JFW Textile News 一般社団法人日本ファッションウィーク推進機構 
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INDEX[1]過去最大規模で盛況のうちに閉幕 開催レポート - Part.1 -
  開催レポート -Part 1-

日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)主催の「JFWテキスタイル・フェア 2017秋冬」が11月29日~30日、東京・有楽町の東京国際フォーラム・ホールE(展示ホール)で開催されました。「Premium Textile Japan 2017Autumn/Winter(PTJ2017AW)」、「JFW JAPAN CREATION 2017(JFW-JC2017)」で構成、さまざまな関連プログラムも催され、無事閉幕しました。

 

過去最大規模となった今回は、PTJが85件・115.6小間(昨年実績88件・120小間)、JFW-JCが98件・304社・218.2小間(97件・279社・227.9小間)でした。うち海外からの出展はPTJが5件・5小間、JFW-JCが6件・34小間です。

開催前は国内の衣料商戦が厳しいため、来場者減も一部懸念されましたが、来場者数はほぼ前年並み(約1万6285人)で、会場は活況を呈しました。商戦の厳しさが、バイヤーに何か新しい素材はないかという動機付けにつながったと推測されます。また、「J∞クオリティー商品認証制度」など国産商品の見直しが続く中で、出展者も新たな素材開発に取り組んできた成果といえるでしょう。新商品のPR、商談の場として国内最大級のテキスタイル展という位置づけはますます高まっています。


photo_JFW テキスタイル・フェア 2017A/W 活況を呈した2日間でした! 開催レポート -Part 1-  01

[会 期]

2016年11月29日(火)~30日(水)

[会 場]

東京国際フォーラム ホールE(展示ホール)

[主 催]

一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構
JFWテキスタイル事業運営委員会

[出展者数]

PTJ2017AW:85件115.6小間(うち海外外5件5小間)
   PTJ出展者一覧 ⇒
JFW-JC2017:304社218.2小間(うち海外6件34小間)
   JFW-JC出展者一覧 ⇒

[来場者数]

総数16,285人


PTJ2017AW、JFW-JC2017の開催レポートを2回に分けてお届けします。


Part.1

 

・来場者の声

・出展者の声

・Textile Workshop ~日本の素材を学ぼう!~

Part.2(次回配信)

 

・FORUM
・10th FORM PRESENTATION -第10回産学コラボレーション-
・PIGGY’S SPECIAL ピッグスキン・ファッションショー


photo_JFW テキスタイル・フェア 2017A/W 活況を呈した2日間でした! 開催レポート -Part 1-  02



来場者の声

元気をもらえました!

「大変活気のある展示会だ。アパレルが日本の素材に注目している証し」とコメントされたのは団体職員の方。「昨年来、多くのアパレルの売上高が伸び悩み、地方百貨店の閉鎖が話題になっている。それだけに新しい素材を探しに会場に来ているのではないか」と語っていました。物流関係の方も「日本の繊維産業は衰退と聞いていたが、予想外に元気な姿を見た」と会場の熱気に驚いておられました。アパレルの方も「ここに来ると、元気をもらえる感じがする」と話されました。現実はどうあれ、明日に向けてのエネルギーに満ちた光景は、元気の源になっています。

 

「いつも来場者が多い」(商社)理由も「いろんな素材があった」(文具メーカー)、「日本の技術の結晶が集まっている感じがする」(アパレル)からでしょう。「レースを一堂に見る機会が少ないが、この展示会はそれができる。見ごたえがあった」(アパレル)と、テキスタイルだけでなく服飾資材などの出展が多いことも魅力のひとつのようです。


photo_来場者の声 01

ただ、PTJが織物短繊維、織物長繊維、染色・後加工、プリント、刺繍・レース、皮革などある程度ゾーニングがなされ、「見やすかった。それぞれ得意分野を絞り込んでいたので、ピックアップしやすかった」(アパレル)のに対し、JFW-JCでは「産地別のブースになっていた」(アパレル)ため、「道順がわかりにくい。素材ごとに分けてくれた方が見やすい」(学生)という声も聞かれました。また「会場が狭い。ブースも狭い。挨拶している人がいると通路がふさがってしまう」(商社)、「もう少しゆったりとした方がいい」(アパレル)という声も引き続きありました。

 

「まだ17春夏の最中なので、17秋冬は早いけれど、空気感を味わうために来た」(デザイナー)と情報収集が目的の来場者もおられます。「新しい素材を探しに来たが、今回は見つけることができなかった」(アパレル)、「面白い素材があったが、市場の価格に合うかどうか」(商社)という方も。こうした声に応えるためにも出展者の更なる開発パワーの発揮が期待されています。


photo_来場者の声 02



出展者の声

国内出展者

PTJ、JFW-JCの成果のひとつは、モノ作りにおいて産地間のコラボレーションを進めてきたことでしょう。今回もピアチェーレは尾州で作った糸を、桐生産地で2重織りにし、さらに尾州で起毛加工した生地を提案しました。「中国がまねできない」テキスタイルでした。産地内の分業工程が劣化するなかで、撚糸や染色などを他産地で行うという取り組みが増えています。

 

「日本に輸入される希少種のスーリーアルパカのほとんどを使用」する早善織物。今回もスーリーアルパカを提案しました。このほか、モヘアグループ、空気を含んだウールの生地なども打ち出しました。長谷川商店はシルク、ウール、綿、リネン、モヘア、カシミヤなど天然繊維を染色して備蓄。撚糸を自社設備で行うことで、短納期対応にも優れる特徴をアピールしました。

 

鈴木晒整理は「19社から生機協賛を得て、それぞれの生地に最適な加工を披露」。日本でしかできない特殊なピーチ起毛と同社の特殊薬剤による加工を組み合わせた生地です。起毛しても光沢感が変わらないといいます。日本形染は遠州で織った細番ローンに、透明な樹脂で柄をプリント、柄のない部分を縮めて凹凸感出すオーガニックワッフル加工を提案しました。


photo_出展者の声 01

「出展ごとに新規取引先を増やしている」のが。今回は特殊撚糸で従来にない絶妙なムラ感、凹凸、シャリ感を実現した三子糸、四子糸使いの綿ツイル素材のほか、組織で柄の凹凸感を表現したガーゼ調の綿ジャカードなどを出品しました。桑村繊維は多品種のストック販売力が強みですが、今回は従来の起毛商品に比べ、よりふわりとボリューム感に富み、ソフトな綿素材を提案しました。カゲヤマは希少価値の高いヤクウール使いで、軽量感、保温性に優れた綿混の起毛ツイルや、綿100%の綾織りを塩縮し起毛したボトム・アウター向け素材などを訴求しました。

 

福田織物はイタリアのミラノ・ウニカ展に出展するなど海外市場開拓にも注力しています。今回は遠州産地のコーデュロイの進化バージョンとして開発した「BECCO」などを展開しました。コーデュロイ組織をベースに幾何学模様をパイルで表現したもので、軽く、ソフトな風合いです。古橋織布もミラノ・ウニカに出展していますが、今回は9月のミラノ・ウニカ展で好評だった素材を披露。綿30双の甘撚りの平織に起毛した素材が人気ですが、さらにランダムなシワ加工を施した後で起毛をかけ、最後に樹脂コーティングで反発性も持たせた素材を展示しました。ストレッチラッセル編み地のヴィオレッタは、アウター分野の拡大を目的に出展し、「一定の成果を収めている」と述べていました。

 

宇仁繊維は「今回が最も商談ができた」と盛況でした。約3万点という豊富な備蓄機能をアピールし、短納期という点でもアパレルやデザイナーの購買意欲を高めたようです。柄の提案にも開発力を注ぎ、インクジェットを含むプリントの提案も人気でした。


photo_出展者の声 02

丸井織物も来場者の多いブースです。今回は新ブランド「NOTO QUALITY」を発表しました。「使う人が心地良いと感じる」をコンセプトに、5つのカテゴリーを設けて訴求しました。第一織物は上質な高密度織物を提案しました。「輸出比率が欧州を中心に7割を超えている。内外バランスを是正するため、国内向けを強化するための出展」です。ケイテー・テクシーノは「KANTIAN」をメンズカジュアル用途に発信。ポリエステル100%のレザー調、光沢、杢感、ストレッチなど幅広い素材を提案しました。山越の魔法の糸「ゆらぎ」は1本の糸で色の濃淡を出すもので、会場で好評でした。

 

サンコロナ小田はプルミエール・ヴィジョンで評価の高かった薄地織物を紹介。また、「セカンドスキン」「ナチュラリー」「スーパーファイン」「ファンシー」と4つのカテゴリーを設けて提案しました。東レはソフトストレッチ織・編み物「プライムフレックス」のバリエーションを訴求したほか、UVなどの高機能素材も打ち出して、技術力をアピールしました。

 

テキスタイル以外の出展も、この展示会の幅を広げています。SHINDOはPTJ会場で「再帰反射ニットストレッチテープ」を出品しました。欧州のEN471に準拠し、縫い代に組み込むことも可能。5mmサイズで、ストレッチ性があり、身生地を問わず縫製でき、身生地と縫製糸との配色組み合わせもできます。新潟県の田中刺繍は秋のPTJにのみ出展。ニードル、スパンコール、コード刺しゅう、ビーズ、ひも、レーザーカットなど刺しゅう加工の豊富さが強みです。

 

JFW-JC会場では手刺繍工房ラジューがインドの手刺繍を紹介しました。千葉でインド人職人がサンプルを作り、インドのラクナウで本生産。会場では実演とともに、刺しゅう絵も飾っていました。島精機製作所は「SDS-ONE APEX3」でバーチャルサンプルを提案しました。アパレルだけでなく、出展者もコスト削減や短納期化で興味を示していました。9月から開始した過去50年分のファッション&トレンド情報などを提供するWEBサービス「staf」にも来場者は目を留めました。


photo_出展者の声 03


海外出展者

台湾のFORMOSA TAFFETA社は5回目の出展でスポーツ素材が得意です。1999年からベトナムで生産し、「2013年から透湿防水素材、今年からラミネート加工も施す」と機能化が進んでいます。糸から織り、染め、加工まで一貫生産していますが、「トランプ・ショックでTPPが頓挫しても、欧州や日本向けにはメリットがある」と、ベトナム生産にそう大きな影響はないと話していました。Yalta Industrial社は2回目の出展。コンピュータジャカードの生地を提案しました。「欧米向けが中心だが、日本は安定市場になる」と期待。Tai Yuen Textile社は初出展で、デニムが得意です。

 

韓国繊維産業連合会(KOFOTI)は「中国素材に比べ、韓国は機能性とエコに特徴がある」と今回、12社を率いて出展しました。インドのEASTERN SILK INDUSTRIES社はPTJ出展8回目の常連で、手織りやシルク混のウールストールを出品。イタリアからは中綿メーカーのThermore Japan社が保温断熱綿を紹介しました。「2年前に日本支社を設立。この展示会の存在をネットで知った。認知度の向上と新商品紹介が目的」と話していました。


photo_海外出展者の声 01



Textile Workshop ~日本の素材を学ぼう!~

2016年5月のPTJ2017SS展から、新たなプログラムとして「Textile Workshop~日本の素材を学ぼう!~」をスタートし、今回は秋冬シーズンに合わせて「パイル織・編物」と「ウール素材」をテーマに開催しました。

 

PTJ初日(29日)の「Textile Workshop」は、日本の19の繊維産地の概略紹介とともに、妙中パイル織物(株)の妙中清剛社長が高野口パイル産地の素材特徴などを説明しました。同企画はアパレル、小売、メゾンなどで働く職歴5年未満の若手社員を対象に、日本製素材への認識向上を目的としたもので、毎回15~20人が受講しています。


photo_株Textile Workshop ~日本の素材を学ぼう!~ 01

妙中社長は「パイル織物に特化した産地は、世界でも高野口しかないだろう」と産地を紹介。パイル織物のルーツである「再織」は明治時代に考案され、戦前は内外で高く評価されました。しかし、モールを作って織るという手工業的製造技術のため、一時は消滅しかけましたが、同技術の近代化に取り組むことで、新たに寝装やインテリア用品への展開を進めていると現況を語りました。

自社製品として、コットンベルベット、レーヨンのファー、車両用モケットなどを紹介。「化粧用パフは、繊細な糸を使うため開発に3年を要したが、一番売れている」と。また、受講者に向けてサンプルを注文するだけでなく、「こんな商品がほしい、ここに不満があるといった声も聞かせてほしい」と付け加えました。そうしたキャッチボールが素材を進化させます。

 

2日目は早善織物(株)の早川隆雄社長が尾州産地とウール素材を説明。スーリーアルパカなど高級獣毛素材を扱う同社らしく、ウールの長所と欠点の説明だけでなく、「一般のアンゴラはアンゴララビット。もうひとつアンゴラヤギもいるが、こちらはモヘアと呼ばれる」などさまざまな獣毛についての知識も提供されました。また、尾州産地の成り立ちでは、明治時代は綿と絹の交織が盛んでしたが、濃尾大地震で綿作ができなくなり、羊毛工業に注目して大正期にウールの産地になったなどの話に、受講者は驚きの表情で聞いていました。普段聞けないような話に、受講者は改めて素材の奥深さを知ったようです。


photo_株Textile Workshop ~日本の素材を学ぼう!~ 02



INDEX[2]JFWテキスタイル事業 2017年度スケジュール

■国内展


 

Premium Textile Japan 2018 Spring/Summer

  photo_logo_PTJ

会期:2017年5月9日(火)~10日(水)

会場:東京国際フォーラム ホールE

※出展エントリー締め切りました


 

JFW JAPAN CREATION 2018

Premium Textile Japan 2018 Autumn/Winter

  photo_logo_JFWJC

会期:2017年11月28日(火)~29日(水)

会場:東京国際フォーラム ホールE

※出展エントリー受付開始(予定):2017年5月中旬



■海外展


 

□“The Japan Observatory” at Milano Unica

  photo_logo_Milano Unica

2018 Spring/Summer
会期:2017年2月1日(水)~3日(金)
会場:Rho Fieramilano

※出展エントリー締め切りました

 

2018 Autumn/Winter
2017年7月11日(火)~13日(木)
会場:Rho Fieramilano
※出展エントリー受付開始(予定):2017年1月中旬


 

□Intertextile Shanghai Apparel Fabrics

  photo_logo_Japan Pavilion

Japan Pavilion 2017 Spring Edition
会期:2017年3月15日(水)~17日(金)
会場:中国 国家会展中心(上海)

※出展エントリー締め切りました

 

Japan Pavilion 2017 Autumn Edition
会期:2017年10月11日(水)~13日(金)
会場:中国 国家会展中心(上海)
※出展エントリー受付開始(予定):2017年3月上旬




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