネスにおけるテキスタイルクリエーション」
プレゼン力の向上が重要
 10日のフォーラムは、テキスタイルデザイナーの梶原加奈子さんに「ファッションビジネスにおけるテキスタイルクリエーション」の題で講演いただきました。
  「マーケットは10年前と様変わりし、今はモノがあふれ、何を作ったらいいか迷う時代だ」と梶原氏。エコや節約がキーワードで、消費者は食料品に限らず、「原料に関心を持っていて、洋服も素材を確認して選ぶ傾向が見られる」と指摘しています。
 日本の生地は海外で「視点が独特で、クオリティも高いと評価されているが、プレゼン力やカラーなどトレンドの理解力は世界基準とずれている」という声があるようです。このため今後は、「プレゼン力の向上が重要」と強調。また、一貫生産の海外企業と比べ、日本は複数の企業が連携してモノ作りするため、「いくつかの工程を組み合わせて作る生地で優位性がある」と言い、競争力を発揮する有力な切り口になりそうです。
  日本の産地でテキスタイルクリエーティブディレクターとして仕事をするに当たって、梶原氏は海外市場を視野に始めました。「日本と海外は、ファッションビジネスの価値観の違いがある。海外はトレンドを踏まえながら、個性や感性を重視したモノ作りを行う。このため、生地の選定に際しても何を求めているか自覚しており、バイヤーの心を動かせるように、常に相手の予想を上回る成果を見せられるような提案が重要」と指摘していました。「トップラインとディフュージョンラインの設定が重要度を増しているが、日本のテキスタイル産地ではそのライン作りが十分ではない」といいます。
 今後のテキスタイルビジネスでは、オーバーバリューが求められるとして、「機能性やソフト、チーム力の付加価値が必要」と提案。このほか、産地とファッションデザイナーの間に距離があり、その橋渡しのできる人材が必要だと指摘していました。

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  Creator’s Village  クリエーターズ・ヴィレッジ
 
photo_クリエイターズ・ヴィレッジビジネス交流会
クリエイターズ・ヴィレッジビジネス交流会
 9日18:10より、クリエイターズ・ヴィレッジ(以下CV)ビジネス交流会が行われました。JFW-JC内でCVが行われたのは今回が初めてとあって、CV参加クリエーター、JFW-JC出展者ともにやや消極的で会話が盛り上がるまでには至りませんでした。そのため、CVクリエーターからは、「今後継続されるのであれば、コーディネイターなどが介在して欲しい」といった意見もでましたが、「JFW-JCに参加したことで、今まで困難だと思っていた加工ができる会社がすぐに見つかったり、思いもよらない素材を発見できたりと、楽しい驚きの連続です」。「取引のある機屋さんが小売の方を連れてきてくれるなど、ネットワークと可能性が広がっていくように感じました」という声もあり、着実な交流に発展している企業もありました。

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  Interview  来場者インタビュー
 
photo_Sise デザイナー 松井征心 氏
Sise デザイナー 松井征心 氏
 学生のころから毎回来場しています。当時は展示作品しか見ていませんでしたが、仕事をするようになってからは生地や加工を真剣に見ています。今回興味を持ったのは丸枡染色で、この環境配慮型の染色をSiseブランドのプリントシリーズの中に組み込めたらいいなぁと思いながら見ました。プリントシリーズの柄は全て完全オリジナルで作っています。前回コレクションからはオリジナルのテキスタイルにもチャレンジしました。造形的にデコラティブな服ではないので、今後はもっともとっとオリジナルを増やして行きたい、またそういった取り組み先を見つけたいと思っています。始めたばかりなので、こういった展示会でもっとも気になるのは、どうすれば取引がスムーズに行えるかということです。なので、素材が気になっても、知らないブースだと入るのをためらってしまうこともあります。まだまだ勉強中です。

SACHIO KAWASAKI 氏
−間隔空けた選びやすい展示を希望−
 SACHIO KAWASAKIデザイナーの川崎祥央氏は、JFW-JCに来場するのは今回で2回目。一つの展示会で多くの産地企業のテキスタイルを見ることができるJFW-JCは、不可欠な存在です。
 09AWシーズンはサテンぽい素材を多く使ったため、10SSシーズンはパリパリした風合いで、薄地でもハリコシのある素材を主力に考えています。会場に来ると、端から順番にブースを全部見て回ります。
 素晴らしいテキスタイルが多いのに、ブース内にたくさんのサンプルを展示している企業が多く、選びにくいのが残念です。もっと間隔をあけて展示してもらえる方が、分かりやすいです。
 エコラベルのことは知りませんでした。できれば、全商品がエコ素材のエコブースがあれば、選びやすいと思います。

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  Next Show of JFW-JC 次回開催のお知らせ
 

JFW ジャパン・クリエーション 2010 Autumn/Winter

2009年10月7日(水)〜9日(金)
東京ビッグサイト 西1・2ホール


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