JFW JAPAN CREATION [Mail Magazine] 一般社団法人日本ファッションウィーク推進機構 JFWジャパン・クリエーション http://www.japancreation.com/

INDEX[1]ヨーロッパ・テキスタイル・トレンド報告

photo_ヨーロッパ・テキスタイル・トレンド報告 
 2月に開かれたプルミエール・ビジョンは久々に活気が。ソフトビンテージ、鮮やかなカラー、花柄、多重組織…。ジャパン・クオリティーは定着。そんな状況をレポートしました。

 上品なソフトビンテージが目立つシーズン——2月に開かれたプルミエール・ビジョン(PV)2012S/Sは、過去2年続きで来場者数が減るなど盛り上がりを欠いてきましたが、主催者発表によると今回は前年を4%上回るなど、全盛期には及ばないものの、確実に勢いをとり戻しつつある、というのが実感です。

 トレンドでは、ラスティック、いわゆる粗野な感じを上品に仕上げた「ソフトビンテージ」が目立ちました。ナチュラルな感じを残したワッシャーやいらつき、ムラ染め、絣などの表情が注目されました。その表情は、薄くて透け感のある多重組織、いわゆる“結接”がバリエーションを広げ、この薄地の多重組織がいたるところで散見されました。

 目立つといえばプリントも目を惹くトレンドの一つです。いろいろな花をモチーフにしたプリントが台頭し、これとは対照的に幾何柄が影を潜め、会場のどこにも見当たらないほどの少数派になりました。そのほか柄でいえば、民族調の小紋が若干目についた程度。

 カラーの特徴では、白黒のモノトーンが退潮し、かわって鮮やかなアイスクリームを思わせるペールトーン・カラーがクローズアップされました。これにカーキやネイビーが締める形。これとともにソフトビンテージを表現したのが“さびた”感じのカラーです。

 素材別にみると、天然素材はエレガンス寄りに、また合繊素材はカジュアル寄りになっていました。コットン原料の高騰が影響したのか、あちこちでリネンが打ち出され、ここでもシワやいらつきの表情が目立っていました。また、ビンテージに適しているのかサマーツイードも注目素材。コットンやリネン、アクリルを用いた“さっぱりとした仕上げ”のツイード風合いが新鮮に映りました。

 来場者が増えはじめるなど活気をとり戻したPVでは、いぜんとして「日本ブーム」が続いていました。日本からの出展は26社。円高によって価格が割高になりながらも、日本製テキスタイルのよさは定着した感じです。また、今回、初めてロシアが出品したのも話題の一つです

                                               JFW-JC事務局長 川島朗(談)


INDEX[2]jc(ジェシー)のちょっとイッ服

日本ファッション・ウィーク推進機構
新理事長に三宅正彦氏



photo_JFWニュース 記者会見する馬場氏(左)と三宅氏(右)
記者会見する馬場氏(左)と三宅氏(右)
 日本ファッション・ウィーク推進機構はこのほど、東京・港区の東京ミッドタウンで記者会見し、2月21日付で新理事長に三宅正彦氏(サンエー・インターナショナル会長)が就任、馬場彰氏(日本ファッション協会理事長)は理事長退任後も理事として活動すると発表しました。また、平成23年度のJFWテキスタイル事業、3月18日から始まる第12回「東京発 日本ファッション・ウィーク」の開催概要も説明しました。

 馬場氏は「日本のファッションを世界に打って出そうと6年前に始まった事業。この間、常に走りながら考えて事業を推し進めていった。今の日本の実情でできることはやってきたという自負はある。今後は三宅氏にがんばっていただく」とあいさつしました。

 三宅新理事長は「「来年度以降、国からの補助金もゼロになるが、何としても継続してやっていきたい。コレクションとテキスタイルの2つの事業を更に充実させる。ファッションはテキスタイルを開発し、育成していかないと発展しないし、海外にも打って出られない」と語りました。

 JFWテキスタイル事業は5月と10月に「ビジネス商談会(仮称)」を開催。また、10月には繊維総合見本市(JFWジャパン・クリエーション)を開くほか、海外で開催される展示会(インターテキスタイル上海などを想定)へのフェア・イン・フェア形式での参加も計画しています。

 コレクション事業では、3月18日〜25日の日程で、東京ミッドタウンを中心に「JFW in Tokyo」を開催。「テクノロジー/ナイト」をキーワードに、コア事業である東京コレクション・ウィークには35メゾン/35ブランドが参加し、「第3回シンマイ クリエーターズ プロジェクト」なども開きます。


INDEX[3]グリーン&グリーン

バナナ繊維はエコの優等生

photo_グリーン&グリーン 
 かつてバナナが薬用に用いられていたことをご存知でしたか。古い仏典にも薬用飲料だったとの記述があるそうです。テニスなどの試合中にプレヤーがバナナを口にする光景を目にしますが、これも疲労回復の効果があるからなのでしょうね。

 そんなバナナが最近、エコの分野でも注目されています。バナナ繊維といえばフィリピンの正装バロンタガログが連想されますが、環境への優しさに関しては、オーガニックコットンに匹敵するかもしれません。

 世界で初めてバナナ繊維の工業化に成功した日清紡は、名古屋市立大学の森島教授によるODA活動の一環で行なった研究プロジェクトに参画したのをきっかけに開発に着手。現在はバナナ30%、綿70%の混紡糸を製品化しています。

 バナナ繊維は、吸水性が非常に高く、軽くてしなやかで艶がある、という特徴があります。それとともに注目されるのが環境への優しさです。バナナを栽培している国や地域は130近くもあり、収穫したあとに廃棄される量は年間10億㌧に達するそうです。その廃棄物が原料となるわけですから、エコの優等生といってもいいでしょう。

 また、栽培にしても、もとはバナナの収穫が目的ですから、繊維のために栽培面積を広げる必要がありません。

 廃棄される10億トンのうち、どれだけがバナナ繊維に使われるかは分かりませんが、こんなことを知るとバナナへの認識が変わりますよね。



 


 

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