「Premium Textile Japan 2015Spring/Summer」が22日、閉幕しました。今回のPTJは過去最高の応募となり、厳選された74件/94小間(うち海外7社)の規模の開催となりました。来場された日本繊維産業連盟の下村彬一会長は「PTJも第7回。回を重ねるごとに、商品、その見せ方が充実している。来場者も多く熱心に商談しており、会場は活気にあふれる。今後の日本のテキスタイルの復権を示唆する雰囲気だ」と、展示会レベルの向上を指摘されました。
ビジネス重視としてスタートしたPTJ。会場では出展各社が独自商品を競い合い、他のブースに刺激を受け、さらに出展企業同士が生地と加工などをコラボレーションして、さらに開発力を高めています。そうした活動を積み上げることで、専門性の高い、ハイレベルな素材を紹介する展示会へと進化しています。
今回も「トレンドコーナーはわかりやすい。メーカーの素材レベルが高い展示会」(アパレル)、「特殊な素材が多く、しかも綿、シルクから合繊まで幅広い分野の素材がある。産地展とは違う」(デザイナー)、「じっくり見ると、半日では足りない」(デザイナー)といった声が来場者から上がりました。
出展者も「思った以上に来場者が多かった。これまで当社素材を幅広く見てもらうことに力を入れたが、今回は出展品を絞り込んで、その分奥行の深さを紹介した」(丸井織物)、「今回も良かった。リネン入りの和紙で表面変化を訴求した。手つむぎの糸は扱いにくく、効率を追う企業は手を出さない。だからこそ専業としての強みを発揮できる」(日本ホームスパン)、「経糸が5000本の二重の斜織りを提案。非常に手間が掛かるが、透け感に違いが出た」(クレッシェンド・ヨネザワ)など、新しい挑戦に取り組みました。
PTJで人気のビジネスマッチング・プログラムは今回、VIPバイヤー8社に対し、出展企業24社が52件のマッチングを実施しました。会場内の専用商談室で行うことで「素材だけでなく、そのモノ作りの背景まで聞くことができた。また、こうしてほしいという細部のやり取りもできる」(デザイナーメゾン)と、落ち着いた雰囲気の中で商談を進めました。
会期中にはミラノ・ウニカのシルヴィオ・アルビーニ会長が訪れ、9月にミラノ・ウニカ会場で開催する「The Japan Observatory(日本を俯瞰する)」at Milano Unica 2015AW(JFW/ジェトロ運営)についての記者会見も開かれました。円安を追い風にして、日本のテキスタイルの海外販路拡大にも期待が掛かっています。 |