JFW Textile News 一般社団法人日本ファッションウィーク推進機構 
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INDEX[0]JFW Textile Shows in 2016

INDEX[1]過去最大規模で盛況のうちに閉幕 開催レポート - Part.2 -

日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)主催の「Premium Textile Japan 2016Autumn/Winter(PTJ2016AW)」、「JFW JAPAN CREATION 2016(JFW-JC2016)」が11月25日~26日の2日間、有楽町の東京国際フォーラム・展示ホールで開催されました。テキスタイル・ビジネス商談会として人気の高いPTJ2016AWは、今回が10回目とひとつの節目でもありました。過去最高の出展応募の中から88件(120小間)がホール2を中心に出展しました。国内唯一の繊維総合見本市であるJFW-JC2016には、279社(227.9小間)がホール1に出展しました。ともに過去最大規模での開催です。

 

初日夜にはPTJ開催10回目を記念して「JFW Textile Night ~ 10th Anniversary of  PTJ ~」を開きました。また、東京国際フォーラムのB1階(ロビーギャラリー)には「JFW-JCレザークリエーション」を開設し、毎回大型出展を果たすレザー関連4団体の展示ブースを集積して、ジャパンレザーの素晴らしさをアピールしました。


photo_過去最大規模で盛況のうちに閉幕 開催レポート - Part.2 - 01

[会 期]

2015年11月25日(水)~26日(木)

[会 場]

東京国際フォーラム 展示ホール

[主 催]

一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構
JFWテキスタイル事業運営委員会

[出展者数]

PTJ2016AW:88件120小間(うち海外外4件4小間)
   PTJ出展者一覧 ⇒
JFW-JC2016:279社227.9小間(うち海外25社35小間)
   JFW-JC出展者一覧 ⇒

[入場者数]

総数17,088人


PTJ2016AW、JFW-JC2016の開催レポートを2回に分けてお届けします。


Part.1(配信済み⇒記事ページへ

 

・来場者の声

・出展者の声

・ビジネスマッチング・プログラム

Part.2

 

・JFW Textile Night ~10th Anniversary of PTJ~
・JFW-JCレザークリエーション
・FORUM
・9th FORM PRESENTATION -第9回産学コラボレーション-


photo_過去最大規模で盛況のうちに閉幕 開催レポート - Part.2 - 02



JFW Textile Night ~ 10th Anniversary of PTJ ~

PTJ開催10回目を記念して11月25日夜、東京国際フォーラムGラウンジでは「JFW Textile Night ~ 10th Anniversary of  PTJ ~」が開催され、関係者約80人が集まりました。会場ではPTJ継続10回出展者18社とJFW-JC継続10回出展者6社の合計24社が表彰されました。

 

三宅正彦JFW理事長は「第1回PTJは2011年の東日本大震災から2カ月後の5月でした。当時は開催も危ぶまれたが、何とか開催にこぎつけました。その後、回を重ねて今日を迎えることができたのも皆さんのおかげです。その間、海外出展も重ね、日本のテキスタイルは世界に認められる存在になっています。10回はひとつの節目。今後も更に発展させていきたい」と挨拶しました。

来賓を代表して下村彬一日本繊維産業連盟会長は「日本素材の力を海外も認めています。しかし、産地は規模が縮小し、分業の1工程が欠ければ産地の生産基盤に支障が出るなどの課題も抱えています。また、輸出でも販売力が問われています。そうした問題を解決し、輸出で更なる飛躍を遂げてほしい」と述べておられました。


photo_JFW Textile Night ~ 10th Anniversary of PTJ ~Premium Textile Japan Night 01

受賞者の宇仁繊維は「展示会で新規顧客を得ることで、会社が発展してきました」、久山染工は「継続は力なり。出展した最初の頃は顧客も少なかったが、継続出展することで、顧客も増えました。今後も新しい開発にチャレンジしていきたい」、日本ホームスパンは「初回は震災の2カ月後でしたが、出展しました。当時は皆さんに様々な言葉をかけていただいた」と振り返っていました。畑岡/足羽工業所も「継続出展で多くの顧客に評価されました。毎回、出展できたことにも意義があります」と話されていました。


【PTJ継続10回出展者】

 

糸の音、イマダ、宇仁繊維(株)、落合レース(株)、カイハラ(株)、カツミ産業(株)、(株)コーラル、高島商事(株)、(株)谷川、敦賀繊維(株)、東レ(株)、(株)日本ホームスパン、畑岡(株)/(株)足羽工業所、(株)ピアチェーレ、(有)久山染工、古橋織布(有)、ミワ(株)、渡辺パイル織物(株)

【JFW-JC継続10回出展者】

 

(株)タナベ刺繍、マジカ(株)、CSS(株)、(株)松井ニット技研、天池合繊(株)、前多(株)




JFW-JCレザークリエーション

東京製革業産地振興協議会、東京皮革製品展示会実行委員会、兵庫県皮革産業協同組合連合会、和歌山県製革事業協同組合の展示ブースを集積し、来場者に“JAPAN LEATHER”の魅力をアピールする「JFW-JCレザークリエーション」が、東京国際フォーラムのロビーギャラリー約380平方メートルを使用して開かれました。同コーナーの入り口付近には「JFW-JCレザークリエーション」専用のインデックスコーナーも設置しました。

 

出展者の兵庫県皮革産業協同組合連合会の北野和夫事務局長・専務理事は「連合会から約40社が参加しました。今回はJFW-JCの顔のような場所での大型出展。兵庫は国内牛皮の7割、馬皮も8割を占めます。“ひょうごの天然皮革”をアピールし、需要を開拓したい」と語っておられました。会場には「兵庫レザーコンテスト2015」の作品も展示。厚さ0.1mmの牛皮は、シャツやスカーフなどの用途を想定されていました。

 

フォーラムで「ジャパンレザーの魅力」を講演された(株)ジャルフィックの池田正晴代表は「日本はホルマリンを使わずに安定した白を表現できます。この技術と管理力には欧州のラグジュアリーブランドも驚いています。白ができるから、鮮やかな色彩の表現もできます」と述べておられました。4団体が集結した今回について、「インデックスコーナーができました。最近はレザーを部分使いした衣料も多く、ニットに合うレザーを探す人には便利でしょう。手洗い可能なウオッシャブルレザーもあります」とコメントされました。


photo_JFW-JCレザークリエーション 01



FORUM

第一線で活躍する講師陣が日本のテキスタイルやファッション、マーケットの最新情報やテーマに沿った解説を語る“Forum”。今回も旬な話題をテーマに、4本のフォーラムが開催されました。


□「シルクでイノベーションを ~世界一薄いシルクへの挑戦~」
 

齋藤 栄太 氏/齋栄織物株式会社 常務取締役


photo_齋藤 栄太 氏/齋栄織物株式会社 常務取締役

当社がある福島県の川俣地方は1400年前の飛鳥時代から伝わる繊維産地です。もともと軽いシルクの羽二重を特徴とし、主に婚礼衣装に用いられ、かつては隆盛を極めました。ところが婚礼衣装が和装からウェディングドレスに移るに従い、着物の裏地を主力にする川俣産地にも構造変革が求められました。そうしたなか、「川俣シルク」に存在感を持たせるために開発されたのが“世界一薄くて軽いシルク”でした。

産地内には悲観的な空気が漂っていましたが、こうした特徴がなければ生き残っていけない、との考えから取り組みました。さらにはネーミングも必要になるとの発想から、今日でいうブランディングにも着手。その代表が「fairy feather」(妖精の羽)です。製品の特徴は言葉によって理解が深まる、と考えたからです。それとともに自社の力で販路を開拓しようと、かつてのアメリカ向けだけでなく、ヨーロッパに向けてもグローバル戦略をスタート。現在ではアルマーニをはじめエルメスやヴィトンなど多くのラグジュアリーブランドが採用しています。当社のイノベーションは、「新システム」と「新サービス」が両輪です。そこでは機能的な価値とともに意味的な価値が付加されます。それを支えているのが「心を込めたモノづくり」なのです。



□「ファッション表現への視点」
 

山縣 良和 氏/株式会社リトゥンアフターワーズ 代表 デザイナー


photo_山縣 良和 氏/株式会社リトゥンアフターワーズ 代表 デザイナー

山陰地方で高校まで過ごし、卒業後に大阪の服飾専門学校に入学したものの、1年で退学しました。学科がファッションビジネスコースだったからで、デザインを学ぼうとロンドンのセントラル・セントマーチンに留学しました。留学中にはデザイナーのアトリエで、数多くインターンとして働きました。その中にはアレキサンダー・マックィーンやジョン・ガリア―ノもあって、なかでもジョン・ガリア―ノには学校を休学し、1年間アシスタントをやりました。

その後、帰国してwritten after wardsを設立するのですが、ブランドの意味するところは「その後に書かれた…」です。現在、会社は東京の神田にありますが、暇があると神田の本屋街に出かけます。そこで出会う本から発想が広がります。本だけでなく、興味深く見ていたものがコレクションに反映します。たとえば「酉の市」の熊手などをみると、そこには沢山の神々が現れ、それが自分の中では“服の神様”に広がっていく。ファッションにはキャパシティが欠かせません。その広さから可能性が生れると思っています。



□「ジャパンレザーの魅力」
 

池田 正晴 氏/株式会社ジャルフィック 代表


photo_池田 正晴 氏/株式会社ジャルフィック 代表

イタリアのレザーが牽引してきた“植物タンニンなめし革”が、日本に浸透して約10年が経過しましたが、皮革の潮流はこのコンセプトの登場により、ナチュラルな革の魅力を基本としたものへと大きく変容しました。環境にも優しく、また素材としても経年変化や使い込むことによって、風合いの変化も楽しめる素材は、オーガニックを求める時代の心をすっかり掴んだと言えます。

今シーズンはこれをベースに展開される “本質的な革の魅力”を捉えたシンプルが基調です。これに革の概念を超えるカラー、しなやかな風合、多彩な加工技術や加飾技術などあります。具体的なトレンドをいうと、シンプル、ラグジュアリー、感動(スポーツ)、文化の混交(欧州以外の視点)がテーマとなります。この全体を包含しているのが、ソフト化であり、布帛(繊維)との融合です。そして、日本のレザー業界では、ブランディングとエコへの対応が大きな課題です。



□「パルグループの中長期ビジョン ~売れ続ける躍進の秘訣~」
 

井上 英隆 氏/株式会社パル 代表取締役会長


photo_井上 英隆 氏/株式会社パル 代表取締役会長

当社は、早くからマーケット・インを取り入れ、これがSPA化につながっています。「死筋排除・売れ筋フォロー」を徹底し、最初は売上高の25%ぐらいだったSPA比率が現在は80%に達し、高い粗利益率を得ています。扱いブランドは50程度あり、それを“パルマップ”に落とし込む。タテ軸に「カジュアル」と「エレガンス」、ヨコ軸に「ソフト」と「ハード」というマトリックスに全ブランドをはめ込む。これを時系列に分析すると売れ行きの傾向が分かります。

売れ続けるブランドなんてありません。勝ちパターンは15年寿命というのが自説です。この50あるブランドも打率は3割から4割です。ファッションビジネスにとっては「KDK」、経験と度胸、計数管理が必要で、それを支えるのが人材です。採用で重視するのは「オモロイ奴」で、学歴や学業よりも何か提案してくれそうな人物に注目しています。入社後も「拝啓、社長様」という現場からの提案制度があり、いい提案は事業に採用し、これが成果配分にも反映する。この成果配分も透明化する仕組みで行っています。日本ではファッションの担い手が大人に移行しています。主役が大きく変わりつある。それへの対応をしているさなかにあります。




9th FORM PRESENTATION -第9回産学コラボレーション-

繊維ファッション産学協議会が主催する産学人材育成コラボレーション第9回「フォルム プレゼンテーション」が、展示ホール地下2階のJFW-JC会場前で開催されました。テキスタイルへの深い知識を持ち、そこからクリエーティブなデザイン発想力を持つ人材の輩出を目的とした産学連携事業。今回は東レの協力を得て、「GOUSEN(合繊)」がテキスタイルテーマでした。

6月に大阪と東京で、「GOUSEN大学」が開催されました。学生たちはここで学んだ知識と素材サンプルをもとにして、12校47グループが応募。「極上な日常着」をファッションテーマにした作品の審査が7月に行われ、今回の7校8グループが選出されました。この8グループのメンバーは、東レの瀬田工場で生産の現場に触れる体験をする研修会に臨み、素材に関する見識を更に高めました。

 

東レはマイクロアクリルとレーヨンの混紡糸を使用して発熱・保温機能を有するファッションテキスタイル「クロスウォーム」、特殊な編組織と嵩高起毛加工を組み合わせて軽さ、暖かさ、柔らかさを兼ね備えた「デュベトリコ」、吸汗速乾機能の「ボディシェルドライ」を提供。こうした素材をベースにしたコンテンポラリーで未来を感じさせるニューフォルムを表現した学生の作品が会場で展示発表されました。

 

文化服装学院の「the carefree」グループは新井田彩さん、仙波のどかさん、佐藤百華さんで構成。仙波さんは「軽く、保温性のある素材をどう生かすかを3人で話し合いました。また、70年代の雰囲気を出すためのインクジェットの柄作りにもこだわりました。現代と70年代とを重ねたような表現を目指しました」とコメントしていました。

とはいえ、「10月に生地が届くまで、どきどきでした。通常は学校の購買や日暮里で生地を手当しています。普段触れることもできない生地を使うことは勉強にもなり、喜びでもありました」と、生地にも感動したようです。最終日の閉幕時間にもう一度訪ねると、「2日間、来場者にプレゼンしました。最初はなかなかうまくいきませんでしたが、ようやく伝えることにも自信がつきました」と、明るい表情で答えていました。

 

今回協力した東レの婦人・紳士衣料事業部の園田克之マーケティング担当課長は「ファッション+機能性の素材を提供しました。日本独自の糸を使い、産地で開発しました。その快適な着心地を学生たちに実際に見てもらうのも目的です。秋冬物ということでしたが、防透け+吸汗速乾のボディシェルドライも提供しました。デュベトリコは多層構造のジャージで、軽量で保温性も高く、コーディガンなどにも利用されています。ホームソーイングの店舗も減り、学生が生地に触る機会も減ってきました。だからこそ、普段学生が使ったことのない素材を提供しました。


photo_9th FORM PRESENTATION -第9回産学コラボレーション- 01


□丹治 龍子 チーフコーディネーター / インタビュー

今回で9回目となった「フォルム プレゼンテーション」。8組の作品を展示しましたが、コンテストではなく、あくまで次世代の人材育成が目的です。東レさんの協力を得て、GOUSEN大学で合繊素材の基礎知識を学び、その高度な技術力を知ることができました。ファッションテーマの「極上の日常着」は、エレガントで上質なフレンチラグジュアリーの世界からインスパイアされたものです。70年代の女優ジェーン・バーキンのイメージもあります。

これまでデニム、ウールなどを素材テーマにしてきましたが、合繊は初めてです。ここ2~3年は学生のレベルもかなり高くなり、よりリアルクローズになっています。今風にこなせるだけの作品に仕上がりました。今回参加したグループの皆さんが今後社会に出てからも、目標をしっかり持って素晴らしいクリエーターに成長することを願っています。


□展示発表作品の審査

会期中は学生自らブースに立ち、作品の説明を行いました。学生にとっては、プロの業界人からの厳しくも暖かい意見を聞く貴重な機会となりました。また、来場バイヤー65名(デザイナー、MD、小売バイヤー他)に作品評価を依頼し、評価点の集計による「最優秀賞」と「優秀賞」の選出を行いました。


最優秀賞

優秀賞 東レ賞

エスモードジャポン東京校

HERY

文化服装学院

Rattan

文化服装学院

the carefree

photo_エスモードジャポン東京校

HERY photo_エスモードジャポン東京校 HERY photo_文化服装学院 the carefree




INDEX[2]JFWテキスタイル事業 2015年度スケジュール

■国内展


  photo_logo_PTJ

Premium Textile Japan 2017 Spring/Summer

会期:2016年5月24日(火)~25日(水) 10:00~18:30

会場:東京国際フォーラム 展示ホール1

※出展エントリー受付中:締切り12月24日(木) >>>


  photo_logo_JFWJC

JFW JAPAN CREATION 2017

Premium Textile Japan 2017 Autumn/Winter

会期:2016年11月29日(火)~30日(水) 10:00~18:30

会場:東京国際フォーラム 展示ホール1、2+ロビーギャラリー



■海外展


 

□Milano Unica

  photo_logo_Milano Unica

“The Japan Observatory” at Milano Unica 2017 Spring/Summer
会期:2016年2月9日(火)~11日(木) 9:00~18:30
会場:Fiera Milano City

 

“The Japan Observatory” at Milano Unica 2017 Autumn/Winter
会期:2016年9月6日(火)~18日(木)
会場:Fiera Milano City
※出展募集:2月末~3月(予定)


 

□Intertextile Shanghai Apparel Fabrics

  photo_logo_Japan Pavilion

Japan Pavilion 2016 Spring Edition
会期:2016年3月16日(水)~18日(金) 9:00~18:00
会場:中國國家會展中心

 

Japan Pavilion 2016 Autumn Edition
会期:2016年10月11日(火)~13日(木) 9:00~18:00
会場:中國國家會展中心
※出展募集:3月(予定)




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