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INDEX[0]JFW Textile Exhibition 2015 Autumn/Winter “PTJ2015A/W” “JFW-JC2015”
INDEX[1]明るく活気あふれる2日間でした! 開催レポート -Part.1-

日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)主催の「Premium Textile Japan 2015Autumn/Winter(PTJ2015AW)」、「JFW JAPAN CREATION 2015(JFW-JC2015)」が11月5日~6日の2日間、有楽町の東京国際フォーラム・展示ホールで開催されました。テキスタイル・ビジネス商談会として人気の高いPTJ2015AWは、今回が8回目。過去最高の出展応募の中から68件(93.5小間)がホール2(2000m²)に集結しました。国内唯一の繊維総合見本市であるJFW-JC2015は、269社(219.4小間)がホール1(3000m²)に出展しました。今回は昨年以上に国産素材の見直し機運が高まり、来場者も昨年同様の約2万人が詰めかけたことで、会場全体が明るく活気あふれる2日間となりました。


photo_JFW Textile Exhibition 2015 Autumn/Winter “PTJ2015A/W” “JFW-JC2015”開催レポート -Part.1- 01

[会 期]

2014年11月5日(水)~6日(木)

[会 場]

東京国際フォーラム 展示ホール

[主 催]

一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構
JFWテキスタイル事業運営委員会

[出展者数]

PTJ2015AW:68件93.5小間(内海外2件2小間)
   PTJ出展者一覧 ⇒
JFW-JC2015:269社219.4小間(内海外41社41小間)
   JFW-JC出展者一覧 ⇒

[入場者数]

総数19,889人


PTJ2015AW、JFW-JC2015の開催レポートを2回に分けてお届けします。


Part.1

 

・ビジネスマッチング・プログラム
・来場者の声

・出展者の声

Part.2(次回配信)

 

・FORUM
・8th FORM PRESENTATION −第8回産学コラボレーション−


photo_JFW Textile Exhibition 2015 Autumn/Winter “PTJ2015A/W” “JFW-JC2015”開催レポート -Part.1- 02



ビジネスマッチング・プログラム

PTJ2015AWでは今回もビジネスマッチング・プログラムが実施されました。JFW招待バイヤーを組織し、PTJ出展企業とのビジネスマッチングを個別専用商談室で行うというものです。
アパレル・リテール企業からの招待バイヤーは今回、サンエー・インターナショナル(JILL STUART)、東京スタイル(NATURAL BEAUTY)、レナウン(CHARGE)、イタリー(Pink Champagne)の4社が参加。デザイナーメゾンとして「mame」(黒河内真衣子)、「lessthan*・MIDDLA」(安藤大春)、「Sise」(松井征心)、「YASUTOSHI EZUMI」(江角泰俊)の4メゾンが参加されました。



(株)サンエー・インターナショナル
  ジル スチュアート事業部 ディレクター / 古屋 由紀 氏
ジル スチュアート事業部 チーフデザイナー / 須賀 幸子 氏
生産3課 / 寺尾 信子 氏

「JILL STUART」として今回が初めてのビジネスマッチング(BM)でした。JFW-JCとPTJには素材選びのため、毎回会場に足を運んでいましたが、BMは個別専用商談室での商談のため、相手の方と深く、細かいところまで話ができました。ライセンスのため、企画は本国のコレクションに合致したものになります。これまで展示会ではインデックスコーナーであたりをつけて回っていました。BMは事前に生地を見てから商談相手を決めるというシステムですから、ある程度イメージを絞って商談することができました。

photo_(株)サンエー・インターナショナル

今回は事前に20社ほどのメーカーの生地を見て、その中から3社を選びました。それぞれのメーカーさんと約40分の商談を行いました。事前に見た素材だけでなく、そのメーカーさんの違った側面の生地を見ることができたことも良かったと思います。

とはいえ、20社の生地を見るという作業も時間がかかります。最初にJILL STUARTならこうした素材と、5社くらいに絞っていただければもっと簡単に生地を選ぶことができるかもしれません。しかし、それでは見逃す生地もあるかもしれず、難しいですね。



(株)レナウン
 

チャージユニット ユニットマネージャー / 清水 健一 氏
チャージユニット チーフデザイナー / 星名 弘子 氏


大変実りのある話し合いができました。とくに事前に生地を見てメーカーさんを絞るという手法は合理的です。すでに生地を見ていただけに、実際の商談のときのメーカーさんとの距離感が近く感じました。事前のミーティングというシステムは効率的ですし、いいシステムだと思います。

個別専用商談室は静かですし、落ち着いて話ができました。その生地がどのように作られているのか。こういうことはできないか。こうすればできる。そうした相互のやりとりが、その場でできるこ

photo_(株)レナウン

ともBMならではでしょう。アパレルにとって要望を正確に伝えることができますし、その場で返事ももらえる。話してみて初めてわかることがあり、勉強になることも多いですね。

提案された生地の中には、当社の他のブランドに合うと思われるテキスタイルもありました。百聞は一見にしかずというか、BMは期待していた以上の内容でしたから、他のブランドにもこのシステムを紹介したいという気持ちになりました。



mame
 

デザイナー / 黒河内 真衣子 氏


ビジネスマッチングには初めて参加しましたが、このシステムはバイヤーにとって非常に効率的で良かったと思います。通常、展示会に行っても、人気のあるブースほど多くの人が次々に訪れ、ブース内でゆっくりと生地を見ることができません。私の場合、日本素材がメーンですので、月の半分は東北、北陸、関西などの工場を直接訪れています。そこでじっくりお話しますから、以前よりも展示会の活用から遠のいていました。

photo_mame

今回は20社ほどの生地を事前に見せていただきました。その中からイメージに合う素材を提案された3社の方と、30~40分ほどお会いしました。メーカーの方には「こういう素材が見たい」という要望を事前に出していましたので、商談室ではピンポイントで見ることができました。

クリエーターの場合、取引においてロットの問題が出てきます。そうした場合はチャージアップでお願いしています。いいものを作ろうという思いはあっても、工場も私たちクリエーターもビジネスをしているわけですから、甘えた関係では工場もブランドも伸びません。



YASUTOSHI EZUMI
 

デザイナー / 江角 泰俊 氏


JFW-JC、PTJには来ていましたが、ビジネスマッチングは初めて参加しました。事前に生地を選んで、そのメーカーとじっくり商談するというやり方は大変合理的だと思います。

photo_mame

提案された生地を買う、買わないというだけではなく、機屋と一緒にやっていこうといった取り組みの話もできます。クリエーターはコレクションを発表して、その後に受注します。ですから、最初のサンプル用生地のロットはどうしても少ない。そうしたときに、クリエーターがデザイン提供し、在庫リスクを分け合うといった形も可能ではないでしょうか。

例えば、機屋さんは高い技術力をお持ちです。しかし、デザイン力に欠ける側面もあります。それならクリエーターがテキスタイルデザイナー的に生地をアレンジしてモノ作りに参加する。その生地を買い、残った生地を機屋さんが他社に販売することを認める。それならクリエーターは自分のイメージに合った素材を作れますし、機屋さんも残った生地を自由に販売することができます。クリエーターの注文はロットが少ないといった条件面をクリアできるのではないでしょうか。

そうしたイーブンな関係を作っていくことが、両者の関係を長続きさせると思います。



photo_ビジネスマッチング・プログラム



来場者の声

バリエーションが豊富

ストールでも有名なイタリア・フィレンツェのテキスタイルメーカーであるファリェロサルティ社

photo_来場者の声 03

のマウリッジオ・サルティ氏が来場されていました。「9月のミラノ・ウニカ展に日本企業が参加し

、関係者から日本の生地を見に来ないかとこの展示会に誘われました。シャトル織機のデニムが多く、興味を持ちました。当社はアッパーエレガンス系でフィールドが異なりますが、バリエーションの豊かさに驚きました。また、合繊素材の加工にも日本独自のテクニックが生かされていることも印象に残りました」とコメントしました。


photo_来場者の声 01

幅広い提案が魅力

「今回は並ぶこともなく、スムーズに入場できました」(クリエーター)、「事前パスが届いていたから、前のように長蛇の列に並ばずにすみました」(アパレル)。来場者数は2日間で約2万人と前回と変わらず。それでも会場受付に長い行列ができなかったのは、やはり受付せずにそのまま入場できるパスを事前に郵送し、会場入り口も増やしたためです。東京ビッグサイトから有楽町の東京国際フォーラムに会場を移したことで、交通の利便性が向上しましたが、入場時の行列解消という課題に取り組んだのが今回展でした。

展示内容については「出展の幅が広がっている。毎回、新しいものを見るのが楽しみ」(アパレル)という声をよく聞きます。今回、JFW-JCで31社、PTJは12社が新規・復活出展者でした。新しい参加者の提案が展示内容の厚みを増しています。また、JFW-JCでは19社が服飾資材分野で、PTJにも多くの刺繍・レース企業が出展されました。「刺繍やレースをまとめて見ることができるのはJFW-JCだけ」とトレンドに敏感な学生が話していました。

 

「3回目だが、今回は加工物が目立った」(アパレル)、「前回同様に個性的な素材が多い」(アパレル)、「初めて来たが、いろんな素材が一堂に集まっていた」(アパレル)と、短繊維から長繊維、機能素材から染色加工を駆使した感性素材まで幅広い提案がなされているのが、この展示会の魅力となっています。

来場されるバイヤーは「まずトレンドコーナーで世界観を見て、インデックスコーナーでイメージに合った企業を探す」(アパレル)ことが多いようです。また、「既存の取引先を訪ねながら、新しい素材がないか会場を回る」(商社)というパターン。それだけに、「ブース番号はよく見えますが、社名の表示が通路から見えにくかった。もっと見えやすい社名表示にしてほしい」(アパレル)といった声もありました。また、「会場全体に活気はあるが、組合関係のブースでは担当者が細かい質問に対応できていない」(メーカー)といった課題も残っているようです。


photo_来場者の声 02



出展者の声

国内出展者

PTJに初出展したワダノブテックスは、トーションレースを部材としてとらえ、ミシンでつなぎ合わせることで装飾的なテキスタイルにして提案しました。先染め糸で配色です。「パリの大手メゾンとも取引を始めました。輸出では円安効果の実感はまだありませんが、国内の新規顧客を開拓したい」と意欲的に接客していました。プリント物が得意の北高も初出展。「来場者が多く、新規開拓に寄与する」と満足度は高かったようです。出品した形状記憶性素材へのプリントはこれまでにないものです。野崎染色も初出展ですが「酸性染料によるナイロンやウールなどへのインクジェットプリントに焦点を当てて出展」しました。シルクでも酸性染料だと光沢感が増します。「インクジェットプリントの提案が多い中で、当社の独自技術をアピールし、多少加工賃が高くても理解していただく」と話していました。

 

クレッシェンド・ヨネザワはウール地に絹紡糸のスライバーをニードルパンチしたストールなどを出品。「受注は増えている」と好調を持続しています。丸井織物は自販事業確立に向けて自社ブランド「ミ・フォルマ」を提案。高い形状記憶性能と復元性を持つナイロン100%素材です。「ナイロン後染めの形状記憶素材は世界初」で、糸の選定、製織、加工によって開発されました。


photo_出展者の声 01

鈴木晒整理は紳士服地向けの提案を増やしました。また、綿の先染め織物を秋冬素材に変化させる加工も提案。先染めの綿織物の片面を特殊加工することでウールのフラノのような表情に変えました。渡辺パイル織物は「スーパーカシミヤトルファン」を出品。「吸水性、保温性、光沢があり、ダブルシャーリングした」もので、ハーフケットの形で提案していました。山陽染工は「熟練の職人技と独自の染色機で、糸の中心まで染まらない硫化染め」を打ち出しました。海外の著名ブランドも採用する画期的な技術です。

 

伴戸商店は金糸、銀糸、金箔を織り込んで模様を浮き出させる織物「金らん」をアピールしました。「金らんは時代劇やひな人形のイメージですが、最近はスポーツシューズとのコラボやジーパン、ジャケット、帽子などにも使われています」。クールジャパンを背景に、海外からの注目も集まっているようです。

伝統と最先端の革新技術。PTJ会場は今年も熱気あふれるビジネス会場となりました。


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JFW-JCに初出展したのは東レ合繊クラスター。今回は環境配慮型素材分科会が「エコ素材を利用したモノ作り」「製造工程でのエコへの取り組み」「節電商品への取り組み」を訴求しました。「一般のポリエステルは135℃の高圧で染色します。しかし、常圧分散可染ポリエステルは100℃の常圧下でも染色できる。このため染色工程でのエネルギー、CO2排出が約25%低減できます」と説明していました。

匠の夢も初出展です。特殊な整経機と自社改造した織機で、他ではできない大柄の先染め織物を製造できる世界でも数少ないテキスタイルメーカーです。「ハンドワークス」「圧縮チェック」「インクジェットほぐし織り」などオリジナリティあふれる素材を提案するとともに、ブース内を同社のテキスタイルデザイナーが装飾しました。「自ら売る提案型の企業」を目指しています。

今年ウールマーク誕生50周年を迎えるウールマークは、過去の膨大なアーカイブの中からピックアップした時代を彩る広告のコラージュを壁面に飾りました。また、15秋冬ザ・ウール・ラボ、13年から日本でも展開を始めた「クールウール」キャンペーンのほか、マザー&ベビープログラムの「ウールマークナーチャー」を紹介しました。

Bishu Styleのブースでは御幸毛織が厳選された上質原料を使い、ゆっくりと織り上げた「ナポレオン」を出品。パレモは縮絨ガーゼ天竺やリバージャカード圧縮素材などを出品しました。ソトーは前処理で染めたナイロン100%の「ジェムストーン」を提案し、ケケン試験認証センターは獣毛試験の紹介を行いました。

レンチングファイバーズは今回、「ニットに最適なファイバー」と打ち出し、カラー展開にも注力した展示内容でした。


photo_出展者の声 03

朝日ファスナーは1940年代のビンテージファスナーを忠実に復刻。「コンマー」、「タロン」などの復刻スライダーは銅材使用のプレス製で、経年変化の味があります。その一方で「エレガンスファッションに向けたコイルファスナー」も提案していました。

いわて産業振興センターのブースには岩手県の縫製企業である岩手モリヤ、二戸サントップ、二戸ファッションセンター、三和ドレス二戸工場が出展。「今回が3回目の出展。岩手県には縫製工場が200社ほどあります。とくに岩手県北部は就労人口の7~8%が縫製業。縫製業が発展すれば、人口減にも歯止めがかけられ、少子化過疎化対策にもなる」と岩手の縫製をアピールしました。



海外出展者

今回が3回目となる台湾紡拓会は「TAIWAN ECO TEXTILES」と名付けたブースに13社が出展しました。出展者は昨年の9社から増加。6日のフォーラムでも、台湾テキスタイル連合会の楊暁琴事務局次長が「エコを加味した機能素材のトレンド」をテーマに講演するなど日本市場に意欲を示しています。参加したスーパーウイル社は新しい特殊なニット編み物の専門メーカーとして知られています。ナイロンやポリエステルのスパンデックスニットのほか、吸湿速乾、撥水、抗菌防臭、制電、UVケアといった加工も行っています。「大阪のインナーウエアメーカーと取引はあるが、初めての出展。地球にやさしい機能素材を日本に広げたい」と新規の顧客開拓に力を注いでいました。

 

KOFOTI(韓国繊維産業連合会)の韓国パビリオンには12社が出展しました。初参加のコンバーターSFTは独自デザインと欧州デザインによるプリントをワンストップソリューションという仕組みで提案。また、アルームデリ社も「日本市場に実績がなく、今回は初出展。ミニマムロットは300m」と話していました。


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PTJにも海外企業が参加しました。インドのEASTERN SILK INDUSTRIES社は2回目の出展。「インテリアや一戸建て住宅の会社が来ました。インドシルクはカーテンや壁紙にも使われます。自動車メーカーも来られ、シートに使う手織りのファンシーな生地に関心を持っておられました」と、衣料以外のバイヤーに注目していました。

香港のblue farm textile社も継続出展。「デニム屋ではなく、インディゴ屋。年商70億円で生地売りと製品OEMを行っています。デニムは日本では少ない経糸・緯糸とも糸染めで対応。チノ、ジャカード、レース、セーターなど、インディゴ染めした商品全般を扱う」のが特徴の企業です。


photo_海外出展者の声 02



INDEX[2]JFWテキスタイル事業 2015年度スケジュール
■海外展
  “The Japan Observatory” at Milano Unica 2016 Spring/Summer
 

[会期] 2015年2月4日(水)~6日(木)
[会場] Fiera Milano City


  Japan Pavilion 2015 Spring Edition Intertextile Shanghai Apparel Fabrics
 

[会期] 2015年3月18日(水)~20日(金)

[会場] 中国博覧会総合体(新会場)


■国内展
  Premium Textile Japan 2016Spring/Summer
 

[会期] 2015年5月27日(水)~28日(木)
[会場] 東京国際フォーラム 展示ホール2


  Premium Textile Japan 2016Autumn/Winter
 

[会期] 2015年11月25日(水)~26日(木)
[会場] 東京国際フォーラム 展示ホール2


  JFW JAPAN CREATION 2016
 

[会期] 2015年11月25日(水)~26日(木)
[会場] 東京国際フォーラム 展示ホール1




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