![]() |
![]() ![]() 日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)主催の「Premium Textile Japan 2024Spring/Summer(PTJ2024SS)」が5月24~25日の2日間、東京・有楽町の東京国際フォーラム ホールE-1で開かれました。新型コロナウイルス感染症が落ち着き、アパレル市場も上向いています。そうした中で、74件・97.5小間(前年5月展71件・92.5小間)となった今回のPTJには、前年を10%上回る5220人が来場されました。コロナ前(19年5月展5911人)の水準に近づいてきました。 国内最大のテキスタイル商談会として位置づけられるPTJは、これまで学生の入場はできませんでした。しかし、欧州の展示会は学生も将来のバイヤーにつながる重要な人材と位置付けて入場を許可しています。PTJも今回から初日の入場を解禁しました。また、来場者が「次の売れ筋」を投票で評価する「What’s Next」コーナーを新設しました ![]() [会 期] 2023年5月24日(水)~25日(木)(10:00~18:00) [会 場] 東京国際フォーラム ホールE-1 [主 催] 一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW) [出展者数] 74件/97.5小間(内 海外出展10件) [来場者数] 5,220人 (2022年5月展4,745人) PTJ2024SSの開催レポートを3回に分けてお届けします。
![]() ![]() 今回のPTJでは初日(24日)の入場を、学生にも門戸開放いたしました。これまでPTJでは商談重視という目的から来場者をバイヤーに限っていました。しかし、プルミエール・ビジョンやミラノ・ウニカでも学生を積極的に受け入れています。ファッション業界の未来を考えれば、若い人材が必要だからです。 来場した学生からは「世の中にはこんな生地があるのだと知った」「見たことのない生地がたくさんあった」「牛乳パックからできた生地が珍しかった」「デザインの着想を刺激する生地があった」「SDGsに特化した生地が多かった」などの声が上がっていました。 学生を引率された先生は「10人くらいの単位で来た。上級生中心に半分くらいの生徒が来る予定。商談の迷惑にならないよう、バイヤーオンリーのブースには行かないように指導している」と話しておられました。このため、商談での混乱はなかったように思えました。それでも学生の新しい生地への興味は隠せません。「気になる素材がたくさんある。ブースのすき具合をみて、織り方を聞いてみたい」と積極的でした。生地の作り方を聞けた学生は「非常に参考になった。デザイナー、パタンナーを志望していたけど、生地を作る仕事にも興味がわいた」と、先々が楽しみな学生がいました。 ![]() この3年ほど新型コロナウイルス感染症の影響で、授業がオンラインの時期もあり、モノに触れる機会も少なかったようです。加えて普段の授業で使う生地の購入も、「日暮里に買いに行く」「ユザワヤやオンラインショップで」「学校のサンプル帳から選ぶ」ことが多いと話していました。また、「生地は実際に触らないとわからない。だからネットでは買わない」という学生もいます。 そうした学生に門戸を開放したことについて、出展者の大半はやさしい眼差しで迎えておられました。「問題はない。何事も現場を知ってもらうことが大切。産地側としても、現場の生産事情を知ってもらい、テキスタイルにより興味を持ってもらいたい。若い人がどんな生地を求めているのかを知る契機にもなる。こうしたことを積み重ねれば、産業を次の世代につなげることができると思う」と、ある出展者は話していました。別の出展者も「夢のある産業と思ってほしい」「にぎわいがあってムードがいい」「こうした機会がリクルートにつながるかもしれない」と学生解禁に好意的でした。 今回のPTJについてバイヤーからは「いろんな生地があり、国内産地が回復してきたと感じた」「あいさつの目的もあったが、今後の取り組みの参考になった」「毎回来ている。勉強になる」「高級素材が多い。値段が少し合わないが」といった商社の声がありました。 アパレルからは「いつも通りで、いろんな素材を見ることができた」「日本らしいこだわりの生地が多かった」「産地の特徴が出ているところがいい」、「探していた生地が見つかった」「立体的な表面感が多いと思った」「前回よりも良かった。刺繍でも思っていた以上の商品があり、手配した」といったコメントをいただきました。 ![]() ![]() PTJには多くのデザイナーが訪れます。来場したデザイナーにPTJや「What’s Next」の印象、日本のテキスタイルに期待することなどをお聞きしました。 攻めている生地が見たい 「FETICO」 デザイナー 舟山 瑛美 氏
この展示会場ではサステナブル素材が標準装備されています。日本の産地素材に求めるのは、いかにも日本ぽい、というのではなく、海外輸出しているような、「ちょっと攻めているな」と思えるような生地です。小ロットでの対応もお願いしたいですね。会場内にコンシェルジュ的な相談できる人が配置されていると助かります。 仕事にごまかしがない 「IRENISA」 デザイナー 小林 祐 氏・安倍 悠治 氏
生地の調達では尾州の機屋さんと直接やりとりしたり、富士吉田産地で仕上げ加工を行ったりしています。こうした展示会でそうしたメーカーの方々と出会うことも楽しみの一つです。日本の産地には欧州にない技術もあります。また、まじめな人が多い。ですから仕事にごまかしがありません。とはいえ、欧州の生地には独特の色出しと仕上げのうまさがあります。そうした面でも今後に期待しています。 (2人の発言を合わせて構成しました) 産地生地が一堂に集まる場 「MEGMIURA」 デザイナー 三浦 メグ 氏
ユニセックス、ジェンダーレスです。生地の使い方も変わりました。海外向けではレディス、モード系ですので繊細な素材感を求めました。面白い生地も開発していました。ユニセックスに変えてからは、いろんな人にということで、例えばイージーケア性なども採用します。色にしてもあまりカラフルな色は使いませんでしたが、コロナ禍ではカラーを使うことが増えました。コート、ブルゾン、ジャケットといったアウターに特化しています。こうした展示会は全国の産地生地が一堂に集まっており、貴重な場と思います。日本素材はまだロット対応が壁ですが、意匠性の高いものは別注でお願いしています。 ![]() 【国内展】 Premium Textile Japan 2024 Autumn/Winter JFW JAPAN CREATION 2024 会期:2023年10月31日(火)・11月1日(水) 会場:東京国際フォーラム ホールE 【海外展】 The Japan Observatory at MILANO UNICA 2024 Autumn/Winter 会期:2023年7月11日(火)~ 13日(木) 会場:Rho Fieramilano Intertextile Shanghai Apparel Fabrics Japan Pavilion 2023 Autumn Edition 会期:2023年8月28日(月)~30日(水) 会場:National Exhibition and Convention Center SHANGHAI
|
|
||
![]() |