JFWサステナブル
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非有害化学物質

繊維製品に使用される
有害化学物質とは?

私たちが身につける繊維製品には、染色や柔軟、防縮、紡シワ、撥水などの目的で、様々な化学物質が使用され、このような物質の中には、服を着る人、作る人、そして作る場所やその周辺環境に悪影響を与える危険なものもあります

化学物質の危険性は、身につけるよりも製造過程の暴露量と排水です

製造過程で濃縮された危険度の高い化学物質の多くが、河川へと流れ込み、海へと辿りつき、水生生物が取り込み、私達の食べ物に混入する可能性があります

見えない汚染を止めるために、有害化学物質を使用しない取り組みが始まっています

問題のある有害化学物質

非有害化学物質使用への意識の高まりの中、最優先で排除するべき有害化学物質群のひとつが、「有機フッ素化合物=PFC)」です

衣類では、主に防水、撥水加工のコーティング材として使われています

PFCの多くは難分解性で自然界に残留して、人体にも蓄積されやすく、長期に摂取した場合の健康への影響が指摘されています

非有害化学物質=代替物質

2006年米国環境保護庁が「PFC自主削減プログラム」を発表したのを機に、世界の主要フッ素化学品メーカー8社が賛同し廃棄を進め、2019年には残留性有機物質の規制に関するストックホルム条約でPFCが廃絶物質に指定され、国際的規制が強まりました

その結果「PFC」の代替物質の開発も進み、サステナブルと撥水性機能を両立させた代替撥水剤が「C6フッ素撥水剤」「非フッ素撥水剤」ですが、性能がやや劣る難点もあります

複合での性能UP

加工剤だけでなく、生地の構造と組み合わせて性能を高める研究も進んでいます

生地表面に空気層を含ませるように、凹凸構造やハスの葉をイメージした産毛のような表面感、繊維そのものに深い溝を作ったユニークな断面構造などが使われています