JFW JAPAN CREATION [Mail Magazine] 一般社団法人日本ファッションウィーク推進機構 JFWジャパン・クリエーション http://www.japancreation.com/
JFW-JC News 4/20[tue] JFW-JC News 4/21[wed] JFW-JC News 4/22[thu] JFW-JC News 4/23[fri] JFW-JC News top
JFW-JC News 企業紹介 JFW-JC News インタビュー JFW-JC News インタビュー    

photo_JFW-JC 2011 S/S

INDEX[1]デザイナーコラボレーション
 「創・匠・商」の連携を推進するJFWコラボレーションプログラムです。テーマは「エコ・モード」で、今回の出展者とファッションデザイナーが、エコの要素をそなえた素材を用いてのコラボレート。日本を代表する技術と感性が融合した世界がお目見えしました。そうした企業とデザイナーに作品づくりに関する話を伺いました。

The Dress & Co. HIDEAKI SAKAGUCHI(坂口英明)
photo_The Dress & Co. HIDEAKI SAKAGUCHI(坂口英明)
『素材特性を活かしたエコ・マリエ』

 「エコ・モード」は、今の時代に欠かせないテーマです。ドレスの中でも生地を最も多く使うのがおそらくマリエ(ウエディングドレス)。それだけにエコが求められる。テーマを「エコ・マリエ」にした理由です。マリエは民族衣装的な要素がありますから、国やテーストなどを最初に考え、デザインして生地を選びます。今回は真逆。まず、素材特性をいかに活かすかというところからスタートしました。
 リバーレース(栄レース)は普段、付属であり主役になれません。作品ではオーバードレスとコサージュにしました。素材もペーパーヤーンです。その下のコルセット型のロングドレスはオーガニックリネン100%(林与)で、生成ガーゼソフト加工しています。もう1体のマリエは官能的。ポリ乳酸/レーヨン素材の薄地シャンブレー(西川産業)を、深いスリットの入ったスクエアードラッフルドレスに。そのスリットからのぞくタイツに熱着刺繍(ラカム)を使いました。今回の企画は素材特性を生かす試みとして良い経験になりました。
photo_The Dress & Co. HIDEAKI SAKAGUCHI(坂口英明) 作品
●(株)林与 <A-23>
 エコがテーマでしたので、オーガニックリネンを使い、糊付けせず、仕上げでも地下水と天日干しで生地を作りました。もっと柔らかい素材もできるのですが、今回は徹底的にエコこだわりました。そうした意図を坂口さんに十分ご理解いただいた作品だと思いました。ロングドレスもコルセット型だったことに新鮮な驚きを感じました。
●栄レース(株) <B-47>
 レースはインナー向けなどが中心で、脇役的存在でした。今回、主役として表現され喜んでいます。ペーパーヤーンを原料に使うことには苦労しましたが、ビジュアルな作品となり、レースがどう使われるのか、今後どのようなレースを作ったらいいかの参考になりました。デザイナーコラボは初めてですが、取り組んで満足しています。
●西川産業(株) <A-20>
 デザイナーコラボ参加は2回目です。ポリ乳酸/レーヨン素材ですが、薄地と軽さをイメージできる作品に仕上げていただきました。デザイナーがどのような基準で生地を選ぶのか、どのように使われるのかを知る機会になりました。デザイナーコラボのコーナーを見て、ブースに訪れるアパレルの方もおられました。
●(株)ラカム <B-11>
 熱接着刺繍をタイツに張っていただきました。熱で柔らかくして生地に潜り込ませるのが特徴です。ですから、通常の商品と違いソフトですし、裏側に出ませんのでインナーや子供服にも使えます。エコテックススタンダード100も取得しており、安心・安全です。インクジェットで色のグラデーションも可能なため、会場でも多くの方が訪れています。


GUT’S DYNAMITE CABARETS(CABARET AKI / JACKAL KUZU)
photo_GUT’S DYNAMITE CABARETS(CABARET AKI / JACKAL KUZU)ー
『GUT’Sらしいエコの表現を』

 エコは範囲が広いので、特に意識してではなく、自分たちらしく用いることができました。エコというとオフ白やベージュ、生成などナチュラルな雰囲気が多い中で、私たちに期待されているのはそれとは逆の表現だったと思うので、エコ・ナチュラルではなく、先端技術で開発された生地を用いてのGUT’Sらしいエコの表現ができたのではないかと思います。今回の作品のデザイン・コンセプトとして掲げたTIGER ROCK、8ビート、ちょっとだけホラーは過去7回のコレクションの中のテーマで、それらのイメージがエコ素材を使って表現するとどうなるかにチャレンジしています。
photo_GUT’S DYNAMITE CABARETS(CABARET AKI / JACKAL KUZU) 作品

●(株)ポリ・テープ・ジャパン <B-62>
 アディダスやプーマなどスポーツ・ウェアを主体としてきたので、ポリフレックステープを、わざとシワを寄せて使い、立体感をつけたいというGUT’S DYNAMITE CABARETSの発想は新鮮でした。アパレルの中で用いると目立たない部分ですが、原料のポリウレタンは、エコテックススタンダード100の中でもクラス1という最高品質のものですし、接着糊自体もエコロジーなものを使用しています。
●東レ(株) <A-32>
 今回使用されたフォレッセは、レディスファッション部門のエコ素材で、ドレープ性とさらりとした着心地が特徴になっています。コラボレーションではプリントを施したいということでしたが、熱に弱いセルロース系素材なので、無地の使用になりました。今後はリサイクルだけでなく、レスエナジーのエコに注力していきたいと思っています。
●カイハラ(株) <B-28>
 環境へ付加のかかりにくいバイオマス繊維とコットンを複合したデニムの需要は高まってきています。糸を膨張させ光沢感を持たせたエコミックス・デニムはロングスカートに、リヨセル・コットンデニムはデニムつなぎに用いられています。いずれも迫力のある作品で嬉しい驚きでした。ナチュラルではない表現にも共感を覚えました。


SHIDA TATSUYA(信太 達哉)
photo_SHIDA TATSUYA(信太 達哉)
『エコっぽくないエコの表現』

 今回のデザイナー・コラボレーションでは、今までの自分のコレクションでは使ったことがないようなものを用いることができて、デザインの範囲が広がりました。作品としてはあえて、エコっぽくなくしようと・・・。蛍光色に近いようなピンクを取り入れてモード感を表現しています。協力各社のエコ素材を使ってみて、扱いやすく、従来の素材とエコ素材の差のようなものは無くなってきているという印象を受けました。価格的にも取り扱いやすくなってくると、より広く浸透していくのではないかと思います。
photo_SHIDA TATSUYA(信太 達哉) 作品

●ミワ(株) <A-26>
 キュプラは、未利用繊維のコットンリンターから作られますが、今回のコラボレーションではキュプラをベースに、後加工やジャカードによる表現の3つの素材を提供しました。ジャカードを主体とする当社では、やや地味な色柄が用いられましたが、存在感のあるデザインによって新鮮な素材感が演出されました。
●滋賀麻工業(株) <B-35>
 テーマの「エコ・モード」を表現するためリネンの特性を最大限に生かす素材を提供しました。リネンは、バイオマスと呼ばれる再生可能資源の植物繊維です。このリネンにリラックス感とソフトな風合いを表現しました。また、リネン100%とともに竹繊維の複合もエコに対応しています。竹を加えることにより、他の素材にないドライタッチと上品な光沢感が表現できました。


INDEX[2]Best of TA・KU・MI デザイナーセレクション
テキスタイル・デザイナー インタビュー
『素材を提供して』

 昨年の「JFW新人デザイナーファッション大賞」で入賞したファッションデザイナー3名が、JFW-JC2010A/Wで行われた「Best of TA・KU・MI JFWジャパン・クリエーション大賞」の入賞作品(59点)からセレクトしたテキスタイルを用いての作品を展示していますが、そのテキスタイルを提供した3名のデザイナーにガーメントとなった感想を伺いました。


photo_稲森 麻子 (株)フィルノット 作品

稲森 麻子 (株)フィルノット <B-66>

 Lighting Textile-Bがアパレルのコレクションにどのように用いられ、どのような効果を発揮できるのか、当初は想像ができませんでしたが、明さんの熱意とまっすぐさに、やってみたいという興味が先行しました。コスチュームと違って難しかったのは、およそ160にもなった光源をどのように隠すかということで、デザインとの兼ね合いの中で、光源の割り振りについて何度も相談しました。
 明さんからは、スカートには張りと力強い光を。
photo_稲森 麻子 (株)フィルノット
トップスには柔らかく繊細な表現がしたいとのリクエストがあったので、ファイバーの太さも模様も変えて型紙に合わせて手編みしました。大変でしたが、本当に楽しんで制作することができました。

photo_中里 明宏 (株)マルナカ 作品

中里 明宏 (株)マルナカ

 入賞した三重織大玉柄カットジャカードを、デザイナーの平元さんのイメージに合わせて、秋冬用に原料や番手、色を変更していきました。
photo_中里 明宏 (株)マルナカ
当社の方にも来ていただいて、主旨など織物になるまでの背景や、ストーリーを説明しました。使用されたのは1マークですが、密なやり取りをし、その熱心さにも感動しました。コラボレーションは、思いもかけない突飛なアイデアがでてきたり、またそのイメージを実現するために、さらに工夫をしたりと、刺激し合いお互いを高められる良い機会でした。

photo_平松沙代子 作品

平松沙代子さん

 今回の作品は、コラボレートしたデザイナーの平元聡さんからの要望で、
photo_平松沙代子
まったく新しい図柄を製作しました。テーマはファミコン・ゲームで、「ドラゴンクエスト」をイメージにデザインしました。デザインのベースは“哲学プロジェクト”です。といっても難しく考えるわけではなく、たとえば「世界遺産をひとつの街に集めたら…」とか「海の中での魚たちの会話」といった創造の世界を形にしています。

INDEX[3]フォーラム
『グローバル・スタイル・ディレクション:2011年春夏から先を見据えて』
講師:ジュリー・ハリス(WGSNアジア・パシフィック・マネジング・ディレクター)


photo_ジュリー・ハリス(WGSNアジア・パシフィック・マネジング・ディレクター)
 21日14時からのフォーラムは、WGSNアジア・パシフィックマネージングディレクター ジュリー・ハリス氏を講師に招き、2011年春夏以降のトレンドについて語っていただきました。ハリス氏は、2011年春夏のキーワードとして「タイムライン(時間の経過)」「フェア&スクエア(本質への回帰)」「センサリー(体感する)」の3つを挙げました。

 タイムラインは、商品やアイデアを過去から持ち出し、現代的なフィルターや先端テクノロジーを重ね合わせて、新しいモノを作り上げるというコンセプトです。テーラードは歴史を感じさせるシャープなデザイン。カジュアルウエアはリラックスしたレイヤードスタイルです。モダンとクラシックのコンビネーションがポイントになります。フェア&スクエアのデザインはモダン、ピュア、温かみが鍵を握ります。田舎暮らしならではの美を、都市空間に持ち込むカジュアル。クリーンなカットのテーラリングに夏のスポーツウエアの感覚をプラスします。センサリーは精神的にも身体的にも新しい体験を提供するというコンセプトです。メンズ、レディースともすっきりした盛夏のスポーツウエアに方向性があり、カジュアルウエアにはニューヒッピーのムードも。触り心地や躍動感のある色彩とプリントが重要と指摘されました。

 2011年秋冬については、相反する2つの要素が魅力になるシーズンと予測。グラマー&素材を活かす(未加工)の下に、玉虫色の効果、ニュースキン、力と運動、ダスト、自由なカタチ、セラミック2の6つのテーマを説明されました。



『ヒットランキングから読み解く、時代の気分』
講師:赤間 りか(繊研新聞社 記者 トレンド面担当デスク)


photo_赤間 りか(繊研新聞社 記者 トレンド面担当デスク)
 21日16時からは、繊研新聞社トレンド面担当デスクの赤間りか氏を講師に、「ヒットランキングから読み解く、時代の気分」をテーマにしたフォーラムが開かれました。

 自身が担当してきたヒット商品ランキングの2006年からの紙面を資料に、過去から現在に至るまでのヒット商品の変遷と消費者の意識変化を今後の動向に結び付け、ワンピースに代表される楽ちんアイテムの継続、求められるプラスアルファの要素などを具体的に解説。また現状の閉塞感を払拭するためには楽ちんとは対極にある、頑張らないと着られないパワーを持ったアパレル、消費者が自分を磨きたくなるアパレルの重要性についても言及。消費者のニーズに合わせて同質化に流されるのではなく、こだわりあるモノづくりで、消費者のセンスを磨く、育てる意識で取り組まないとファッションビジネスは減少するとの警鐘を鳴らしました。

INDEX[4]記者会見が開かれました
『10月のインターテキスタイル上海に出展』

photo_JFW-JC運営委員会 貝原良治運営委員長
 21日、13時からJFW-JC運営委員会の貝原良治運営委員長は会場内で記者会見を開きました。貝原委員長は「不況の影響で出展小間数は半減していますが、内容はレベルアップし、意欲のある出展者がそろいました」とあいさつ。今後のJFW-JCの方向性についての記者の質問に、「平成22年度は10月開催を決めています。23年度以降はまだ予算についても不明ですが、運営委員会としてはあくまで継続していこうと考えております」と答えました。

 また、10月19日〜22日、中国・上海市の上海国際博覧中心で開かれる「インターテキスタイル上海(アパレルファブリック)2010」に、昨年に引き続きJFW-JCとして出展することも明らかにしました。JFW-JCとしてのトレンド発信(54平方メートルのコーナー予定)を行うとともに、メサゴメッセ(日本)との共同運営による商談ブースを集積した「ジャパンパビリオン(JP)」を開設します。JPへの参加条件は日本国内に籍を置く企業。詳細は22日16時から会場内で開かれる上海展示会説明会で発表する予定です。

INDEX[5]3日目(4/23)のスケジュール
4月23日(金)
10:00   開場
14:00   フォーラム
『 お金をかけずに「理念」「ブランド」を全社で伝える「ICT戦略」
〜Twitter×YouTube×ブログ×メルマガでネットコミを〜』
17:00     閉場
※最終日は17時までです。

※フォーラムの詳細と参加申込み http://www.japancreation.com/forum/2011ss/

 


 

◆メールマガジン「JFW JAPAN CREATION」へのお問い合わせ◆
ご意見、ご感想などをお寄せ下さい!
・Mail:magazine@japancreation.com

◆発行:JFWジャパン・クリエーション事務局
・〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3-4-5 2F
・Mail:info@japancreation.com
・HP: http://www.japancreation.com/

◆配信解除ご希望の方は、以下より解除手続きを行ってください。
http://www.japancreation.com/mailmag.html


JFW JAPAN CREATION Copyright(c) JFW Japan Creation, All rights reserved.