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![]() 日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)主催の「JFW JAPAN CREATION 2023(JFW-JC2023)」「Premium Textile Japan 2023 Autumn/Winter(PTJ2023AW)」が11月1日~2日、東京・有楽町の東京国際フォーラム・展示ホールEとロビーギャラリーで開催。新型コロナウイルス感染が小康状態となる中で、感染防止対策に配慮して実施いたしました。 新しい素材を求める多くのバイヤーが来場され、真剣な商談が続いた2日間の開催レポート“Part.2”をお送りします。 ![]()
JFW-JC2023、PTJ2023A/Wの開催レポートを3回に分けてお届けします。
![]() ![]() PTJに初出展した"ファインテキスタイル(株)はウールならではの縮絨加工で立体的な表情のある素材を出品。「他の展示会に比べ来場者は多く、客層も幅広い」印象のようです。三菱製紙グループのダイヤミック(株)も初出展で、ナイロン生地へのプリントサービスを紹介しました。得意の小ロット生産は50mから対応します。 連続出展してきた畑岡(株)/(株)足羽工業所は昨年から提案している「タクタスエコ」(ソアロン×ロイカEF)を訴求。「ストレッチ性もあり店頭で売れている。来年1月には3年ぶりにミラノウニカに出展。「ラグジュアリーブランドも元気になってきており、期待している」ようです。 クレッシェンド・ヨネザワはアルパカ・ウールの武州織を出品しました。(株)羽田は「素材はオールサステナブルにした。環境素材は価格が高いイメージがあるが、定番商品にしていかないと」と考えています。サンコロナ小田(株)は今回、リバティジャパンと協業しました。「サンコロナ・メイド・ウィズ・リバティ・ファブリック」とし、透ける素材(オーガンジーとチュール)にリバティとして初めて昇華転写プリントを施しました。 ![]() 東レ(株)はサステナブル素材を訴求しました。人工皮革「ウルトラスエード」、リサイクルポリエステル「アンドプラス」のほか、ナイロンのカバン用新素材「パシャノヴァ」を出品。また、デザイナーの橋本祐樹氏とのコラボ製品も展示しました。齋栄織物(株)は世界一薄い先染めシルク「フェアリーフェザー」のほか、残糸を再び糸にしたサステナブルシルクを初めて出品しました。「オーガニックシルクにも挑戦したい」そうです。 カイハラ(株)は摩擦堅牢度に優れた「インディガード」を展示。色落ちや移染しにくいデニムです。デニムの見え方で風合いも残した「モンスターストレッチ」も好評でした。山陽染工(株)は、環境・人権倫理・地域創生をテーマにしました。柴屋(株)はフードテキスタイル、パイナップルリーフ繊維など、「サステナブル素材を求めるバイヤーに」対応していました。 敦賀繊維(株)は「丁寧なモノ作りでコストアップを理解してもらえる相手と組んでいきたい。世界はそういう流れになっている」とし、「長い年月の中で関係を築いて」います。(株)SHINDOはオンラインカタログ&ショップの認知度向上を図るとともに、パネルだけでなく現物での紹介にも力を入れました。 ![]() 香港のStella Blu Textileはインディゴ関係と先染めチェックを提案。「コロナも一服しており、もう一度日本市場にアプローチ」します。イタリアのThermore Japanはペットボトルリサイクル100%の「EVOdown」を出品。トルコのCALIK DENIMは生分解性デニム「b210」や、洗ってもサイズの変わらないデニムをアピールしていました。「選ばれたサプライヤーを目指す」と語っていました。 ![]() ![]() JFWはPTJ関連プログラム「Textile Workshop~日本の素材を学ぼう~」を実施いたしました。これは繊維業界人となって間もない(職歴5年未満)商品企画従事者を対象に、“寺子屋”をイメージして素材や産地への理解を深めてもらおうと企画したものです。JFW-JC、PTJ出展の産地企業人を講師に招き、毎回対象素材を変えてレクチャーを行っています。 第一部ではJFWテキスタイルコーディネーター久山真弓氏が日本の素材産地についてと、繊維素材の基礎知識として初日(11月1日)に「糸の作り方」、2日目(11月2日)は「糸の太さと単位」について解説しました。 ![]() 産地企業人が講師を務めるのが第二部です。初日は新潟見附産地にある浅記(株)の五十嵐光明テキスタイル部チーフが、「綿合繊の先染め織物で時代を彩るカジュアルメンズの世界」をレクチャーしました。 見附産地は新潟県のほぼ中央にあり、明治には新潟最大の織物産地となり、現在は先染め織物産地として知られています。浅記(株)は1869年に糸商として創業、1919年から織物も扱うようになりました。1960年代には構造改善による集約化で廃業する企業もありましたが、「小ロット、多品種化で苦境を乗り切る」ことができました。現在は産地内で原糸、撚糸、染色、整経、製織、加工と一貫生産し、ストック販売も行っています。 産地の染色加工としてスペック染の説明もありました。細かな染料パウダーを手作業でダマ状にまとめて浸透させると、独特のグラデーションを生み、かすれた自然感覚の色に仕上がるというものです。五十嵐氏は「高齢化や生産減、コストアップも続くが、見附産地を知ってもらいたい。新潟のできることをアピールした」と語っていました。 ![]() 2日目は富山産地のケーシーアイ・ワープニット(株)の坂下剛工場長兼企画開発部長が「富山産地から生まれたファクトリーブランド“tococie”(トコシエ)から展開される経編の可能性」を講演されました。同社は川田ニッティンググループの1社として富山県南砺市で、トリコット生地を生産しています。坂下氏によると「経編機は全国に900台ほどあり、うち600台が富山県にある。いわば富山産地は経編の一大産地で、うち当グループが120台を有する」そうです。 トリコットの特徴は「編物と織物の長所を併せ持つこと」。編物はストレッチ性や快適な通気性があり、シワにもなりにくい。織物は高密度、形状安定性、ハリ・コシ感を備えます。こうした良さを生かして、ビジネスシャツに採用され、タクシーや鉄道会社のユニフォームにも用途が広がっています。同グループでは高性能、最高級なトリコットのファクトリーブランドとして「トコシエ」も展開しました。坂下氏は「産地を守るという視点で」話されました。 ワークショップの受講者は「いろんな産地の特徴を知った」「糸の単位などを理解できた」「産地の基本的なことを教えていただいた」とコメントされていました。 ![]() ![]() 【国内展】 Premium Textile Japan 2024 Spring/Summer
JFW JAPAN CREATION 2024
【海外展】 The Japan Observatory at MILANO UNICA 2024 Spring/Summer
Intertextile Shanghai Apparel Fabrics
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