JFWサステナブル
・プロジェクト
2-a

最適化された染色
・後加工プロセス

環境に配慮した染色・後加工について

繊維製品の製造プロセスの中でも、染色と後加工の工程では大量の水が必要で、エネルギーも多く使われCO2も多量に排出します

また染料や、補助剤、後加工に使用される物質の中には、使用する人だけでなく、製造する人、製造する場所、そして環境に悪影響を与える危険なものも多数あります

染色・後加工プロセス最大の問題点が、水を大量に使用し、廃水も多く排出することです

世界の産業廃水汚染の20%が、ファッション産業により排出されていると言うレポートが有ります

繊維のサステナブルを考える時に、「水」つまり「水の大量使用」と「廃水の大量排出」は、特に注視する問題点だととらえ、この水問題改善へと取り組みが行われています

水と廃水の削減

精練や染色工程での多量の廃水を抑えるため、高圧窯の中で水を使わずに無地染めを行う高度技術の開発や、プリントをインクジェットに置き換えて型洗浄や色糊の廃棄を無くすなどの取り組み

水の代わりに、気体と液体が共存出来る限界の温度・圧力を超えた超臨界流体状態のCO2を使った染色、紡績工程で顔料を繊維に練り込み着色など、通常の染よりも水使用量削減への取り組み

染めない

古代綿は自然な有色綿だったことに着目して、オーガニック栽培で古代綿茶綿や緑綿に戻し、綿花そのままの色糸を先染織物や、編物に使用
ウールも、原毛ウールと言われる有色羊毛が有り、今までは風合いの点で主に資材等に使われていましたが、改質を重ね衣類へと用途を拡大

染めない+再生

ウールや綿を中心に、古着や裁断くずを回収して、素材や色ごとに分別して反毛して糸に生まれ変わらせる取り組みが多方面で出てきています

既にあるものを使うので、環境負荷軽減となりますが、リサイクルに付きものの回収システムの構築や、コストが掛かる点の問題は残ります

天然染料の進化

天然染料とは、動物染料・植物染料・鉱物染料の主に3タイプです

古来日本では、藍染めや泥染めを初め、紅花、茜などが身近に使われています

環境負荷が少ない天然染料ですが、工程の複雑さ、色ムラや褪色の問題もありました

しかし、近年加工工程の工夫、超音波補助剤などで安定化への研究、開発が進んでいます