JFW Textile News 一般社団法人日本ファッションウィーク推進機構 
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INDEX[0]JFW Textile Fair 2020A/W
JFW JAPAN CREATION 2020・Premium Textile Japan 2020 A/W

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新規商材を探すバイヤー

開催レポート -Part 2-


日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)主催の「JFW JAPAN CREATION 2020(JFW-JC2020)」「Premium Textile Japan 2020Autumn/Winter(PTJ2020AW)」が11月19日~20日、東京・有楽町の東京国際フォーラム・展示ホールで開催されました。今回は新規出展者が増えたことで、提案素材のバリエーション、新鮮味も加わりました。2日間の商談を終え、無事閉幕いたしました。

 

今回も出展申し込み数は過去最多を数え、厳選された出展者によりJFW-JCは84件・294社/210.3小間(うち海外出展者9件・19社/19.5小間)、PTJは85件/116.5小間(9件・9小間)で開かれました。

来場者数は1万6811人(昨年1万7220人)とほぼ前年並みを維持しました。消費増税も重なり、衣料市場は苦戦しています。それだけに新しい商材を探すバイヤーが多く見受けられました。海外からも中国を中心に多くのバイヤーがブースを訪れ、日本素材への期待感が感じられました。



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[会 期]

2019年11月19日(火)・20日(水)

 

[会 場]

東京国際フォーラム ホールE

 

[主 催]

一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構

 

[出展者数]

PTJ2020AW:85件116.5小間(うち海外9件/9小間)
   PTJ出展者一覧 ⇒

JFW-JC2020:84件・294社/210.3小間(うち海外9件・19社/19.5小間)
   JFW-JC出展者一覧 ⇒

 

[来場者数]

総数16,811人(前年比97.6%)



PTJ2020AW、JFW-JC2020の開催レポートを2回に分けてお届けします。

   Part.1(配信済み⇒記事ページへ

 

・来場者の声

・出展者の声


   Part.2

 

・Textile Workshop ~日本の素材を学ぼう!~

・13th FORM PRESENTATION -第13回産学コラボレーション-

・PIGGY’S SPECIAL ピッグスキン・ファッションショー



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Textile Workshop ~日本の素材を学ぼう!~

和歌山ニットと北陸合繊を紹介

PTJ関連プログラムとして開かれた「Textile Workshop~日本の素材を学ぼう!~」は、JFW-JC、PTJ出展の産地企業人を講師に招き、繊維業界人となって間もない(職歴5年未満)商品企画などの若手社員を対象に、寺子屋風に素材や産地への理解を深めてもらうのが目的です。

 

初日(11月19日)は、第1部はJFWテキスタイルコーディネーターの井上佐知子氏、久山真弓氏、第2部はカネマサ莫大小(和歌山産地)の百間谷和紀社長が登壇されました。

 

第1部(基礎講座)では繊維の基礎知識として「生地の規格・単位・幅と長さ」を説明。幅はcm、長さはmで表示され、1反は産地によって異なりますが、30~50mです。19の繊維産地の概要を紹介するとともに、とくに尾州、北陸、和歌山産地については、アンケート調査による生地価格、ロット、アップチャージ、納期などのビジネス情報も提供しました。受講生は「基礎知識や産地の概略が聞けてよかった」「アンケート調査の数字はリアルでビジネスに役立つ」と、産地への認識を深めました。



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第2部(産地レクチャー)の百間谷社長は和歌山産地が1909年に始まり、吊り機から、両面機への移行、昨今はトータルファッション産業への脱皮、アパレルへの直販を始めていると紹介しました。カネマサ莫大小の「莫大小」は、「大小なし。伸び縮みするメリヤスの意味」と、豆知識も披露しています。

現在、和歌山は丸編ニット生地生産国内第1位。同産地で生産された確かな品質のニットを、「WA Knit made in WAKAYAMA, Japan」と認定しています。また、「和歌山産地は比較的元気な産地」で、若い世代が産地を担うようになってきたと話していました。「ニットにはフォローの風が吹いている」とも述べ、織物と違って経糸整経の工程がなく短納期化が図れる、布帛のようなジャージーのセットアップが市場で人気と説明しました。

 

同社はハイゲージ・高密度に注力し、独自開発機械で海外から評価されています。テキスタイル事業では、糸や加工も別注にこだわった風合いを重視し、特注の機械で世の中にないものを作り出すことに専念しています。「いい生地を作るため、あえてオーバースペックの機械を装備」しています。最近はスーパーファインゲージ(36~44G)のシングルジャカードに特化しており、オリジナルの糸を常に開発しています。

販路は大手コンバーターだけでなく、国内外の有名アパレルと直接取引も行い、バイオーダーでの小ロット対応と短納期を実現。年2回のプルミエール・ヴィジョン、ミラノ・ウニカを中心にコレクションを発表し、独創性を訴求しています。

「世の中はファストファッションが力を持ち、アパレルが苦戦している。しかし、モノ作りをしっかり行うアパレルは元気がある。安い生地を使っても売れない。オリジナルの生地で差別化を図ることが大事」、「多くの人にもっと産地を知ってもらいたい」と語りました。

 

受講者は「いいモノ作りに挑戦しようというメッセージが伝わってきた」「技術の説明も良かったが、若者に向けた社長のメッセージが直接聞けて良かった」「新しいモノ作りの話は共感できた」とコメントしていました。



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2日目の第2部には天池合繊(北陸産地)の天池源受社長が登場されました。石川、富山、福井にまたがる北陸産地は絹・化合繊ベースの複合織物とニットの産地で、とくにポリエステルの織りと加工は日本を代表します。「輸入の増加で、工場数はピーク時の10分の1に減ったが、生産数量はそこまで落ちていない」と現状を紹介しました。

 

天池合繊は1956年の創業。スポーツウエアや産業資材などの織物を生産してきましたが、2006年に1平方m:5gという世界最軽量の「天女の羽衣」を自社ブランドとして開発しました。これは当初、印刷やフィルター用のスクリーンメッシュを作るために開発したものです。整経機に糸を掛けても、糸が見えないくらいに細く、針で1本1本を分けて整経したほどでした。しかし、量産体制が整った段階で、注文がなくなりました。このため、衣料用に向けて自社ブランドとして売り出しました。

とはいえ、国内ではなかなか新素材が理解されませんでしたが、日本貿易振興機構(ジェトロ)のミラノ商談会に出品することで、多くの海外ラグジュアリーブランドに評価されました。2013年にはパリのシテ科学産業博物館で世界一薄い織物として展示されました。6月の「G20サミット2019」で海洋プラスチック再生糸を使ったスカーフを各国ファーストレディーに納品したエピソードなども紹介しました。

 

参加者は「話には聞いていたが、本物を触り、空気をまとう感じにびっくりした」「服だけでなく、アートの分野でも使われていることを知った」と感想を述べました。天池社長は「特殊な分野なのでどこまで理解されるかと思ったが、興味を抱いてもらえた」とコメントしています



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13th FORM PRESENTATION

                          -第13回産学コラボレーション-


デジタル世代がアナログの技を駆使

人材育成産学コラボレーション「FORM PRESENTATION」(繊維ファッション産学協議会主催)が東京国際フォーラムのロビーギャラリーで開かれました。8校8グループが天池合繊の「天女の羽衣」を使い、「トランスペアレントな冬」をテーマに作品を発表しました。

 

これは同協議会が主催する6月の「羽衣大学」を受講することから始まりました。東京ではファッション専門学校・美術大学の学生など260人が、大阪では約60人が参加しました。世界で一番薄く軽い素材「天女の羽衣」で知られる天池合繊の天池源受社長が、石川県七尾市でのモノ作りを紹介。天女の羽衣がラグジュアリーブランドなどに採用されている実例を語りました。参加希望者はポートフォリオを提出し、審査を通った8校8グループが七尾市の天池合繊を訪問して現場を見学、提供された生地を使って作品を発表しました。



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エスモードジャポン東京校の「ダーク」グループは「ゴースト」をテーマにしました。天女の羽衣で中わたを包んだ「金縛り」、ライダースジャケットと合わせた「憑依(ひょうい)」、モード感のあるジャンプスーツ「せつなさ」を出品しました。
学生は「裁断、縫製が難しかった。薄い紙と一緒に縫うことでやっと縫製できた。使うミシン針も自分たちで探した」といった苦労がありました。「制作前に初めて工場を見学し、生地を作ることの大変さがよくわかった。現場をみることができたのはいい体験だった」と話していました。学生は天池合繊のサンプル室も見学し、30分以上も熱心に見入っていたようです。

 

文化服装学院の「イング」グループは「遊牧民」をテーマに、ダウンを制作しました。廃棄されるフェザーを染色し、捨てられる残糸でリブを編みました。「普段着として着られるものに落とし込んだ。天女の羽衣にも羽根柄を転写プリントして透明感も訴求した。フェザーを押さえる熱接着や縫製が難しかった」(学生)ようです。来場者は「天女の羽衣をダウンに使うというのは、学生らしい新しい発想で驚いた」とコメントしていました。

 

同協議会は「今回で13回目。天女の羽衣は難易度が高い新しい素材。それだけに学生も挑戦のしがいがあった。学生が発表の場で、来場者にプレゼンテーションするのも特徴だが、最近は学校側もプレゼンの授業に力を入れており、なかなか上手だった。ポートフォリオ作成もパソコンの進化でうまくなっている。かつてはオブジェのような作品があったが、日常でも着られるものを目指した。デジタル世代がアナログの技を駆使した」と評価していました。




□展示発表作品の審査結果

最優秀賞

文化服装学院

Ing/イング

photo_最優秀賞
文化服装学院
Ing/イング

優秀賞

エスモードジャポン東京校

DARK/ダーク

photo_優秀賞
エスモードジャポン東京校
DARK/ダーク

HAGOROMO賞

名古屋モード学園

Vague/ヴェイグ

photo_HAGOROMO賞
名古屋モード学園
Vague/ヴェイグ





PIGGY’S SPECIAL ピッグスキン・ファッションショー

ピッグスキンの魅力を訴求

東京製革業産地振興協議会主催のピッグスキン・ファッションショー「PIGGY’S  SPECIAL」が11月20日、東京国際フォーラムのロビーギャラリーの特設ステージで開催されました。豚革は国内で唯一自給できる素材。ソフトな革、スエード、非クロム、各種仕上げ方法など技術開発も進んでいます。今回は11校の学生のほか、プロ部門として横澤琴葉<kotohayokozawa>、山下達磨<NAPE_>、三浦メグ<MEGMIURA>の3デザイナーがピッグスキンを使ったショーを行いました。

 

横澤氏は定番のプリーツを施したトップスを、ピッグスエードで再現することに挑戦。「鮮やかな発色や滑らかなスエードの風合いはピッグスキンならでは。細かなプリーツ加工ができることに驚いた」と話していました。

山下氏はウオッシャブルスエードと発熱機能性トリコットを掛け合わせることで、普段使い可能なデザインにしました。「ピッグスキンはしなやかな風合いで使いやすく、社会的にも持続可能な素材」という感想です。

三浦氏はピッグスキンの装飾性を追求しました。「革ならではのハードな面と女性の身体に寄り添うソフトな面が表現できた」とコメントしました。



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2020年度 JFWテキスタイル事業スケジュール

■国内展


Premium Textile Japan 2021 Spring/Summer

  photo_logo_PTJ

会期:2020年5月13日(水)・14日(木)

会場:東京国際フォーラム ホールE

    ※出展エントリー受付は締め切りました


JFW JAPAN CREATION 2021

  photo_logo_JFWJC

会期:2020年11月18日(水)・19日(木)

会場:東京国際フォーラム ホールE

■同時開催
Premium Textile Japan 2021 Autumn/Winter

    ※出展エントリー受付開始(予定):2020年5月中旬




■海外展


□“The Japan Observatory” at Milano Unica

  photo_logo_Milano Unica

2021 Spring/Summer

   会期:2020年2月4日(火)~6日(木)

   会場:Rho Fieramilano

     ※出展エントリー受付は締め切りました


2021 Autumn/Winter

   会期:2020年7月7日(火)~9日(木)

   会場:Rho Fieramilano

     ※出展エントリー受付開始(予定):2020年2月中旬


□Intertextile Shanghai Apparel Fabrics

  photo_logo_Japan Pavilion

Japan Pavilion 2020 Spring Edition

   会期:2020年3月11日(水)~13日(金)

   会場:中国 国家会展中心(上海) 

     ※出展エントリー受付は締め切りました


Japan Pavilion 2020 Autumn Edition

   会期:2020年9月23日(水)~25日(金)

   会場:中国 国家会展中心(上海)

     ※出展エントリー受付開始(予定):2020年3月中旬









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