JFW-JAPAN CREATION in TOKYO JFW JAPAN CREATION 2008 Autumn/Winter
2007年12月5日(水)・6(木)・7(金) AM10:00〜PM6:00(最終日はPM5:00まで)
 Press-Data : 出展者総数=280件/508小間
 来場者数   12月5日=  9,867名
 (主催者発表)12月6日= 13,040名
          12月7日= 15,504名  合計= 38,411名
スケジュール
JFW-JC News 12/7(fri) いまこそ国産テキスタイルを!
  PDF 12月6日号(紙面)を印刷する1,375kb JFW-JC News 12/5[wed] JFW-JC News 12/6[thu] JFW-JC News 12/7[fri] JFW-JC News top

  話題のブース 大正紡「夢工房」 No.6区-56 納得し惚れ込んで発注
 
photo_大正紡「夢工房」_1
 大正紡の「夢工房」ブースが、 今回も大勢の来場者を惹きつけています。 ブースは周囲が糸・わたを紹介するコーナー。真ん中が共同出展者のコーナーで、 大正紡の糸を使ったテキスタイルや二次製品を企業ごとに展示し、 説明しています。
 実際に販売する「商品」に加え、 原料から生産工程まで見ることができるため、 バイヤーは実際に見て触わることで十分に理解し、 納得して発注できます。 原料段階からチェックできることで、 安心・安全を確保できることも大きな強みです。出来上がった商品だけでなく、 こうして背景や作り方、コンセプトまで紹介することが、 買い付けへ「背中を一押し」する働きをしています。 様々な商品を展示しているため、 カットソーを仕入れに来たバイヤーがストールなどファッション小物もついでにオーダーして帰ることも。
photo_大正紡「夢工房」_2
 同様のことが、 店頭の消費者段階でも起こると推測されます。 商品力に加えて安心・安全、 さらにエコロジーやモノ作りの姿勢などに納得し、 惚れ込んでもらえることが消費者のショッピングを「一押し」するに違いありません。
 樽井繊維工業は5種類の素材の違う毛布を展示。 オーガニックウール100%、 インドのスビン綿とカボックとの複合、 さらに毛混、 シルク混、 スビン綿100%。 それぞれの風合いの違いを実感できます。 同社は衣料用素材も好評ですが、 某大手アパレルからはインテリアも商品化するからと、 インテリア用素材の引き合いもあったそうです。
 ビービーエーアソシエーションは糸から染め上げまで一貫で生産。 独自の吊り編みで、 婦人インナーを生産販売しています。 今回新たに発売する自社ブランドのインナー「スープレルース」は大半が手摘みのオーガニックコットン。 オーガニックというと生成りのイメージですが、 植物染めでカラフルな製品にしています。 「エコロジーもお洒落に」が、 ポイントです。
 マブチは綿では珍しいかすり染めで、 1本の糸で7色に染めた「レインボー」を開発し、話題を呼んでいました。 このように商品も多彩ですが、 来場者も多様。 高澤織物には某ブランドの外国人デザイナーが訪れ、 商品に惚れ込んで発注していました。
photo_大正紡「夢工房」_3 photo_大正紡「夢工房」_4 photo_大正紡「夢工房」_5

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  海外バイヤーを惹きつけられる
 
photo_メッセフランクフルト(香港) トレードフェア ディレクター ケイティ・ラム氏
メッセフランクフルト(香港)
トレードフェア ディレクター
ケイティ・ラム氏

 JFW−JCはプロフェッショナルで、 クリエイティビティに優れた見本市だと思いました。 国内に的を絞った展示会の印象が強いのですが、 海外に紹介できる内容です。 欧米のバイヤーは日本に強い関心を持っています。 距離的には遠いですが、 特に東京はインスピレーションを得られる街のため、 JFW−JCは多くのバイヤーを惹きつけられると思います。 実際に多くのデザイナーが東京を訪れています。
 テキスタイル業界はいま、 厳しいグローバル競争の只中にあります。 どの企業も付加価値を付ける道を必死で探しています。このため、 インターストッフ香港はファッションだけでなく、 エコロジーや機能素材にフォーカスを当てています。 もちろん、 コスト競争力も大事です。
 日本だけでなく欧米、 さらに中国のメーカーでさえも、 原油高や通貨の問題などによるコスト高に直面しています。 とくに中国は今、 急激なコスト高にあるわけで、 問題は日本のメーカー以上といえるでしょう。(談)



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  12/06[thu]JCフォーラム 「トレンドは、長く続いた高級素材から新技術素材へとシフト」
 
photo_12/06(thu) JCフォーラム

 6日、 14時から行われたフォーラムでは、 資生堂のファッション・ディレクター時田麗子氏が、 「世界から見た日本のテキスタイル」をテーマに、 近年のコレクションに見る素材の変遷から、 今後の日本の素材の可能性までを語りました。
 長らく続いたエレガントなラグジュアリーの傾向は、’06‐’07秋冬までのコレクションをピークにその後メンズライクへと変化。’07春夏では、 トレンドはフューチャーリスティックなイメージへと大変化を迎え、 その流れは今後も続くと予測。 80年代ファッションの影響を受けた一枚布の造形発想の増加、 フューチャー、 スポーツミックスによるボリューム・シルエットの変化で、 新しい素材はますます重要になる。 日本の技術、新素材は世界のトップデザイナーの発想の源にもなっている。 トレンドの流れは日本の技術に対して追い風になっていると指摘しました。


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  染色業界が崩壊の危機
   中国の染料価格の大幅な値上げで8月以降、 染色業界に激震が走っています。 日本で使用する染料や中間体は中国への依存度が高いためで、 メーカーの多くは江蘇省南部にある太湖周辺にありますが、 その太湖は年々汚染がひどく、 深刻な状況に。 このため、 中国政府は排水総量規制を強め、 減産もしくは操業停止に追い込まれる工場が増えました。 原燃料高や元高、 増値税還付率の引き下げなどもコスト上昇に拍車をかけています。 過去にも染料の値上げはありましたが、 今回のように染工場がメーンで使用する染料までも対象となるのは異例。 危機感を抱く染色業界は価格転嫁に努めていますが、 達成率は業界全体で3〜4割ほど。 すでに原油高などのコストアップで益率の悪化に苦しんでいる染工場の経営をさらに困難にしています。 事態を放置すれば、 日本の繊維産業の崩壊につながるとの懸念がもたれています。


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  Tex-Promotion-テキスタイルはどこまでフォルムになり得るか 「第2回 FORM PRESENTATION」のお知らせ −加工表現の拡がりを求めて−

 
photo_FORM PRESENTATION_1 photo_FORM PRESENTATION_2
いま、テキスタイル・トレンドの流れに視覚的な装飾効果が求められています。 そこで2008年度「FORM PRESENTATION」では、 プリント加工を除いた染色加工仕上げに、 自由なアイデアを求めています。
 例をあげますと、 ムラ染め+α、シワ加工+α、顔料+α…などなどです。

【応募概要】
 テーマ条件に沿った各種の加工技法を駆使した産地企業と学生のコラボレーションによるテキタイル&フォルム表現の提示となります。
1)カテゴリー
 ・ アパレル・デザイン部門
 ・ コンセプチュアル・ファッション部門
 ・ ファッショングッズ・デザイン部門
2)応募対象
 ファッション系専門学校や美術大学などで、 テキスタイルおよび服飾関連について学んでいる学生が対象となります。(詳しくは下記の通りです)
 ・ 学校を通してグループ単位で応募。(グループ人数不問)
 ・ 1校につき、 5グループ以内が条件。
 ・ 作品数は1グループにつき1〜5点。(応募部門によって異なります)
※コンセプチュアルな作品は1点から応募が可能です。
 また、 アパレルデザイン部門などの商品企画は、 スタイル提案が可能な点数で応募してください。(例:4〜5ルックス)
3)応募方法
photo_FORM PRESENTATION_3

 応募書類とデザイン画を添付のうえ、 2008年5月30日までに事務局宛に提出してください。
4)応募先
 JFWジャパン・クリエーション産学コラボレーション委員会事務局
 〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3-4-5 2F
       TEL:03-3661-7321 FAX:03-3661-7333
 作品の応募形式については下記の内容を参考にして下さい。
 ・ コンセプチュアル・ファッション部門はポートフォリオの形式。(A4サイズ)
 ・ アパレル・デザイン部門はプランニング・マップ形式。(マップボードはA4サイズ)
〔注意事項〕
 知的財産権の帰属については、 企業とのコラボレーションによる作品のため、 主催者が調整します。

【産学(産産学学)コラボレーション事業について】
 この事業は、 ファッション業界に対して、 テキスタイルへの深い知識を持ち、 そこからクリエイティブなデザイン発想力を持つ人材を輩出する、 第一歩の産業界と教育界が協力して行う人材育成企画として位置づけています。
 アパレル商品の生産、 そして販売がよりグローバル化する背景において、世界で活躍するためにも、 自らの立ち位置である日本国内のテキスタイル生産技術レベルの高さを理解し、 また、 その将来への可能性をこれからの世代に正確に伝えること、 そしてそれを糧として、 世界に羽ばたく人材の育成を大きな使命として、 活動していきたいと考えます。 このジャパン・クリエーションの場を借りて、 高度な産地技術と若い世代の自由な発想の出会いにより創造されたテキスタイルをここに展示し、 そこから新たなコラボレーションが生まれることを期待して、 広く皆様の御意見を頂ければと思います。
JFW-JC 産学コラボレーション検討委員会
協力:繊維ファッション産学協議会


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  企業紹介 ここがお薦め! 「バイヤーズ・セレクト」コーナー

 
photo_瀧定大阪㈱
瀧定大阪㈱ No.E区-70
東京を国際展の一つとして位置づけ
 自社展には日本の大手アパレルメーカーの大半が来場し、 丸一日、 二日かけて商談をしているという状況の中で、 今回出展するということの意味を考えた時、 今後アジアのプルミエール・ヴィジョンになると目標を設定したJCを、 NY、 パリ、 上海と同じように国際展の一つとして位置づけました。 日本のアパレルメーカーのために企画したものが、 海外でも売れるということが、 NY展やパリ展を通して確信できました。 今回はトレンド分析の結果得られたSENSE TECH、 MELLOW、 NATURE ILLUSIONの3つのテーマに分け着分、 原反対応可能な商品を取り揃えて展示しています。

 
photo_㈱フジイテックス
㈱フジイテックス No.E区-63
希少な獣毛のラグジュアリーコレクション
 カシミア、 セーブル、 ミンク、 アルパカ、 モヘア、 キャメルなどHIGH−CLASS ANIMAL HAIRSにこだわったオリジナルのマテリアルブレンドによる、 高級コート地からジャケット素材までの高級素材を中心にコレクションを展開しています。
ベースとなるオリジナル素材の開発と、 ハイレベルな技術力をもつ染工場(染色と洗い加工)との取り組みによる、 カシミア高混率の製品洗い企画『CASHMERE‐WASH COLLECTION』。 セーブルやミンクといった希少性の高い高級獣毛を使用したラグジュアリー感溢れるコート素材をご覧ください。

 
photo_㈱DESIGN WORKS 1965
㈱DESIGN WORKS 1965 No.E区-15
ウェアをイメーシしながら作る繊細で個性豊かなコレクション
 コットン、 リネン、 ウール、 シルク素材を中心に、 オリジナル企画で素材提案を行っています。 お客様とのコミュニケーションを大切にし、 ファブリックの完成度を追求すると同時に、「ウェアにしたとき」の視点を忘れずに物作りをしています。 今回はエジプトナイル川流域で栽培されている綿花の最高品種である、 ギザ地区のエクストラコットンのみで紡績された『FINX COTTON』に注力。 オーガニックに育てられた原綿は、 繊維を傷つけないように手摘みによって収穫。 それによって作られた細番手の織物は、 しなやか極まりなく、 ガーメントの美しいドレープ感を表現できることと思います。

 
photo_㈱東紀繊維
㈱東紀繊維 No.E区-21
貴重な編機で作るカットソー生地
 日本で数少ない貴重な吊り編み機による生地の企画生産を行っています。 原糸に対してもこだわりをもち、オリジナルの糸の開発も行うと同時に、 編地、 染色、 風合い、 後加工におけるまでトータルな素材の完成度を目指して生地作りをしています。
 今回のJCでも吊り編機による生地のシリーズを展示。独自性を追求した糸と編み組織を展開しています。ハンガー掛けをしていますので、 実際に手にとって吊り生地の風合いを確かめて欲しいです。

 
photo_ダイショー ファッション テキスタイル㈱
ダイショー ファッション テキスタイル㈱ No.E区-66
「どこにもない」オリジナリティ溢れる先染め
 これまで一切の合同展の誘いを断ってきたため、 JFW−JCにも初の出展となる産地型コンバーターです。 「先染めの企画」に特に力を入れています。 尾州のコンバーターとして、 尾州はもちろん浜松、 新潟、 桐生など国内の産地を大切に考え、 オリジナル性を重視したテキスタイルを提案しています。
 今回のJCでは『どこにでもありそうで、 実はどこにもないもの』を、 得意とする先染め商品のオリジナルデザインとカラーで提案します。

 
photo_畑岡㈱/㈱吉村仙松商店
畑岡㈱/㈱吉村仙松商店 No.E区-38
世界市場への実績高い福井の2社
 ハイエンドアパレルへの売り先が重なっていることもあり、 今回は2社合同でブースを設けている福井産地の企業です。 畑岡はトリアセ、 シルク、 綿などの高密度交織織物・機能素材の後染めを中心に展開。 服になったときに引き立つ素材を目指して物づくりを行っています。 吉村仙松商店は合繊の先染めが主体。 特にナイロン、 トリアセなどの非常に薄地の高密度素材に定評があり、 ルイ・ヴィトンのメンズ商品などでも用いられています。 両社ともに世界のラグジュアリー・ブランドへの商品提供を多くおこなっており、 高い輸出実績があります。

  アイコンに注目! 自社リスクのストック販売対応

  10,000点の商品を常備、1反から対応可能
photo_宇仁繊維㈱
宇仁繊維㈱ No.A区-07
 薄地のことならお任せください。 ポリエステル、 シルク、 コットン、 キュプラ、 トリアセなど生機から一貫で無地染め、 プリント、 加工ものを生産し約10,000点の商品を常備しています。 コミュニケーション、 サービス、 スピードをモットーに、 小ロット、 多品種、 短納期対応。 1反からの即日出荷も可能です。 今回のJCでも超高密度織物シリーズ、 キュプラ・トリアセシリーズ、 小花プリント、 小づき柄プリント、 スパンシリーズ、 シルクシリーズ、 ビビッドカラーシリーズと豊富なラインアップを取り揃えています。 『真っ青なブース』です。 是非見に来てください。

  ブースを1.5倍にし、25,000点を展示
photo_㈱木馬
㈱木馬 No.A区-01
 今回はブース面積を5月展の1.5倍にし、 リボン、 レースとそれ以外のブレードやトリミングなどのパスマントリー類、 トータルすると約25,000点の商品を展示しています。 10月にパリ店をリニューアル、 また新しいカタログの作成も行いましたので、 厚地片面サテン、メタリック系など2,000色柄が新しく追加され、 見ていただくことができます。 全体としては約50,000点の商品を自社リスクで常時ストック販売しています。 色柄ともに豊富な品揃えで、 ほとんどのニーズに対応することができると思います。 ブースに訪れたバイヤーの方は10cmまでのサンプルカットが可能です。
   

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  jc(ジェシー)のちょっとイッ服 2007.12.07発
 
photo_jc(ジェシー)のちょっとイッ服
 

「お疲れです。 イルミネーションで癒されてね」
 ビッグサイトの正門から出ると見える大観覧車をご存知ですか?
 JFW−JCを回り会場を後にする頃、 足は棒になり、 へとへとで外の寒さが身にしみる…という方も多いと思います。 そんな時は、 このパレットタウンの大観覧車に目を向けてみてください。
 そこには約1万5千球ともいわれる電飾が施された美しい姿が。 光は時間と共に13パターンの形に変化するそうです。 遅くまで会場にいた人ほど綺麗な姿が見られるはずです。 お疲れさまでした。

 
次回のJFWジャパン・クリエーションは JFWジャパン・クリエーション2009Spring/Summer 開催日:2008年4月23日(水)・24日(木)・25日(金) 時間:10:00〜18:00(最終日のみ17:00)まで 会場:東京ビッグサイト東1・2ホール


  ◆訂正とお詫び
12月6日号(紙面) テキスタイルコンテスト受賞作品名に誤りがありました。訂正とともにお詫び申し上げます。
森益一さん 「JAPAN KANSEI」は、正しくは「Japanese KANSEI(感性)」
谷敷謙さん 「ファニーファニーゴースト」は、正しくは「ファニーファニーゴーストー」


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  JFW-JC News 最新情報2007.12.7(fri)
 
来場者の声    (2007/12/07)

photo_T・H・D La maison inc. デザイナー 畠山 巧さん
T・H・D La maison inc. デザイナー 畠山 巧さん
 行っても同じかなと思って前回は来ませんでした。でも今回はバイヤーズ・セレクトなど新しいコーナーもできたということなので、また興味が湧きました。バイヤーズ・セレクトのコーナーは良いですね。皆さん売る気で来ているのが伝わってくるので、ロット等もすぐに聞ける。トレンド・コーナーも見やすくて良かったです。
 コレクション、展示会などはテーマを設定して活動をしているので、オリジナリティを重視していますが、それほど大きなロットで発注することはできない。今では付き合いのある機屋さんも増えたので、小ロットに対応してくれる所もふえて有難いですが、それでも毎回2マークくらいはインポートが入ります。一反、2反からピックアップできて、バッティングが少ないからです。今後は、ビジネスゾーンに出展するすべての企業が、その場で売り買いできるというような、ビジネスにおいても共通したシステムができるといいですよね。

 
フォーラム    (2007/12/07)
 Textile du future-TOKYO FIBER’07 SENSEWAREパリ展報告会
photo_フォーラム Textile du future-TOKYO FIBER’07 SENSEWAREパリ展報告会

伊藤忠ファッションシステム
クリエイティブディレクター
池西 美知子 氏

欧州デザイナーが羨む日本の繊維技術

 JC応援企画「TOKYO FIBER’07 SENSEWARE」が4月に東京で、さらに6月にはパリのパレ・ド・トーキョーで行われ、大きな反響を呼びました。パリ展は同会場で行う他の展示会と比較すると、平均を大幅に上回る来場者があり、現地テレビ局のフランス・ドゥが夜8時のゴールデンタイムに放送した特別報道もフォーラム会場で紹介しました。
 池西氏は今年から国際的なテキスタイル見本市であるプルミエール・ヴィジョン(PV)のトレンド協議委員会の一員に選ばれました。日本人ではただ一人、アジアでも初めての選任ですが、PVのフィリップ・パスケ最高経営責任者(CEO)がTOKYO FIBERを見て「日本の繊維は無視できない」と考えたことが一因だろうと、池西氏は述べています。
 TOKYO FIBERで参加クリエーターが採用した日本素材は、超極細繊維やナノテク使いの「インテリジェント・ファイバー」が多く、これが来場者に感銘を与えました。池西氏はファイバー・糸に加え、後加工の技術の重要性を指摘。今回は合繊が主力に採用されましたが、天然繊維も後加工で斬新な素材になることを強調しました。日本の素材が他国の追随を許さないのは後加工技術が一因で、テキスタイルの未来を考える上で非常に重要としています。
 デザイナーなどのクリエーターは技術では選ばないでしょうが、彼らの創作意欲を掻き立てるテキスタイルは、日本の優れた技術が支えています。今後重要なエコロジーの観点では、心地よく美しい「エコビューティー」が求められますが、技術が進んだ日本はこの分野でもリーダーシップをとって行くと予想しています。
 今回のJFW-JCを見て、日本がすばらしい繊維を開発しており、世界へ発信していけることを確信したと、池西氏。欧州のデザイナーはよく、「日本人は自国内ですばらしいテキスタイルを見ることができ、しかも国産だから安く購入できる」と羨ましがると言います。「欧州のデザイナーも羨む素材、宝が足元にあることを再認識して、世界へ日本素材を使ったすばらしい商品を送り出してほしい」と結びました。

 
合同会見(最終日)    (2007/12/07)

国際展並みのインフラを整備

 JFW-JC運営委員会は展示会最終日の7日、会場内で合同記者会見を開催。運営委員会内ではJFW-JCとして新たなスタートを切った今回、トレンド・インデックス・コーナーの強化やバイヤーズ・セレクト・コーナーのブース外観の統一など、まずは「国際展並みのインフラを整備した」と評価していることを報告しました。

来場者減の原因を分析

 今回展の来場者数は5日と6日の2日間で、2万2907人。昨年は3日間で4万4262人でした。あと1日あるとはいえ、前年実績を下回るのは必至のため、その原因を分析しました。昨年までは来場者だった合繊メーカーや大手コンバーターで、今回は出展者の側に回った企業があり、その関係で来場者としてカウントする人数が数百人単位で減少したと推測されます。また、5月展の評判がよくなかった影響も想像されます。
 一方、昨年並みの部数を用意したフロアガイドマップは要望が多く、最終日の午後まで残数がもたない勢いです。したがって、リピーターもしくは、1枚のパスで複数の来場者があり、人数を正確にカウントできていない可能性が考えられます。ここしばらく、パスホルダーの回収率が落ちていることから、過去のパスで来場していて、カウント漏れしている可能性も指摘しました。

バイヤーズ・セレクト・コーナー、選ばれた心意気

 今回新たに設けたバイヤーズ・セレクト・コーナーは「『選ばれた』ということで、出展者の意気込みが感じられ、今後さらに伸ばして行きたい」と、貝原良治JFW-JC運営委員長は述べました。今回は大手アパレルにアンケートしましたが、さらに次回展に向けて商社系のOEM(相手先ブランドによる生産)企業にも追加でアンケートする予定です。全面的なアンケートのやり直しは、1年ごとに行う考えです。

来年の会期は4月と10月に

 開催時期については、日本人のバイヤーを第一に考えると、春夏展は4月中旬から5月上旬、秋冬展は11月中旬が望ましいと判断しています。しかし、東京ビッグサイトの日程は向こう3年間埋まっていて、急な変更ができません。都内では、他に代わる会場が見つかりませんので、来年は旧JC実行委員会が押さえる4月と10月の会期で開催するほかないことも報告しました。
 4月は今回と同じ東ホールですが、10月は西ホールの2ホールしか押えられていません。会場が狭くなるため、出展希望に十分に対応できない懸念があることも明らかにしました。

国際化へ向け着々と準備

 メッセフランクフルト(香港)のトレードフェア・ディレクターであるケイティ・ラム氏が6日にJC会場を訪れ、同社が中国・香港で開催している見本市とJFW−JCとの間で何らかの連携を行う構想で合意したことも報告しました。
 また、運営委員会内にワーキンググループとして、国際化準備委員会を立ち上げ、これから国際化へ向け段階的に取り組んで行くことも明らかにしました。

 
フォーラム       (2007/12/07)
  「産学協力によるプリント技術への思考と試作」
photo_フォーラム 「産学協力によるプリント技術への思考と試作」

 Tex−promotionに関するパネルディスカッションが9日、会場内のイベントスペースで開かれました。冒頭にファッションジャーナリストの藤岡氏がパリ・コレなどにおけるプリントの傾向を解説し、「今シーズンのコレクションにおけるプリントの傾向は、(1)モダンアート、(2)アースワークス、(3)フローラルに集約され、プリント下地(P下)の多様性を含めて興味深い存在になっています」と語りました。
 その後のパネルディスカッションでの各氏の発言は次の通りです。



photo_アッシュ・ペー・フランス(株) 取締役専務 亀山 功氏
アッシュ・ペー・フランス(株)
取締役専務 亀山 功氏


photo_ファッションジャーナリスト 藤岡 篤子氏
ファッションジャーナリスト
藤岡 篤子氏
亀山氏: 「FORM PRESENTSTION」を拝見して感じたことは、学生さんの作品はアイデアが詰まり過ぎでいて、それに加えて作品の特徴を伝える力が不足しています。コンセプトの枠が窮屈になっているようで、若いのだからパフォーマンスをアピールしればいい。物づくりとプロデュースの2つのグループが協力しれば、伝達能力は高まるはずです。

永森氏: プリントは、多くの素材の中でも差別化しやすい特性をもっています。その一方で、プ リントは手法がいろいろあって、生産過程がとても長い、というのも特徴です。今回、コーディネーターを担当して感じたのは、学生さんたちの対応力、つまり状況に応じて柔軟に企画を修正してしまう点です。それとは別に、先生方がこちらに任せっぱなしもという傾向は気になりました。先生も現場に行って、企業と学生のコラボレーションに立ち会ってほしい。それとテキスタイルデザイナーの育成は絶対に必要ですね。

藤岡氏: 学生さんの多くが、トップブランドのプリントを取り入れている、というのが「FORM PRESENTSTION」を観ての印象でした。私も、学生の皆さんが自分の感じ方でプリントを表現すればいいのではないか、と感じました。自分の身の回りにある感動を起点にデザインする。それが作品の個性につながると思います。

竹内氏: 今回は、生地という平面なデザインとともに、そのプリント・デザインを衣服という立体物にしなければならず、素材と衣服のシミュレーションがうまくいかないケースが相次いだように思います。これは学生さんだけでなく、アパレル業界にも言えることで、製造分野の海外移転にともない、デザイナーが生産現場に行く機会が激減しています。このTex−promotionは、そうした傾向を打開することも目的のひとつになっています。
photo_オフィス*ナガモリ 代表 永森 達昌氏
オフィス*ナガモリ
代表 永森 達昌氏


photo_スタジオアヴニール 代表 竹内 忠男氏
スタジオアヴニール
代表 竹内 忠男氏

【パネラー】
ファッションジャーナリスト 藤岡篤子氏
アッシュ・ペー・フランス(株)専務 亀山功氏
オフィス*ナガモリ代表 永森達昌氏
【コーディネーター】
スタジオアヴニール代表 竹内忠男氏

 
面白いブース、洗練された、活気のある商談…当初の目標をクリア    (2007/12/07)
 JFWジャパンクリエーションを終えて
photo_JFWジャパンクリエーションを終えて

 新たな第一歩を踏み出した「JFW−JC2008A/W」は、「国際展並みのインフラを整備した」とする運営委員会の評価と同じように、来場者の多くからも「取り組みたいブースが増えた」「会場全体が洗練された」との賛辞がもたらされました。
 テキスタイル見本市は商談が最優先されるべき、という基本的な考え方から再構築された「JFW−JC2008A/W」では、正面入り口に設けられた広々とした「トレンド・インデックス・コーナー」とともに、「バイヤーズ・セレクト・コーナー」を加えたビジネスゾーンの充実が目立ちました。こうした“商談の場”という空気がプロモーションゾーンにも波及し、いい意味での緊張感が会場を包み込む、という効果をもたらしました。
 先の5月展では手厳しい評価をいただきましたが、今回はこれを払拭。来年の4月展に大きな期待と可能性を確約する内容となりました。


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