産学コラボレーション検討委員会委員
永森 達昌氏
新たな産学連携としてスタートしたTex−Promotionで最初のテーマとなったのがプリントです。私はテキスタイルを専門に40年も仕事をしてきましたが、テキスタイル科をもつ学校が少ないのが現状です。もちろん、そうした中で学生が手作りでテキスタイルを製作するケースもありますが、産業界に刺激を与えるようなインパクトがない。ここを解消して、若い感性をテキスタイルに反映させようというのが、このプロモーションの狙いです。
今回は、エリア・キムとバーナード・ネヴィルの2人のプリント作品を展示しました。2人とも世界的に優れたデザイナーですが、いまでも作品の輝きは薄れていません。あえて2人の作品を若い人たちに見てもらいたい理由は、彼らの発想力が一番ですが、テキスタイルと最終製品の一体感、それに微妙なデザインのニュアンスです。 |
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単に生地をデザインするのではなく、彼らの感性をフィルターにした時代性。ここから生まれるデザインは、使われる素材や色、デザインのどれもが奥深く、厚みを感じるプリント柄になっています。プリントは、柄と素材、手法の相乗性がもたらすものですが、そこに時代を感受する感性が求められます。それによって平面なものが立体感のあるデザインになっていきます。
このあたりの考え方や物作りのありかたを、このプロモーションを通じて広めて生きたい、と思っています。
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