JFW Textile News 一般社団法人日本ファッションウィーク推進機構 
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JFW Textile Fair 2022A/W


INDEX[1] 開催レポート -Part 1- 引き続き感染予防対策講じる


日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)主催の「JFW JAPAN CREATION 2022(JFW-JC2022)」「Premium Textile Japan 2022Autumn/Winter(PTJ2022AW)」が12月7日~8日、東京・有楽町の東京国際フォーラム・展示ホールE(5000平方m)とロビーギャラリーで開催されました。


今回は新型コロナウイルス感染者が減少傾向にある時期でしたが、感染防止対策を引き続き実施いたしました。JFW-JCは52件・293社・187.9小間(昨年は47件・242社・168.9小間)で、PTJは66件・98.5小間(昨年66件・92.75小間)の規模での開催となりました。

来場者数は11,387人(昨年12,626人)と前年を下回りました。新変異株オミクロン株の感染が世界中に広まっており、国内においてもコロナへの警戒感は変わっていません。企業によっては派遣するバイヤー数を制限したところもあったようです。店頭では11月から重衣料が動き出しましたが、衣料市場は元の状態を回復できていません。テキスタイルメーカーにおいても原油価格の上昇を背景に、さまざまな分野でコストアップが生じています。楽観できない状況が続いており、それだけに会場ではバイヤーと出展者の間では真剣な商談が行われました。

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[会 期] 2021年12月7日(火)~8日(水)
[会 場] 東京国際フォーラム 展示ホールE
[主 催] 一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構
[出展者数]
JFW-JC2022:52件・293社/187.9小間(うち海外2件・10社/5小間)
PTJ2022AW:66件98.5小間(うち海外3件/3小間)
[入場者数]11,387人(前年12,626人)


JFW-JC2022、PTJ2022AWの開催レポートを2回に分けてお届けします。

Part.1
来場者の声
出展者の声
Part.2
Textile Workshop ~日本の素材を学ぼう!~
ピッグスキン・ファッションショー「PIGGY'S SPECIAL」
JFW Textileセミナー
30th JFW JAPAN CREATION/21st Premium Textile Japan Anniversary Event


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INDEX[2] 業界の危機感を感じた 来場者の声


「緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などが続いた1年だった。オンラインで生地を見ることもできるが、やはり生地に直接触れることができたのはうれしい」(アパレル)、「会場を訪れると元気をもらえる」(アパレル)、「有人の対面での説明が良かった」(商社)。昨年同様に新型コロナウイルス禍が続いており、第5波と第6波の狭間にあるような12月開催でした。約2年にわたるコロナ禍によって、私たちの生活やビジネスは、様々な感染防止対策に慣れてきた感があります。「会場は感染予防対策がしっかりしており、コロナ感染の心配はあまりしていない」(アパレル)方が多かったようです。

今回は午前中の来場者が比較的少ないという傾向があったため、「来場者が少なかった」(問屋)という見方もあれば、午後に訪れた来場者は「例年通りだった」(商社)と話されていました。


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5月のPTJ展に続いてサステイナブル(持続可能な)素材の打ち出しが特徴となりました。「再生ポリエステルの情報がよくわかった」(アパレル)、「探していたサステイナブル生地があった」(アパレル)、「前回以上にサステイナブル素材が増えていて良かった」(デザイナー)といった声のほか、「たくさんの生地に接することができた」(アパレル)、「明日も来ようと思った」(アパレル)と満足された来場者が多かったようです。

とはいえ、中には「もっと新鮮な提案を見たかった」(商社)、「生地をリスクする企業が増えているが、モノ作りの企業が減っているのではないか。これぞ日本という生地を見たかった」(商社)という感想もありました。トレンドとは別に、挑戦するような生地を探すバイヤーもおられました。


また、「業界の危機感を感じた。織物産業が発展するにはどうしたらいいのか。消費者のニーズをどう汲み上げていったらいいのか。原材料コストの上昇もある。厳しい中にあると思うが、それでも産地にはまだチャンスがあると思う」(商社)といった指摘もありました。


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INDEX[3] コストアップに苦慮 出展者の声


JFW-JCには富山県繊維協会として16社1団体が継続出展しました。織物や経編ニット生地、産業資材などの高機能テキスタイル、スポーツウエアや横編ニット品などの商品開発を行っています。今回は高機能スポーツウエアやSDGsに関連した商品も出品しました。また、前回から独自のオンライン展示会を開始しており、今回も16社を紹介。石川県のかほく市商工会には8社が出展しました。


滋賀県の湖北・長浜市の浜縮緬工業協同組合は「浜ちりめん」を訴求しました。伊吹山の冷たい地下水と湿潤な気候が、シボを生む強い撚糸「水撚り」を実現します。無地であるゆえに織きずなどのごまかしがきかない繊細な絹織物となります。「精錬は共同加工場で行う。アパレルや雑貨、インテリアなど和装以外の分野でも新規開拓していきたい」と話していました。


Bishu Styleに出展したケケン試験認証センターは前年、環境配慮団体テキスタイル・エクスチェンジの認証を紹介していましたが、今回はケケンでしかできない糸ムラ試験や繊維の太さ試験などもアピールしました。ムラが少なく太さが均一な織物はきれいな表面が得られます。欠点が多いと、糸切れにより生産効率も低下します。ベーシックですが重要な試験です。新しい分野では「LED光源に対する耐光試験がある。ウール、コットン、麻に漂白作用を及ぼすことがわかった」と語っていました。一宮市の森保染色は「糸に銅やニッケルのメッキ加工を施すことで電磁波を遮蔽するメッキ糸“メタブレ”」を出品しました。


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初出展の中能登町商工会繊維業部会のテクシるは、「アパレルや学生など反応がいい。名前を知ってもらえたと思う」と手応えを得ました。展示した「NEO能登上布」の楊柳&サテンは、天然の麻の良さを活かしながら、イージーケアで快適な着心地を実現しました。先人より受け継がれてきた伝統やモノ作りの精神を尊びつつ、世界に向けた新たな能登上布の開発に挑戦しています。


丹後織物工業組合は、丹後の間伐材を利用した天然染などを提案。八王子織物工業組合は学生のネクタイデザインコンペの審査を経て製品化されたネクタイを展示しました。「桑の都(マルベリーシティ)というブランドをアピール」していました。

JYTねん糸グループのビエントは、フライヤー式卓上撚糸機「ねじりっこ」を提案しました。「残糸を利用できるサステイナブルな糸作りができる。しかもオリジナル糸になる」とし、細目の糸なら10色以上のミックスも可能。手動で4万円、電動で9万円という価格でした。


サン ファスニング システムズはタロン社のビンテージジッパーを紹介。朝日ファスナーもビンテージジッパーを出品しました。刺繍・エンブロイダリーレースのシャルマン工芸は「エレガンスよりカジュアルなものを探すバイヤーが増えている。小ロット対応も求められている」と述べていました。


「昨年はガウンの縫製に助けられたが、今年はなくなった。いろんな品種をやることで何とか仕事を確保している」という北いわてアパレル産業振興会。イワテメイドアパレルプロジェクトを昨年6社で結成しましたが、今年は10社にメンバーが拡大しました。岩手県の縫製工場からファクトリーブランドを誕生させるのが目的です。「技術者は高齢化していく。若い人にとって魅力のある産業にしていかないと未来はない」と懸念。これは製織業などにとっても共通する悩みです。


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PTJに初出展したスタイレム瀧定大阪17課は柄物を中心に扱い、「意匠性とサステイナブル素材を訴求」しました。ジャカード、レース、プリントなどを展開します。「周囲のブースを見ると、工夫を凝らしている。集客力もある展示会であり、次回は見せ方にも力を注ぎたい」と話していました。グローブも意匠力に特徴があり、今回はウールのプリントなどを出品しました。


クレッシェンド・ヨネザワは障がい者アートをストールにしました。「パンダ」「泣かないで笑ってよ」「鶏は恐竜の祖先だよ。謹んで食べなきゃ。宇宙薬丸」の3テーマの図案です。今回も他産地とのコラボ作品を展示しました。東レは婦人・紳士、スポーツ・衣料資材、ウルトラスエードの3事業部がサステイナブル素材などを出品。丸井織物は自社生地ブランド「ノト・クオリティ」のナイロン素材を紹介しました。綿200番手級のタイプライタークロスの置き換え素材が注目されました。


第一織物は「開催時期はスポーツ向けには遅いが、かばんや傘などのメーカーへの提案ができる」と、アパレル以外の生活雑貨などの来場者にも訴求していました。宇仁繊維はスポーツやエレガンス素材などを展示したほか、自社の生産背景も紹介。「サステイナブル素材を求める小物雑貨メーカーも訪れた」ようです。コーラルは「全体の来場者数は昨年より少ない感じだが、ブースに来場した人はピックアップしてくれた」という反応。舞台衣装の顧客が多く、ラメやスパンコレクションなどを出品しました。


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カイハラはサステイナブルダイイングとして「D-SPEC」を出展。濃色と大きな芯白が特徴で、色落ちや汚染が少ない加工です。染色工程の洗浄水リサイクルで水を約40%、薬品も約50%削減しています。古橋織布は綿・ウールのタイプライターの厚地などを展開しました。生地を備蓄する柴屋は新規顧客開拓に熱心でした。アウトドア向けには撥水加工が付与された難燃繊維を提案。「キャンプでは焚火の火の粉が飛ぶから」と企画しました。「昨年人気だった抗菌加工などは今年は下火」のようです。


日本ホームスパンにとって「コロナの影響を受けた1年だが、海外向けにも注力しており輸出は良かった」年でした。イチメンは今年を「挑戦する年になった。オリジナルで糸から開発した」と、「UT_WOOL」など開発の成果を会場で披露しました。高野口パイルファブリックの青野パイルは「来場者数はやや少ないが、目的をもって訪問するバイヤーは多い。具体的な商談ができた」とコメント。ここにきてビジネスは回復基調にありますが、「コストアップが気になる」ようです。ダックテキスタイルも「毎月、見積書が変わるほどコストアップしてきた」と話していました。


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吉田染工はこれまで捨てるしかなかったバナナの茎を繊維にした「バナナクロス」を出品しました。1本25kgから500g~700gの繊維がとれるようです。倉敷染もボタニカルダイ、サステイナブルウオッシングを提案しました。鈴木晒整理は長期間保存後に発生しやすいシャツなどの黄ばみを軽減する加工「エターナルホワイト」を発表しました。ソイルリリース効果も兼ねているので、吸水性を保ちながら皮脂汚れや食品の汚れを洗濯で取り除きやすいという特徴もあります。「ナチュラルエアリー」も新商品で、起毛の表面に無撚糸のような軽くふっくらとした質感を与えることができます。山陽染工は「エコやサステイナブル関連素材への加工を提案」しました。水や薬品を減らす取り組みも行っていますが、最近は「薬剤の上昇が著しい」と懸念していました。


溝呂木は「前回よりも新規を含めブースへの来場者が多かった」と、盛況でした。再生ポリエステル100%のラッセルレースのサステイナブルシリーズなどを提案。「自社で企画してきた。図案の修正などは対面でないとできない」と、顧客の要望に応えられるリアル展の良さを指摘していました。SHINDO豊島とのリサイクルナイロンや、オーガニックコットン、リサイクルポリエステルなどのサステイナブル対応商材を打ち出しました。「オンラインカタログもあり、QRコードでつながる」と説明。今回の会場ではこうしたQRコードを利用した提案を行う出展者が増えていました。



海外勢は新型コロナ感染の影響を受けて出展が減りました。JFW-JCでは台湾のTaiwan Textile Federationが8社の規模で出展。米国のPolartecは「リサイクルとエコをキーワードに出品」しました。PTJではトルコのCALIK DENIMが「E-LAST」を提案。「どんな洗い方をしても同じ縮率であがるため、パターンも1つですむ」のが特徴です。イタリアのThermore Japanは5月に発売開始した「ジニアス」を発表。洗うほどに型崩れが少なく、保温性も増すという中綿でした。


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INDEX[4] 2022年 JFW主催テキスタイル事業 実施スケジュール

Premium Textile Japan 2023 Spring/Summer

会期 2022年5月25日(水)・26日(木)
会場 東京国際フォーラム ホールE
※出展エントリーは締切りました。

JFW JAPAN CREATION 2023

会期 会期:2022年11月1日(火)・2日(水)
会場 東京国際フォーラム ホールE
■同時開催:Premium Textile Japan 2023 Autumn/Winter
※出展エントリー受付開始(予定):2022年5月中旬








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