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ファッションでも“エコ”が一気に拡大する?
毎年のことながら、2月はファッション系教育機関の卒業イベントで賑わいます。多くは卒業する学生たちによるファッションショーとなりますが、そこで注目されるのが彼らのテーマです。傾向的にみていると、エコに関連したテーマが年を追うごとに増えています。これはショーだけでなく、卒業論文でも同じで、筆者が査読をしている大学の卒論では、かなりの比率を「ファッションと環境」といった内容のものが占めています。時代は確実に“エコ重視”に向っているようです。
そのことを裏づけているのが、昨年5月にベルメゾン生活スタイル研究所が行ったファッションに関する調査です。
(http://www.kuratama.jp
/report_live/059/live059.htm)
同研究所のスタイル・モニター4400人にさまざまな設問を投げかけているのですが、その中に「不要になった服の処分」という項目があり、これを“現在”と“将来”に分けて回答する部分があります。
それが別図のデータですが、現在では「ごみとして捨てる」がもっとも多く、78%の人が廃棄しています。次いで「誰かにあげる」(37%)、「リサイクルショップに持ち込む」(29%)、「オークションで売る」(14%)、「リフォーム、リメイクする」(11%)が上位にあります。これは、ほぼ予想通りの順番ですが、興味深いのは“今後”です。
ここでトップとなるのは「リサイクルショップに持ち込む」(42%)で、全体の8割近くを占めた“捨てる”が半分近くも減少してしまいます。
さらに世相を反映しているのが「店舗での回収」で、ポイント還元の条件付きだと、わずか4%だった数値が36%に跳ね上がります。また、「リフォーム・リメイク」も11%から26%に上昇しています。
ファッション市場では厳しい状況が続く、との予測が体勢を占めていますが、この調査をみていると、エコ・ファッションが一気に“拡大期”に突入する可能性を秘めていると思えるのですが、いかがでしょう。
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