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経産省・渡辺哲也クール・ジャパン室長に聞く
「クール・ジャパン戦略」って何? |

経済産業省 クール・ジャパン室長
渡辺哲也氏 |
昨年来、「クール・ジャパン戦略」が様々に報道されています。クールというのは、「かっこいい」の意味。海外で評価の高いアニメ、食文化、ファッションなどを輸出していこうという海外戦略のようです。でも、アニメとすき焼きと、ファッションが同じテーブルに並ぶ光景が、もうひとつわからない。ファッションの中には、テキスタイルも含まれるのか。経済産業省製造産業局の渡辺哲也クール・ジャパン室長にお聞きしました。
—— 経産省に「クール・ジャパン室」が設置されたのは昨年6月。そもそも「クール・ジャパン戦略」の目的は何だったのですか。
日本は自動車や家電だけでは成長が難しくなりました。新しい成長の柱は何か。新興国との競争で優位性のある分野は何か。若い人が働き、活躍できる場をどこに求めるか。今後の日本はどうやって稼いでいくのか。そうした課題が出発点です。
クール・ジャパンとは、「世界が共感する日本」「世界が欲しがる日本」。日本の魅力を高め、世界に届ける仕組みを作り、かつ海外観光客の来訪を促進してインバウンド市場を増大しようという狙いです。
—— 経産省の「産業構造ビジョン」で、文化産業立国を掲げていました。その流れですね。また、23年度予算も補正を合わせ14億円の要求額でした。具体的には何を行うのですか。
昨年11月から「クール・ジャパン官民有識者会議」を開き、基本コンセプト、重点分野やターゲット国の絞込み、地域ごとの戦略を策定中です。アパレル・ファッションについては昨年12月に会議を開きました。ものづくり・地域産品、食、コンテンツ、住まい、観光と分野別に行い、5月中旬にクール・ジャパン戦略として取りまとめる予定です。
—— アパレル・ファッションの方向性は。
市場としては中国を中心とした東アジアです。ファッションは高価格のデザイナー系と、「カワイイ系」を区別してプランニングしていきます。また、伝統も重要。アジアのファッションの中心地としての東京のブランディングも必要です。
—— テキスタイルの位置付けは。
重要です。素材やテキスタイルなしに、日本のファッションは成り立ちません。日本の強さは素材や生地に強みがあるのですから。日本のモノ作りの強さ、伝統や革新技術といったものも紹介していきます。
—— 海外での物産展のイメージですか。
韓国はアイドルを連れて行って、コンサートとともにファッションショーを開いています。そうした話題作りがうまい。物産展でもかっこよくやらないといけません。日本のライフスタイルを紹介するような形もあるでしょうし、モノ作りの良さを説明することも必要です。共同アンテナショップ、現地小売商・ネット事業者との提携もあります。やるからには10年くらいのタームで息の長い取り組みにしていきたいですね。
—— ありがとうございました。
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遠州産地/ニーズをくみ取る

古橋織布の遠州ツイード
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遠州織物工業協同組合の機業は100社以上ありますが、委託生産が中心で、自販企業はまだ少ないのが現状です。
昨年来の中国労働事情の変化で、国産素材見直しの機運が強まっています。加えて、綿花高騰、羊毛急騰など世界の原料事情も大きく変わりました。縫製労働者不足による納期遅れだけでなく、素材調達も困難になっており、安定供給していくためには、国内産地に注目が集まるのは当然の流れと言えます。
実際、遠州産地でも2月のスペースは埋まっています。静岡県繊維協会の松下満彦会長は「中国では労働者不足、人件費も上昇している。多品種で小ロットの日本の注文を断る企業も出ている」と、国内生産見直しの背景に、中国生産の変化を指摘しています。
また、松下会長は遠州産地が今後も発展するためには、自販比率を高めることも重要ですが、まず「消費者のニーズをくみ取り、最終製品を考えてこそ、モノ作りの精度が高まる。紡績や織布、ニッター、染色、縫製まで踏まえた一貫生産体制を描く視野が必要になる」と語っています。
自販が進まないのは、展示会に出展しても、単発に終わったり、その後の営業フォローが十分行われてこなかったのも一因でしょう。自販を行う産地の古橋織布は、欧州を中心に輸出を行い、国内でも中小アパレルと取り引きすることで、ニーズに基づいた開発が進んできました。
遠州産地に限らず、受身の生産から個性を持ったモノ作りを進めるには、原料や糸に始まり、最終製品まで考えたモノ作りへの転換が必要になってきました。
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