カシミヤやシルクの細番手でストールを提案した高澤織物(株)は、「今回は来場者が多い。素材に対する関心の高まりを感じます。国産回帰の傾向が強まっているのではないでしょうか」と語っていました。辰巳織布(株)は「知人の工場には、一部の商品が中国よりも安いと注文が入ったようです。原料高で期近は大変ですが、長期的にはいい流れになってきました。国内だけでなく、海外からの引き合いも増えてきました」と、市場の流れに変化を感じているようです。
渡辺パイル織物(株)も「今回は台湾、香港からバイヤーがやって来て、ハンドタオルを3万枚成約できました。カットソーもほしいというので、知り合いを紹介しました」と、今後のビジネスに手応えを得ました。積極的に海外展開する畑岡(株)も「円安で輸出環境は好転しています。このチャンスを活かしたい」と話していました。 ハイゲージが人気だった宮田毛織工業(株)は、「国産回帰の傾向はあります。今後はさらにジャパンクオリティーが求められると思う」と期待感は強まります。
こうした環境変化をビジネスにつなげるためには、メーカーとしてより日本らしい開発に努めなければなりません。クレッシェンド・ヨネザワは今回、極細の壁糸を用いたストールを出品しました。また、米沢産地だけでなく山梨県の細番手の麻を使ったストールも開発しました。「ストールは人気商品ですが、市場では安い商品も増えました。国産として手間ひまかけて海外にはないストールを開発しています」と、麻に綿の細かい刺繍を施したものや、シルクとシルク麻のからみ織りで先染めボーダー柄を表現した後、水洗いでボーダー柄を波状に変化させたストールを出品。メード・イン・ジャパンの違いを明確に表現していました。 |