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![]() ![]() Photo:The Japan Observatory at MU2021SS |
![]() 2月1日から2日間、イタリア・ミラノのロー・フィエラミラノで、「第34回Milano Unica」が開催されます。日本からは日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)、日本貿易振興機構(JETRO)主催の「The Japan Observatory」(JOB)at Milano Unica 2023SSが出展する予定です。 JOBは2020年2月の出展以降、世界的な新型コロナウイルス感染拡大で、リアル展での出展を3回見合わせました。この間、E-Milano Unica Connectを通じてのデジタル活用をしてまいりましたが、やはりバイヤーが実際に素材を見て確かめることのできる機会と場所の確保することは必要と考えてきました。 感染状況は依然として芳しくありませんが、出展履歴企業の出展意欲は高く、今回は10社+1グループが出展します。また、JOB Plus(素材ハンガー出品)のブース(12社)を新たに設置し、中小企業を対象に人材を派遣できない企業にも商談の機会を提供します。世界の著名ブランドのバイヤーが集まるMU。そこに出展する日本企業を事前に紹介いたします。
開催概要 >>> 出展者一覧 >>> ![]() ![]() スタイレム瀧定大阪株式会社 多様なサステイナブル素材 スタイレム瀧定大阪のJOB出展は12回目です。イタリアに現地法人があり、ミラノには代理店もありますので、新型コロナウイルス感染で渡航できなくても対応可能な体制です。「欧州市場は大きく大切な市場。このため、ミラノとパリに拠点を設けている。2020年にはミラノにショールームも設けた」と積極的に取り組んでいます。 同社の強みは、商品やカラーのバリエーションの豊富さとともに、小ロットへの対応です。今回の出品素材にはオーガニックコットンがありますが、「インドやトルコなどのコットンを使用し、オーガニックコットン100%ものから混紡ものまでいろんな形で提供できる」ことに優位性があります。 リサイクルナイロンやリサイクルポリエステルも糸軸として用意しました。「こうした素材はタフタのような織り方で提供することが多いが、様々な織り方によって提案する。また、素材も複合化することで生地の幅だしをして準備」しています。 キュプラ、アセテートなどのサステイナブル素材を出品するほか、環境に配慮した加工なども提案する予定。同社のブースを訪れることで、サステイナブル素材を幅広く見ることができそうです。 シルクテキスタイル・グローバル推進コンソーシアム 京都の伝統技術を披露 シルクテキスタイル・グローバル推進コンソーシアムは、京都府の伝統産業である西陣、丹後、友禅の3産地の連携を強化する事業で、今回5社がJOBに出展します。 西陣のMORISANは、「NISHIJINORI-KINRAN」シリーズを提案。その一つのJAPANBLUEは青いスリットヤーンを織り込んだ柄で立体感を表現したテキスタイルです。同社の強みは短期間でオリジナル柄を織り上げる技術です。素材開発力に優れる宮眞は立体的な表面感のあるシルク強撚糸織物、エコ素材として注目されているシルク和紙織物などを提案します。 「欧州は魅力的な市場」という創作工房糸あそびは、意匠糸使いが得意です。今回は経緯に4mmテープを使用したシルクリボン織生地、間伐材(再生繊維)を利用してシルクと組み合わせて織った生地などを出品します。田勇機業は丹後ちりめんで培った撚糸・製織技術を展開。「綾朱子意匠」(千鳥格子)はシルク100%で、強撚糸を緯糸に使って風合いを出します。「紋意匠」(Newspaper)は新聞をモチーフにしたジャカード織物です。TAMIYA RADENは着物の帯で培った技術を駆使します。「RADEN TEXTILE」はMother of pearlを糸にして織り込んだ生地。「LEATRHER TEXTILE」はレザーを糸にして織ったもの。和紙に漆を塗って糸にしたものもあります。 <JFW Textile Online Salon:宮眞株式会社> https://jfw-textile-online.com/textile?user=259 ジャパンデニム 環境に配慮したデニムを 広島県からジャパンデニムとして3社が出展します。坂本デニムは、独自開発の電解水と常温水で染めるシステムによってCO2排出を削減し、洗浄薬剤ゼロという環境への負荷を低減しました。今回はこのエコ染色で染めたデニムを出品します。また、天然藍やオーガニックコットン使いのデニム、リーズナブルな価格帯の定番規格デニム生地なども準備しています。 「欧米に当社の加工技術を知ってもらいたい」という山陽染工は段落ち抜染加工、DUSTY加工、BIGGIE加工などを紹介。「日本で当社しかできない加工もある。テキスタイルとして製造から販売まで一貫して行う」のが強みです。3回目の出展ですが、「認知度向上とともに、トレンドや情報なども入手したい」と話していました。 篠原テキスタイルも会社で使うエネルギーを再生エネルギーに転換、他の設備にも省エネ投資を行うなど、環境対策を積極的に進めています。今回の出品する「TP9106」はエコ染色によるテンセルデニムです。「PE9-SOLO」は原着リサイクルペットで作ったデニム調ツイルです。紡績段階で数色をブレンドすることでメランジを表現し、抗ピリング性、摩擦堅牢度にも優れています。 <JFW Textile Online Salon:山陽染工株式会社> https://jfw-textile-online.com/textile?user=243 ![]() 写真:山陽染工の段落ち抜染加工 川越政株式会社 独創的な企画力で 「欧州は未開拓な所も多く、成長の伸び代と考えている」。川越政はロンドンに駐在員事務所を置いて欧州市場を開拓しています。JOBへの参加は今回が初めてです。 同社は日本の様々な産地や中国で生産した商品を在庫しています。合繊、天然系のニットや布帛を販売しています。また、常に新商品開発にも注力しており、多岐にわたる提案が可能です。大手の生地商にない独創的な生地企画力を強みとしています。ジャンルも紳士、婦人、帽子、資材など幅広く展開しています。輸出業務に関しても、専属の担当者を置いて世界各国に輸出実績があります。 今回は再生糸を使ったエコなナイロン素材を出品。洋服だけでなく、カバンなどにも利用できる素材感に仕上げています。ナイロンの特殊製品染加工は、難易度の高い後加工です。オリジナルの生機を加工し、色落ちしたような独特のフェード感を表現しました。 ウールとリネンを使った洗える日本製素材は、日本でもヒットしている生地です。リネンに一工夫を加えることで、高級感のある仕上がりになりました。 ![]() 写真:ウールリネン 豊島株式会社社 サステイナブルを訴求 豊島のJOB出展は3回目です。「テキスタイル輸出に力を入れており、欧州市場は最重要市場」と位置付けています。同社は原綿からテキスタイルまでのコンバーティング力を有し、オリジナル生地開発を行うメーカーの顔に加えて、産地品を欧米既存顧客に販売する商社機能も提供してきました。 今回は廃棄生地や製品をアップサイクルして循環型経済に貢献する「リフィブラ」を使用したニットジャカードを出品します。また、経糸に綿麻、緯糸にテンセルA100を使用し、カジュアルときれいめをミックスした織物も提案します。緯のテンセルにクリンプ加工を施すことで、ポリウレタンを使用しない、軽量で半永久的なナチュラルストレッチを持たせました。さらに遠州地方特有の強風と日光をたっぷりと浴びせて仕上げる天日干し加工を施しました。独特なドライタッチ風合いと自然乾燥ならではのシワ感、そして通常より25~50%少ない水で行われるサステイナブルな染色加工が特徴です。 テンセルのラグジュアリーライン「TENCEL LUXE」を使用したカール・マイヤーも打ち出します。エコ・サステイナブル素材でありながらも高級感のある風合いと軽量感が特徴です。 <JFW Textile Online Salon:豊島株式会社> https://jfw-textile-online.com/textile?user=246 ![]() 瀧定名古屋株式会社 市場に合わせた提案力 瀧定名古屋はJOBに12回目の出展となります。「欧州と米国では市場に違いがあるが、共通するのは企業規模を問わず、環境配慮型素材が求められていること」と語っていました。今回も「現地バイヤーの声を聴くことで、現地情報をアップデートし、商品開発にフィードバックしていく」考えです。 今回出品する「1060140」は、非常に細かい通気孔でリップストップの織柄を表現しました。撥水、防シワ、ストレッチ機能も備えています。「14-5336」は強撚のトリアセテート複合糸を使ってさらっとした肌ざわりが心地いいダンボール素材。膨らみを感じるスポンジ―な風合いとしなやかなハリ感がシルエットと美しく表現します。 「81-41069」は特殊な後加工で天然素材のような質感が特徴のリサイクルポリエステルを使用。軽量で着心地のいいストレッチ性と速乾性に優れており、仕立て映えのするサステイナブル素材です。 同社は市場に合わせたオリジナル素材を開発しています。日本市場向けに企画した商品を欧州向けに編集した商品と組み合わせたハイブリット提案も行います。豊富なストックオペレーション機能も同社の強みです。 <JFW Textile Online Salon:瀧定名古屋株式会社> |
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